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2021.11.24

AIの種類を紹介|定義やそれぞれの違いについて詳しく解説!

今回の記事では、AIの種類について紹介します。みなさんはSF作品で描かれているようなAIと、現在の身近にあるAIの違いが気になったことはないでしょうか。実は両者はまったく別のAIなのです。

本記事では、AIの種類の紹介に加えて、現在実用化されているAIや、将来的に実現が期待されているAIの種類についても触れていきます。

また、本記事の後半では、AIの種類が示唆するさまざまな問題について紹介しますので、ぜひ最後までご一読ください。

▼AIについて詳しく知りたい方はこちら

AIの種類について

AIには、性質や用途に応じていくつかの区分があります。本章では、「タスクの幅」と「知能のレベル」で分類したAIの種類について紹介します。

タスクの幅で分類したAIの種類

まずは、タスクの幅で分類したAIの種類についてです。

1つのタスク、あるいはごく限られた範囲のタスクをこなすAIのことを「特化型AI」、一方で複数のタスクをこなせるAIのことを「汎用型AI」と呼びます。

それぞれ紹介していきます。

特化型AI

「特化型AI」とは、特定のタスクをこなすことに特化したAIのことです。現行のAIのそのほとんどが特化型AIのカテゴリーに属します。

例えば、将棋やチェス、囲碁といったゲームをするAI、画像認識や音声認識のためのAI、自動運転のためのAIなどが特化型AIに含まれます。

汎用型AI

「汎用型AI」とは、特定のタスクに限定されない多種多様なタスクを処理可能なAIのことです。つまり、人間と同等かそれ以上の振る舞いをできるAIのことを指します。

現在、汎用型AIが実用化された例はほとんどなく、そのわずかな実例も「人間のような」振る舞いをするAIとはほど遠いものとなっています。

知能のレベルで分類したAIの種類

次に、AIの知能のレベルで「弱いAI」と「強いAI」の2種類に分類できます。この区分は、「人間のような」推論能力やタスクをこなす能力をAIは獲得できるのかという論争においてよく用いられます。

弱いAI

アメリカの哲学者ジョン・サールは、人間のような精神を持たず、単にプログラムにしたがって問題解決をしているに過ぎないAIのことを「弱いAI」と名付けました。

現在普及しているすべてのAIは、この弱いAIのカテゴリーに属します。弱いAIは、真の意味で知能を獲得しているとは言えません。

確かに、将棋や囲碁のAIは人間の知能をはるかに凌駕しているかのように見えますが、そのAIも事前に入力されたアルゴリズムにしたがって処理をしているにすぎません。

強いAI

一方、「強いAI」はSF作品などでよく語られるAIのイメージに近いものです。具体的に言うと、人間のような知能を有し、自律的に問題を解決していくAIが強いAIだと言えます。

そのような強いAIは、自意識を宿しても不思議ではありません。なぜなら、このような強いAIは、真の意味で人間のような知能を有しているからです。

しかし、強いAIは現在まで実現にまで至っていません。この区分を考案したサールも同様に、強いAIは実現不可能だと考えました。この問題については、後の章で詳しく紹介します。

AIの分析技術の種類について(弱いAI・特化型AI)

前述のように、現在実用化されているAIのすべては「特化型AI&弱いAI」のカテゴリーに属します。

それぞれのAIは、特定のタスクに特化するためにさまざまな種類の分析手法を採用しています。この章では、そのようなAIの分析技術の種類について紹介します。

機械学習

機械学習とは、データをAIに学習させることでデータのパターンを見つけ出し、その学習結果を用いてさまざまなタスクをこなす分析技術のことです。

機械学習の種類には、大きく分けて「教師あり学習」「教師なし学習」「強化学習」の3種類があります。

▼機械学習について詳しく知りたい方はこちら

教師あり学習

「教師あり学習」とは、AIに正解を与えた上でデータを学習させる手法のことです。この学習過程は、教師と生徒の関係に準えることが可能なため、「教師あり」学習と呼ばれます。

教師あり学習の代表例は、回帰問題と分類問題です。回帰問題は連続値を扱い、分類問題は離散値を扱います。例えば、売り上げを予測するプログラムは回帰問題に属し、スパムメールを判定するプログラムは分類問題に属します。

仕組みやアルゴリズムがシンプルなので、昔から多くの場面で使われている機械学習がこの教師あり学習です。

教師なし学習

「教師なし学習」とは、AIに正解を与えずにデータを学習させる手法のことです。教師なしで与えられたデータの特徴を見つけ出します。

教師なし学習の代表的なプロセスは、クラスタリングと次元削減です。クラスタリングは、与えられたデータの特徴が似ているもの同士でクラスタに分ける(グルーピング)ときに使われます。次元削減は、過学習を防ぐためにデータの過剰な特徴量を削減するときに使われます。

強化学習

強化学習は、ある環境の中でエージェントが最大の報酬を得られる行動を選択するように学習する手法です。

強化学習は、囲碁や将棋のAIの成功で有名になりました。また、ロボット制御や自動運転で活用されている手法もこの強化学習です。

▼強化学習について詳しく知りたい方はこちら

ディープラーニング

ディープラーニングは、従来の機械学習の手法よりもはるかに高い処理能力を可能にしたAIの手法です。ディープラーニングは、ビッグデータと呼ばれる膨大なデータ群を分析します。

ディープラーニングは、ニューラルネットワークという脳の神経回路を模したモデルをベースに学習します。そのニューラルネットワークは、パーセプトロンという単位で構成されています。

