経産省がデータ活用の可能性を伝える5つのショートムービーを公開!

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2019年6月8日、安倍首相が掲げる「DFFT(Data Free Flow with Trust)」のコンセプトを伝えるWebサイトを経済産業省が公開し、合わせて5つのコンセプトムービーも公開されました。

この記事では、日本が推し進める「DFFT」とは何なのか、そして経済産業省が公開した動画の詳細についてお伝えします。

信頼性のある自由なデータ流通:DFFT(Data Free Flow with Trust)とは

「成長のエンジンはデータで回っている」安倍首相 発言

2019年1月23日、世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)に5年ぶりに出席した安倍晋三首相は「成長のエンジンはもはやガソリンではなくデジタルデータで回っている」と述べ、データの国際的な流動性の重要性を強調したことで話題になりました。

そこで安倍晋三首相によって提唱されたのは信頼ある自由なデータ流通(データ・フリー・フロー・ウィズ・トラスト)の頭文字をとった「DFFT」です。

2019年6月28日から29日にかけては大阪でG20が開催される予定で、「世界的なデータガバナンスが始まった機会として長く記憶される場としたい」とも語っていて、2019年は日本政府にとって「データ戦略」を大きく打ち出す1年になりそうです。また、政府は2019年6月にAI戦略を策定する予定です。

G20つくば貿易・デジタル経済大臣会合を世耕経済大臣はDFFTを国際的に発信

2019年6月8日から2日間、茨城県 つくば市において「G20貿易・デジタル経済大臣会合」が行われています。6月28日〜29日に開催されるG20に関係する会合で、政府が推し進めるSociety5.0やAIをはじめとしたデジタル関連の話題について、20カ国のデジタル関係の閣僚が集い、議論を行います。

DFFTのコンセプトサイト&コンセプトムービーが公開!

日本政府がDFFTの重要性を世界に発信する中、経済産業省が2019年6月8日にDFFTのコンセプトを伝えるサイトをオープンさせ、5つの動画を公開しました。

経済産業省の担当者はデータの活用の可能性を一人ひとりが考えるきっかけにしてほしいと語ります。

経産省の担当者:データにおいて、セキュリティやプライバシーの保護が信頼の源泉です。政治レベルではデータの流れを法律で規制することはできますが、これはフリーフロー(自由な流通)を阻害することにもなってしまいます。

今後はフリーフローと規制のバランスをとっていかないといけません。

だからこそ、規制の話ではなく、みんなで信頼を醸成したいと考えています。政府と民間が一緒にデータの流れを作っていくことを大切にしていきたいです。
個人がデータの扱いに関してもっと深く考えてもらえるきっかけになればいいなと思います。

データの活用の未来が見える5つの動画

この5つの動画は、以下の写真のような顔の絵が描かれたボックスがデータを表し、データの活用の可能性を伝える作りになっています。

恋愛や医療など、わたしたちに身近なテーマで、データ活用の可能性を考えられるきっかけとなる、とてもポップな1分程度のショートムービーです。説明してもむずかしいので、動画を見たい方はこちらのページをご覧ください。

職場とデータ

終身雇用の維持がむずかしいと言われる昨今。今後は、人事判断においてもデータの活用が進みます。

働くひとのパフォーマンスや健康状態などをデータを通して客観的に把握できるようになることで、スキルなど一人ひとりの個性を生かした働き方が可能になります。

この動画では、人事部長が候補者のデータを見て、誰を採用するかを選別しています。

なんと選んだ候補者のデータは、まだ小さな子どものものでした。

しかし、やはりデータが表したとおり、能力に申し分はありませんでした。

データの利活用が進むことで、今までに把握できなかった働き手の個性や特性を把握することが可能になるでしょう。企業にとっては、より自社にマッチした人材を採用しやすくなります。

一方で、採用においては性別や人種による差別がよりはっきりしてしまう事例が報告されています。会社と求職者が、心地よくマッチできるよう公正なデータの利活用が求められます。

