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この記事では、7月2日に日本ディープラーニング協会(以下JDLA)が主催した「JDLA資格試験 合格者の会」の参加レポートをお届けします。
今回の合格者の会は、初となるG検定合格者・E資格合格者共同での開催で、700名近くが参加し、大いに盛り上がりました。
目次
増加する合格者、ディープラーニング活用の渦がここから巻き起こる
合格者の会のはじめに、JDLA資格試験のG検定とE資格の合格者コミュニティCDLE(Community of Deep Learning Evangelists)のコアメンバー挨拶が行われ、その後、JDLA事務局長で新たに理事に就任した岡田隆太朗氏が登壇し、これまでのJDLA資格試験の状況について説明されました。
増加する資格申込者・合格者
これまでJDLAによって行われた試験はG検定が5回、E資格は2回です。
各試験の累計の受験者はG検定が14,695名、E資格が724名で、回数を増すごとに増加していることがわかります。(下図参照)
また、G検定は累計合格者数が9871名に達し、このままいけば次回、累計合格者数は1万人を超える勢いです。
岡田氏は、「G検定合格者を10万人、E資格3万人を目標にしていく」と熱い意思を伝えました。
自己の成長を感じた人が多数 合格者アンケート
JDLAは今回の合格者の会に先立ち、合格者向けにアンケートを実施しました。
まず、G検定・E資格の受験前の、事前知識についてです。
情報システム・システム企画職の受験者の割合が高かったため、全体的にプログラミング経験や線形代数・偏微分の学習経験が多いようです。
しかし、G検定の合格者の推移を見ていくと、プログラミング経験のなかった割合が増えており、他の職種の合格者数が増えていることがわかります。AIの要素技術であるディープラーニング活用の波がIT企業以外にも広がり、関心を持つ人が増えていると考えることができます。
資格取得後の業務の変化
資格を取得した後、業務にどれだけ役立てることができるのか、アンケートでは、30%の人が業務でディープラーニングに関われるようになったと回答しました。
継続的に業務としてディープラーニング(機械学習)に関わる人を合わせると半数以上となり、G検定、E資格はディープラーニングを業務に役立てるための登竜門ともいえるようになりました。
ディープラーニングハッカソン・ビジネス活用アワードが開催!
JDLAは今後、以下の2つのイベントを開催する予定です。
ディープラーニングハッカソン
ディープラーニング・ハッカソンは、G検定・E資格の合格者が参加できるハッカソンです。JDLA正会員メンターの直接指導を受けながら、企業の課題を解決するためのAIモデルを開発していきます。
ディープラーニングビジネス活用アワード
日経クロストレンド、日経×TECHが主催し、ディープラーニングを用いて産業・社会に大きなインパクトを与える新たな事業の取り組みを表彰します。
ペーパードライバーにならないように
岡田氏によるJDLAの資格試験の説明の後に、合格者による交流がスタートしました。
合格者の会に来賓として招待された伊藤禎則氏は以下のように合格者に言葉を送りました。伊藤氏は、経済産業省 商務情報政策局 総務課長で日本のAI・データ戦略の責任者です。
伊藤氏 : みなさん一人ひとりがAI・データ・ディープラーニングを使いこなせるスキルというのは、国にとってもすごく大きいことです。
車の運転免許でもペーパドライバーでゴールド免許な人と同じにならないように、AI・データを学んで終わりではなくて、学んだこと使ってどんなビジネスができるのか、どんな社会課題を解決できるのかこれからも向かいあっていただければ、この国がもっといい国になると思っています。
熱気に包まれた会場の様子
トヨタ自動車株式会社の河合英紀氏の乾杯により合格者の交流時間が始まりました。
会場では、料理や飲み物が振舞われ、合格者がそれぞれ交流を深めていました。
会場の後方では、持ち時間5分という短い中で、13人がスピード感溢れるLTを繰り広げていました。
松尾理事長の挨拶
閉会に際して、JDLA理事長の松尾豊氏は以下のように締めくくりました。
松尾氏 : まさに今は技術によって時代が変わろうとしている変革期だと思っています。インターネットによって時代が大きく変わってきたように、ディープラーニングによって、これから時代が大きく変わっていくと考えています。
1999年にインターネット技術で何ができるか考えることと、2019年にディープラーニングによって自分が何をできるかっていうことを考えることはほとんど一緒だと思っています。
アマゾンもグーグルもまだまだ小さかった時代があるように、今、ディープラーニングによって大きくビジネスが成長していくフェーズの真っ只中であり、その中にいることを自覚してください。
大企業にいる方も、中小企業、ベンチャー企業にいる方も等しくチャンスがあると思っていますので、自分の思考に限界をつけずに、大きなことができると思って進んでいただきたいと思っています。
この合格者の会の中にいる人たちから、大きなビジネスを作り出す人が増えていくことを心から願っています。
最後に
回を重ねるごとに規模を増しているJDLA資格試験の「G検定」と「E資格」。学んで終わりではなく、活用を進めるためにも、合格者同士が盛んに交流することはとても重要なことです。
JDLA資格試験の合格者が大きなムーブメントを起こす震源となれるのか、今後も注目です。
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