「人間の仕事を奪うのはAIだ!!」「IoTで第4次産業革命は加速する!!!」
などなどAIやIoTは流行り言葉で、説明できないと時代から取り残されてしまうかのようです。
実際にAIとIoTは密接な関りを持つ概念で、あらゆる産業がこれらの技術で発展していくとよそうされます。
この記事では、AIとIoTそれぞれの概念とその関わりを解説していきます。
AIとは
AI(人工知能)とは実に幅広い概念です。人や場面によって、何を指しているかは全く異なっています。例えば「何となく頭が良い機械」を指したり、ディープラーニングというような具体的な技術を指したり。
実際にAIの専門家からは以下のような定義がされています。
今日のAIは、機械学習という技術とともに注目されています。AIブームを牽引しているディープラーニングも機械学習のひとつの技術です。
機械学習とは簡単にいうと、データをコンピュターがくり返し学習することで、そのパターンを導く手法のことです。
この分析したパターンに則り、未来の推論を行うことが出来ます。
このような技術的な発展とともに、AIのブームを引き起こした要因にビックデータがあります。ビックデータは、文字通り膨大で複雑なデータを指します。
例えばこの記事を読むうえでも、検索した言葉も、閲覧している時間も、この次にクリックする記事もデータとして蓄積されています。
インターネットが生活に必要不可欠になった現代、あらゆるの行為がデータとして記録されているのです。
この膨大なビックデータを分析するのに機械学習はもってこいで、注目されています。
IoTとは
IoTが指すもの
IoTとはInternet of Things の略で、日本語では「モノのインターネット」と言われています。
例えば、スマートフォンを考えてみてください。スマートフォンはインターネットに接続されていて、データが絶えず送受信されています。
「Google Home」や「Amazon Echo」が有名なスマートスピーカーも同様です。これらは、インターネットに接続しないと全ての機能を使用することができません。インタネットから、絶えず情報を送受信することで、簡単な会話したり、天気予報を聞いたりすることができます。
このようにIoTとは、モノがインターネットの接続されていること、あるいはインターネットに接続された端末自体を指します。
IoTによってできること
IoTは内閣府にも第4次産業革命を牽引する技術として位置付けられています。果たしてIoTでは何ができるのでしょうか。それはデータを収集することに尽きます。
あらゆる端末がインターネットに接続された社会をご想像ください。
冷蔵庫をいつ空けて、何を取ったか。エアコンの温度を何度にして、いつ変えたか。スケジュール帳には、誰といつ会って、何をしていたかが記録されます。
これらが膨大なデータであり、AIを生み出す資源になります。このデータを分析して、個々人に最適化されたサービスを享受することができます。
Iotの事例
それでは実際にどのようなIoTがあるのでしょうか。一緒にみていきましょう。
スマート農業
農業はIoTが進んでいる一つの分野です。
農業は、人々の生活に密接に関わる産業である一方で、深刻な人手不足が問題となっています。
そこで、AIやIoTの出番です。例えば、農場の温度・湿度をセンサーが管理して、自動で調整したり、そのデータを元に美味しい作物を作るに適切な判断を下したりすることが可能です。
例えば「(有)アグリードなるせ」では、WEBカメラや水田センサを駆使して、見回り回数の削減や除草効果の安定化を実現しています。
参照:http://www.maff.go.jp/j/kanbo/smart/attach/pdf/smajirei_2018-54.pdf
スマートスピーカー
先ほど例にもあげたスマートスピーカーはIoTデバイスの典型です。特に使用されている技術は音声認識で、ユーザーが手を触れることなく様々なサービスを利用できます。
スマートシティ
IoTが普及するのは家の中に限りません。街のさまざまなものもインターネットに接続されつつあります。
国土交通省はスマートシティを「都市に抱える諸課題に対して、ICT等の新技術を活用しつつ、マネジメント(計画・整備・管理・運営など)が行われ、全体最適が図られる持続可能な都市または地区」と定義しています。
例えば、タイムズパーキングの駐車場もオンライン化によって、空き情報を常にユーザーが把握することができます。
今後は、交通面でも道路や信号に、あるいは車内にあるカメラやセンサーが互いに連携し、交通管理を行う未来が予想されます。
AIとIoTのつながり
AIとIoTは密接な関りを持っています。
AI・IoTが厳密な定義を有していないため、その関りを一枚岩に説明することはできません。
その中で、AIを機械学習・またそれによって生み出されたモデルとして、IoTとの関りを考えると
IoTデバイスがデータを集めて、機械学習(AI)で統計的に処理する。また、そのように学習させたモデル(AI)をIoTデバイスに搭載される。
と関わりを考えることができます。
また、IoTデバイスのことを指してAIと呼ぶこともあります。
5G-AI・IoTの活用が更に加速する理由
このAIとIoTによって、今後産業のあり方が変わるとされています。その理由の一つは「5G」によって活躍の下地が整う点にあります。
5Gとは、第5世代移動通信システムを指しており、2020年より普及していくとされています。これによって、4Gをはるかに超える通信速度や同時接続数が実現します。
総務省の資料では5Gの特徴を3つあげています。
- 超高速
- 最⾼伝送速度 10Gbps (現行LTEの100倍)
- 超低遅延
- 1ミリ秒程度の遅延 (現行LTEの1/10)
- 多数同時接続
- 100万台/km²の接続機器数(現行LTEの100倍)
5Gの普及により100万台もの機器を同時にネットワークに接続することが可能です。5Gの実現によって、さらにIoTの普及が進んでいくでしょう。
ソフトバンクは、2019年7月に開催されたロックフェスティバル「フジロック」で5Gのプレサービスを提供しました。
参考:https://www.softbank.jp/corp/news/press/sbkk/2019/20190702_03/
5Gが既に実装のフェーズに入っていることが伺えます。
おわりに
AIとIoTは政府が第4次産業革命のコア技術に位置付けているように、今後の産業の在り方に多大な影響を及ぼすと言われています。
一方で、一つの流行り言葉として、AIやIoTが使われている面があります。その意味やポテンシャルを適切に理解したうえで活用を進めていきましょう。