今さら聞けない「シンギュラリティ」とは【シンギュラリティは起こるのか?】

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AIの技術に注目が集まると同時にシンギュラリティという言葉を聞くことが多くなってきました。

AI技術が極端に進化を遂げた未来では、AIが人類の知能を超え、指数関数的に進化し、その進化の速度が予測できなくなると言われています。AIが人類を超える、そのポイントが、シンギュラリティ(技術的特異点)です。

哲学者のレイ・カーツワイルはシンギュラリティが2045年に起きると予言しています。

シンギュラリティは本当に起こるのでしょうか?それとも起こらないのでしょうか?

両者の可能性を比較しつつ、検証していきます。

そもそも、シンギュラリティとは?

シンギュラリティが実際に起こるかどうかを検証していく前に、シンギュラリティが話題になった背景を知っておく必要があります。

シンギュラリティが話題になった背景は2045年問題

もし、AIが人間の能力を超えた場合、AIは自らのプログラムを自身で改良できるようになる可能性があります。休憩が必要ではない圧倒的な知性を持つAIが生まれれば、永続的に進化を続け、もはや人間がAIの技術的な進化を予測することはできなくなってしまうでしょう。

人間を超えるAIは人間最後の発明になるとも言われています。

AIが自らのプログラムを改良できるようになってしまうことは、2045年問題とも言われています。

シンギュラリティは起こる可能性

シンギュラリティが本当に起こるのでしょうか。まずはシンギュラリティが起きる可能性を考えてみましょう。

テクノロジーの進化は指数関数的である

ムーアの法則をご存知でしょうか。米インテルの創業者のひとり、ゴードン・ムーア氏が提唱した言葉です。集積回路の密度が18か月~2年で倍増するという予測されました。同じ集積回路上に2倍の密度でトランジスタを搭載することができれば、コストは半分になり、さらなる技術的進化が見込めます。

これを拡張した理論が提唱されています。進化の法則は集積回路だけに応用されるものではなく、宇宙のあらゆる現象に適用できると考えられました。これを収穫加速の法則と言います。

そして、AIの性能も同様のことが言えます。AIも指数関数的に進化し、少なくとも2045年には人類が予測できない域に達するというという仮説があります。

進化の速度は無限大

テクノロジーの進化が指数関数的に進むと仮定すると、ある点でその進化の速度は無限大に達します。このため、もはや人間の能力の必要性ですら、存在意義が疑われてしまうかもしれません。

シンギュラリティが起こらない可能性

ここまでシンギュラリティが起こる可能性に着目してきました。では、シンギュラリティが起こらない可能性も考察してみましょう。

性能の限界

そもそも、汎用的で万能なAIの原理がわかっていません。

人間の知能は部分的に見るとディープラーニングなどのAI技術と比べて劣っています。しかし、あらゆる事象に臨機応変に対応することが可能です。

一方で、人工知能のように、1つの知能で何もかも、全てを圧倒的なレベルでこなすには、大量の記憶容量や膨大な計算パワーが必要になります。

あらゆることに柔軟な知能を実現するためには、逆にひとつひとつの性能を下げるしかないという考えもあります。このような性能の限界があるため、人工知能が無限に進化していくのは考えづらくなっています。

メタファーの力があまりにも弱い

人間は、経験が少なくても過去の経験から未知のことを想像して行動することが可能です。物事を抽象的に捉えて行動するメタファー(比喩・たとえ)の能力が人間にはあります。

今、進化が進んでいるAIは大量の経験(データ)を基にして、帰納的に物事を判断しています。そのため、AIは少ない経験(データ)から物事を想像する能力がありません。

人間は1を知って10を知ることができますが、AIは100のデータから1つのことを抽出します。人とAIは知能の方向が逆なんです。

コラム:なぜAIのメタファーの力は弱いのか

AIには身体がありません。人間は身体(感覚器官)を通して常に現実世界を認識し、無意識でも常に予測と判断を繰り返しています。

しかし、AIには身体がないため、自分の体の規模感がわからず現実世界を主体的に捉えることが難しくなってしまいます。そうするとメタファーの力を発揮することができません。

生物固有のあり方を押し通すからこそ、万能な知能が生まれると捉えることができます。AIは世界を構成できず、メタファーの力を使うことができないのです。

そのため、人間は人工知能の身体を持たない認識の世界を確定できないのです。AIの世界をうまく把握できなくなってしまいます。

シンギュラリティは起こるのか?

シンギュラリティが起こる可能性と起こらない可能性の2つの論点を比較して、1つの結論を導き出してみましょう。シンギュラリティは起こるのでしょうか。

現時点では、シンギュラリティが起こる可能性は極めて低いのでは

シンギュラリティは現時点では、起こる可能性は極めて低いと言えそうです。

容量や計算パワー、メタファーの課題など、シンギュラリティが起こるために、超えなければいけない壁が高すぎることが理由として挙げられます。

現時点では、指数関数的に進化していくだけのコンピューターに対応できる容量や計算パワーを用意することは難しい現状があります。たとえ、それらを用意できたとしてもメタファーの能力には現実世界を主体的に捉えられないという問題が絡むので、解決することはさらにハードルが高くなります。

このような技術的な課題があることを考えると、AIが指数関数的に進化を続けることは難しいと考えられます。この理由から、シンギュラリティが起こる可能性は低いと言えるでしょう。

AIの技術進化で人間はどう進化していくのか

シンギュラリティが起こる可能性は低いとしても、AIの進化は続いています。このようなAIの進化は人間にどのような影響を及ぼすのでしょうか。

考えられる影響は「ヒューマンオーグメンテーション人間の知能の拡張」です。

これらの点について、深堀りしていきます。

ヒューマンオーグメンテーション人間拡張

汎用的で万能なAIを開発することは非常に難しいですが、特化型AIでタスクに合わせて知的モジュールがたくさん作られることで、人間の知能が拡張されるという見方もできます。

つまり、ヒューマンオーグメンテーションと捉えることもできます。これは、サイボーグのように身体能力や知的能力が増強・補強されることです。

例えば、人間最強の棋士を破ったAlphaGOが話題になりました。確かに「人間 vs AI」の文脈では、人間とAIの敵対関係が強調されがちです。

しかし、人間同士で勝負において、AlphaGOを利用すれば、AIはあくまでも人間の「拡張機能」という見方にもなります。

これからは、AIを1つのツールとして捉えて、活用を進めて行くことで、人類の大きな進歩につながっていくでしょう。

まとめ

シンギュラリティは起こるのか?AIの進化が人間に及ぼす影響とは?という疑問について見てきました。

シンギュラリティは起こる可能性は低いと考えられますが、AIの進化は人間に大きな影響があることは間違いありません。

今後、どのような進化をしていくのか?人間はどうなっていくのか?AINOWでは、今後も真実を追い求めて行きます。メルマガも配信しているので、こちらも合わせてチェックしてみてくださいね。

2019年10月3日 2019年11月7日更新

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