HOME/ AINOW編集部 /LINEとヤフーが経営統合 「AIテックカンパニー」を目指す
2019.11.18

LINEとヤフーが経営統合 「AIテックカンパニー」を目指す

最終更新日:

2019年11月18日、ヤフーの親会社であるZホールディングスとLINEが経営統合することを正式に発表しました。

11月13日の日本経済新聞の報道に対し、両社は経営統合について検討していた事実を認めていましたが、18日に正式に認めた形です。

ZホールディングスとLINEは18日に取締役会を開き、両社の経営統合について「資本提携に関する基本同意書」を締結すると決議しました。2020年の10月までに経営統合するということで基本合意し、国内最大級のグループが誕生することになります。

両社の親会社にあたるソフトバンクと韓国のネイバーが50%ずつ出し合う会社を設け、その傘下にZホールディングスをおいてヤフーとLINEを子会社にします。

統合の狙いについて、両社は以下のようにコメントし、AI テックカンパニーになることを目指すと発表しています。

私たちを取り巻く社会や産業の状況は、グローバルで日々大きく変化しております。特にインターネ ット市場においては米中を中心とする海外企業が圧倒的に優勢であり、企業規模を比較しても中国を除 くアジア諸国や日本の企業と大きく差が開いているのが現状です。

さらに日本では、労働人口の減少に伴う生産性の向上や自然災害時の迅速な対応への取り組みが求め られる中、これらの分野における人工知能(以下「AI」といいます。)やテクノロジーのさらなる活用 が期待されます。

この様な状況下において、国内で大きなユーザー基盤及び豊富な資産を有する ZHD グループとLINE グループは、本経営統合を通じ経営資源を集約し、それぞれの事業領域の強化や新規事業領域へ の成長投資を行うことにより、日本のユーザーに対し便利な体験を提供し、日本の社会や産業をアップ デートしてまいります。そして、その革新的なモデルをアジア、さらには世界に展開していくことで、 日本・アジアから世界をリードする AI テックカンパニーとなることを目指すものです。

ヤフーの顧客基盤(平均月間利用者数6,743万人)とLINE の顧客基盤(国内月間アクティブユーザー数8,200万人)が合わさることで、お互いのサービスが連携し、さらに強靭な顧客基盤が築かれることが予想されます。

両社の既存のサービスをさらに展開させていくことで、ユーザとの接点も多くなり、さらに大量なデータを蓄積、高性能なAIを構築することが可能になるでしょう。また、両社が強化中であるtoBビジネス領域においても、お互いのノウハウを共有することで、基盤の技術の強化も予想されます。

ヤフーは、顧客となる企業や自治体の持つデータとヤフーのビッグデータを掛け合わせて分析し、そこから導き出されるインサイトを提供するデータソリューションサービスDATA FOREST構想を掲げ、データを活用したソリューション提供を開始しています。

LINEは本格的にAI技術の外部提供を開始しています。その名も「LINE BRAIN」。LINEが蓄積してきた音声認識や画像認識、チャットボットなどの技術を外部に提供するBtoBのモデルの事業です。

両社は、それぞれのサービスの統合によって以下のシナジーが生み出されるとしています。

  1. マーケティング事業におけるシナジー
    ZHD/ヤフーと LINE のマルチビッグデータを活用することで、日本でマーケティング活動をする全ての企業が、より効率的なマーケティング活動を行うことができるようになると考えます。また、新たな広告領域として、O2O/OMO 分野を両社で協働して開拓していきます。
  2. 集客におけるシナジー
    LINE の国内8,200万人のユーザー基盤を有するコミュニケーションプラットフォームと、ZHD/ヤフーの e コマースサービス(ヤフーショッピング・PayPay モール・PayPay フリマ・ヤフオ ク!・ZOZOTOWN・ヤフートラベル・一休.com など)が連携することにより、e コマースサービス を始めとした、ZHD グループの各サービスへの集客効果が期待されます。また、ユーザーにダイ レクトにアクセスすることができる LINE 公式アカウントの活用により、統合会社におけるユーザ ーの利用増や、リテンション率の向上が可能と考えられます。
  3. Fintech 事業におけるシナジー
    両社が積極的に推進しているペイメント及び金融事業において協業することで、更なるユーザーの拡大や利用可能店舗の拡大等、ユーザー・店舗双方にとっての利便性向上が期待されます。また、 ペイメント事業における強固な顧客基盤を活用することで、Fintech 事業の強化が可能と考えられ ます。
  4. 新規事業/システム開発におけるシナジー
    開発人員の拡大、両社のシステム開発のノウハウの共有により、ユーザーにとってより魅力的なサービス作りができると考えられます。様々な分野での開発の加速が期待されますが、特に、両社はAI基盤の開発に注力しており、統合会社においても全サービスを支える AI 基盤開発の更なる強 化、加速を推進してまいります。以上のほか、両社の補完的なサービス及び良質な顧客基盤の活用。

この経営統合に関して18日の夕方、記者会見が開かれ、詳細が発表される予定となっています。

無料メールマガジン登録

週1回、注目のAIニュースやイベント情報を
編集部がピックアップしてお届けしています。

こちらの規約にご同意のうえチェックしてください。

規約に同意する

あなたにおすすめの記事

動画生成AI『Sora』とは|映像業界にとどまらないインパクトを解説

基調講演だけではない。OpenAI、Microsoft、Metaもビジョンを語ったGTC2024セッションまとめ

ChatGPTもGeminiも忘れて、これらの(信じられない)次世代AIツールをチェックしてみよう!

あなたにおすすめの記事

動画生成AI『Sora』とは|映像業界にとどまらないインパクトを解説

基調講演だけではない。OpenAI、Microsoft、Metaもビジョンを語ったGTC2024セッションまとめ

ChatGPTもGeminiも忘れて、これらの(信じられない)次世代AIツールをチェックしてみよう!