ディープラーニングは、画像認識や音声認識、自然言語処理といったAI活用の分野に革新をもたらしました。従来の機械学習の手法では、画像データや音声データ、英語や日本語といった人間の用いる言語(自然言語)を分析・処理することは不可能でした。

しかし、ディープラーニング技術の確立によって、これらの膨大なデータを短時間で処理できるようになったのです。

▼深層学習(ディープラーニング)について詳しく知りたい方はこちら

▶関連記事|画像認識について詳しく知りたい方はこちら>>

▶関連記事|音声認識の活用事例について詳しく知りたい方はこちら>>

▶関連記事|自然言語処理について詳しく知りたい方はこちら>>

AIの種類が示す諸問題について(強いAI ・汎用型AI)

これまで、弱いAI・特化型AIの詳細について見てきました。次に、強いAI・汎用型AIについて目を向けてみましょう。これらのAIの種類は、AIの示すさまざまな問題を示唆しています。

汎用型AIは可能なのか

「汎用型AI」とは、特定のタスクに限定されず、まるで人間のようにさまざまなタスクを処理可能なAIです。このようなAIは、そもそも実現可能なのでしょうか。また、どのようなアプローチからの研究が進んでいるのでしょうか。

特化型AIの延長としての汎用型AI

現在の技術を積み重ねていけば実現可能なように思える汎用型AIは、特化型AIの延長としての汎用型AIです。

汎用型AIとは特定のタスクに限定されないAIのことですが、個々の領域に特化したAIを無数に組み合わせれば汎用型AIになるのではないかという、最も素朴なアイデアです。

このアプローチは現実的なものですが、しかしこのアイデアで作られた汎用型AIは、そもそも汎用型AIの定義を満たしているのかという疑問が残ります。

生物学的アプローチによる汎用型AI

上述のアプローチは、人工知能の権威であるレイ・カーツワイルが工学的アプローチと名付けた方法です。カーツワイルは、生物学的アプローチによる汎用型AIの実現についても提唱しています。

生物学的アプローチでは、人間の脳に機械を接続して、直接人間の脳の処理プロセスを分析・再現しようとする手法が取られます。

ディープラーニングで用いられているニューラルネットワークは人間の脳の神経回路を模したものですが、そのモデルは人間の脳の複雑な処理プロセスを極端に簡略化したものにすぎません。

生物学的アプローチでは、まさに直接的に、人間の脳の再現が行われます。もちろん、この手法は現代の技術では実現不可能であり、将来的に実現可能かどうかもわかりません。

また、このアプローチは人間の脳に直接介入し、場合によってはクローン人間のようなものが生み出されるため、倫理的な課題も山積みです。

▶関連記事|レイ・カーツワイルとは?生い立ちから研究内容まで紹介>>

▶関連記事|AIと倫理 – いまAI倫理が議論されている3つの理由を踏まえて、倫理を考える>>

強いAIは可能なのか

続いて、強いAIは可能なのかという問題を紹介します。弱いAI/強いAIという区分を提唱した哲学者のジョン・サールは、強いAIは実現不可能なことを説明するためにこの区分を設けました。

分析技術の寄せ集めは強いAIとは言えない

強いAIは、人間のような知能を有し、自律的な問題解決能力を有したAIのことです。強いAIには人間のような「意図」や「自意識」を身に着けていることになります。

したがって、強いAIには「心」が宿っていると考えることも可能です。

現在のAIの延長線上にあるAIは、将来的には「痛み」という情報を処理可能かもしれませんが、そのAIは本質的な意味で「痛み」を感じているわけではありません。

現在の特化型AIの分析技術、または分析技術の寄せ集めとしての将来的な汎用型AIは、強いAIではないのです。では、本質的な意味で「痛み」を感じるようなAIは可能なのでしょうか。

強いAIの思考実験

サールは、「中国語の部屋」という思考実験で強いAIが不可能であることを示しました。

中国語を全く理解できない人が、ある部屋に閉じ込められています。

彼には中国語の質問に回答するための完璧なルールブック、すなわち「○○という中国語の質問が来たら××という中国語で回答しなさい」というルールがあらゆる事例を想定して記述されている本が与えられています。

そのことを知らない人が、部屋の外から紙書かれた中国語の質問を部屋の中に投げ入れます。すると、部屋の中にいる人は、ルールブックに従って、中国語の回答を紙に書いて部屋の外に投げ返します。

部屋の外にいる人にとって、部屋の中にいる人は中国語を完全に理解しているように見えますが、実際にはそうではありません。

同様に、単にプログラムに書かれたものを処理するだけの人工知能は、例え中国語の質問を完璧に処理できたとしても、中国語を本質的な意味で理解しているとは言えないのです。

強いAIの実現には、技術的な課題が山積している

これらのことから、強いAIの実現には従来のAIとは全く異なる仕組みを持つAIが必要です。現在のAI技術の延長線上に強いAIはないと言えるでしょう。

また、サールは中国語の部屋の思考実験を用いて、人間の理解や自意識とは何かという問題も投げかけました。強いAIが実現可能かどうかを考えることは、そもそも人間の心とは何かという未解決の問題に向き合うことを促します。

おわりに

この記事では、AIの種類について述べました。特化型AI/汎用型AI、弱いAI/強いAIという区分を紹介し、それぞれについて現在の技術的な現状や課題について触れました。

SF作品などで描かれるAI(汎用型AI・強いAI)と、現在実用化されているAI(特化型AI・弱いAI)には大きな隔たりがあります。

AIの種類は、その隔たりが示唆するさまざまな問題を示唆します。この記事が、みなさんの「AIとはなにか」という問題への理解を深めるきっかけになれば幸いです。

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