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私たちの生活になくてはならない存在となったGoogle。
私たちが普段使っているGoogleの検索エンジンにAIを導入することでより検索機能が便利になったり、GmailにAIを導入してメールの返信文章を自動生成してくれるようになりました。
また、GoogleはAIのサービスへの活用だけではなく、研究開発においても世界を牽引しています。Googleは2014年にイギリスのAI開発企業「DeepMind」を買収するなど、AIの研究開発に膨大な資金を投入してきました。
今回はGoogleのAIに対する取り組みをご紹介したいと思います。
目次
Googleの武器は利用者数
Googleの利用者は国内で6,600万人
Googleの強みはなんと言っても、検索エンジンの利用者数です。
国内では6,600万人もの人がGoogleを使用しており、国内人口の53%にもの匹敵する利用者数です。
そして、それらのGoogle利用者がGoogle Photoなどのサービスを利用することで、膨大な量のデータが蓄積されています。
利用者の多さはビッグデータの取得可能性に直結します。
利用者から得たビッグデータを分析することで、AI開発に生かすことができます。
Googleは生活のあらゆる部分を便利にする
Googleは自社の誇るインターネット技術を使い、私たちの生活をどんどん便利にしています。
例えば、Google Mapで求めるグルメを検索できるようになったり、Google Travelには旅行先や観光地についての情報検索やホテルや航空券の比較、予約など、さまざまな機能が搭載されています。
そして今後もその勢いは止まらず、Googleが各サービスにAIを活用することで、私たちの生活がさらに便利になることも予想されます。
AIに積極的なGoogle
近年、Googleが力を入れているのはAIです。
GoogleのサービスにAIを組み込むことで、今まで以上に新しい価値を提供できるようになっています。
例えば、スマートスピーカー「Google Home」を提供し、音声で操作デバイスを普及させることで私たちの生活を豊かにしたり、Google翻訳はAIの技術を使って精度が大きく向上しておます。
また、開発者向けのAI技術提供も積極的に進めており、GoogleのさまざまなAIがクラウドから利用できることで、世界のさまざまな企業にもGoogleのAIが組み込まれています。
AIと既存のものを組み合わせることで、今までにない価値を生み出し、さらに巨大化しているのがGoogleの特徴です。
Googleの研究開発
米ファクトセット及び加エレメントAIの調査によると、Googleは研究開発166億ドル、AI研究者数697人を抱え、世界でトップレベルのAI研究を進めています。
また、自社の研究所で研究する以外に、他の優秀なAIベンチャーを買収するなどしてその規模を日に日に拡大しています。
DeepMindの買収
Googleは2014年、AI開発を手掛けるイギリスの企業「DeepMind」を4億ポンドで買収しました。
DeepMindは2010年にロンドンで設立され、ビデオゲームを中心としたニューラルネットワーク(AIの一種)の開発を手掛けています。
世界を震撼させたアルファ碁
囲碁でプロを破ったAI「アルファ碁」が大きく話題になりました。
機械が人間を超えるはずがないという従来の常識が覆されたからです。
アルファ碁を開発した会社がDeepMindです。
アルファ碁のニュースは世界を震撼させ、AIが人間を超えたのではとの声も囁かれるようになりました。
それほどアルファ碁は高い精度を持っていました。
超高精度AIを開発するDeepMindがGoogleの傘下になったことでGoogleのAIはさらに勢いづいたと言えるでしょう。
Googleは世界にAIの研究所を設立
2018年7月、Googleはガーナの首都アクラにAI研究センターを設立することを発表しました。
アフリカ出身スタッフが中心となって、アフリカの研究所や大学と協力し、健康や農業における諸問題をAIによって解決することを目指します。
Googleのアクラにおける研究所設置に関してはこちら▼
他にも中国、インド、アメリカなど多くの地域にAI研究所を設置しています。
Googleは世界各国にAI研究所を設置することで、よりグローバルなAI開発を目指しています。
各サービスに活用されるGoogleのAI