医療とデータ

医療におけるデータ利活用の可能性も広がっています。

将来は、個人のカルテのデータやウェアラブルデバイスが取得した日々の健康データを基に、医師による迅速な診断が可能になるかもしれません。

この動画は、受診している患者が、聴診器を当てられるのを嫌がっている様子からスタートします。

そこで、医師はデータをモチーフにしたボックスに聴診器を当てることで、患者の診断を迅速に行います。

医療に関するデータは極めてパーソナルな情報です。取り扱いに注意しなくてはいけません。

一方で、自分の医療データを気軽に医療に活用できるようにすることで、診断の効率化や治療の質の向上に繋がります。

また、個人のデータを匿名化してビッグデータとして解析することで、医療研究の発展や新薬の開発などに生かせる可能性もあります。

今後は、個人の医療データをより柔軟に活用できるようにする一方で、しっかりとプライバシーを保護していく工夫が必要です。

地方とデータ

2019年5月23日付で博報堂DYメディアパートナーズのメディア環境研究所が発表した「メディア定点調査2019」ではスマートフォン所有率は82.2%まで伸びていると述べられています。

もはやスマートフォンを持つことが当たり前となった今、通信システムがあれば、地方であっても、どこにいてもあらゆる情報にアクセスすることができます。

この動画では、地方に住む女性がチーズケーキを作っています。

女性がチーズケーキのレシピをWebに公開します。

そのレシピをWebに公開してから3年後、チーズケーキは有名になり、商品化されました。

このように、誰でも情報にアクセスできるようになることで、さまざまな情報が活用できるようになります。同時に、自分の情報を誰かに提供することも容易になります。この動画では、女性のチーズケーキづくりのノウハウが価値を持ち、ビジネスになっているところが印象的です。

これから、5Gの導入などにより誰でもが情報をさらに簡単にやり取りできるようになります。同時に、通信インフラの整備を進めたり、情報にアクセスするインターフェースをより簡単にして、あらゆる人が情報を活用できるようにする工夫が必要です。

恋愛とデータ

恋愛においてもデータの活用の可能性が広がります。年収や趣味、居住地や身長などの情報を入力できるマッチングアプリも多い今、今後は、SNSでの発信内容など、多種多様なデータを加えていくことで、自分により合った相手を見つけることが容易になります。

この動画は、3人の男性が1人の女性にアプローチしているシーンからはじまります。右側の2人の男性は指輪や花束を掲げていますが、一番左側の男性が掲げているのはデータです。

そうすると、男性のデータを見て、女性が覗いている双眼鏡に「MATCHING….GOOD!」の文字が。

女性は、花束や指輪ではなく、データを見て、この男性を選びました。

しかし、他にも「MATCHING….GOOD!」と表示される男性が。

見た目が好みなのか、この女性は最初に選んだ男性ではなく、黒髪でダンディな男性を最終的に選びました。

今後は、恋愛においてもデータの活用が進むでしょう。一方で、データはあくまでも判断するためのツールでしかなく、男性を選ぶ決め手が全てデータでは表せないことを示している動画です。

今後は、データだけに基づいた画一的な判断だけではなく、感性も重要にしていく必要があるでしょう。

法律とデータ

中国の海南省にある高級人民法院ではAI技術を裁判官の事案処理に活用しています。今後はデータを活用することにより、裁判がより身近な存在になるかもしれません。

このムービーでは、ある庭の木が隣の建物にまで伸びてしまって問題になっているケースが紹介されています。「MOBILE JUDGE」と書かれた移動型の裁判所が登場するところが未来感があります。

このコンセプト動画では、裁判所の判断を受けたい2人がそれぞれの主張を移動型の裁判所にセットすることで、

移動型の裁判所が、判決を下します。

このように、金銭的や負担や心理的な負担を理由に今まで法定で争うことを避けていた人でも、より気軽に裁判を受けられるようになる未来が来るかもしれません。

一方で、過去に判例がないような争いをAIが解決するのは困難です。これからは人が仲裁すべき争いは残ると予想されます。また、AIの判決が正しいと受け入れられるようにAIの信頼性を高める必要もあります。

G20つくば貿易・デジタル経済大臣会合の様子

2019年6月8日から6月9日にかけて「G20つくば貿易・デジタル経済大臣会合」が開催されています。世耕弘成経済産業大臣がリードしながら、「DFFT(Data Free Flow with Trust)」などについての議論が進められています。

2019年6月8日 2019年7月10日更新

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