ではここで、Googleの代表的なAIを紹介していこうと思います。
スマートスピーカー「Google Home」
Google HomeはGoogleが開発したAIスピーカーです。
スピーカーの中にAIが仕込んであり、声をかけるだけでで音楽を再生したり音量を調節したりできます。
また音楽再生以外にも、買い物をしたり、天気予報を聞いたりなどありとあらゆるサービスを使用することができます。
スピーカー×AIという画期的な取り組みにより、スピーカーとしての姿を再定義する結果となりました。
AIが予約を代行してくれる「Google Duplex」
音声認識機能を使って、レストランやホテルの電話予約を人間に変わって自動化してくれます。
お店のHPにアクセスし予定を合わせ、予約の連絡をするなど非常に面倒で時間のかかっていた作業ですが、それらを全てAIが行なってくれるのは大きな時間の節約になります。
仕事や交友関係で飲食店を使う機会が多い人は使ってみてはいかがでしょうか。
YouTubeの自動字幕
Googleが手掛ける動画サービスYouTubeでは、音声認識機能を使って動画内の話し声を自動で字幕化することができます。
映画の字幕のように一語一句が表されますので、耳が不自由な人などにはおすすめです。
Google pixelのカメラ
Googleが開発したスマートフォン「pixel」のカメラにはAIが活用されています。
カメラを看板やポスターなどに翳すと、記載されたメールアドレスやURL、電話番号などから検索できます。また、植物や動物をカメラで撮って、名前を調べることもできます。
さらには、レストランで外国語で記載されたメニューの語訳にも活用できます。
今までにない高機能なカメラとなっているのが特徴です。
Google photoの顔検索
Google photoにはAIの顔認証技術が搭載されています。
保存された多数の写真を分析し、同一人物でグルーピングしてくれます。
特定人物だけの写真を集めたいという時に便利な機能です。
AIの開発者向けのサービスの展開も
Google Cloud Platform(GCP)
Google Cloud Platform(GCP)はGoogleが提供するクラウドサービスです。
NoSQLのCloud Datastoreやビッグデータ解析ツールのBigQueryといったあらゆるサービスを総括したものです。
Googleはビッグデータ分析に強みを持っており、その技術を使用できるのがメリットだと言えます。
TensorFlow
TensorFlowはAI構築に役立つライブラリです。
AIを開発するためのニューラルネットワーク構築に必要な機能を利用することができるため、画像認識や音声認識など幅広いAIの開発をスピーディにしてくれます。
膨大で多大な時間を必要とするAI開発のプログラミングを大幅に時間を削減してくれることから、世界中のAI開発を加速させるのではないでしょうか。
AutoML
機械学習を自動化するサービスです。
従来、AI開発は専門的な知識を持ったエンジニアが行うものだと考えられてきました。
しかしAutoMLを使えば、AIに関して専門的な知識を持っていなくても簡単な操作だけで、自由にAIを構築できるようになります。
AIが今まで以上に人の手に届きやすい存在となることで、社会におけるAI導入が進むと期待できます。
Googleの詳しいサービスに関してはこちら▼
日本でも活発なGoogleのAI活動!Google AI for Japan
日本が直面する社会課題を解決するにあたって、AIが貢献できる可能性を模索するためにGoogleが日本で始めた取り組みです。
次世代AI人材の育成支援、AI研究への貢献、課題解決におけるAIの活用支援という3つの取り組みを柱にしています。
世界に比べて遅れていると言われている日本のAIですが、Googleの強力なバックアップのおかげで日本のAI力は向上するのではないでしょうか。
まとめ
世界に圧倒的な規模を誇るGoogle。
そのサービスの質と種類は今後もさらに増加していくと思われます。
その中で重要な役割を果たしているのがAIです。
あらゆるサービスにAIが導入されることで、ユーザーにとってより便利なサービスを生み出していくことができます。
今後もGoogleのAI活動には期待ができます。
慶應義塾大学商学部に在籍中
AINOWのWEBライターをやってます。
人工知能(AI)に関するまとめ記事やコラムを掲載します。
趣味はクラシック音楽鑑賞、旅行、お酒です。