デジタルトランスフォーメーションとは?AIの役割についても解説

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DX(デジタルトランスフォーメーション)という言葉を聞いたことがありますか?

GoogleやAppleといった大手IT企業を中心に、IT技術を生かしたさまざまなサービスが生まれ、私たちの生活に変化を与えています。

こうしたデジタル技術を生かした生活や業務への変革をデジタルトランスフォーメーションといいます。

今回はデジタルトランスフォーメーションについて、事例やAIとの関連について説明していこうと思います。

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは

デジタルトランスフォーメーションは2004年にスウェーデンのウメオ大学のEric Stolterman教授が提唱した概念で、「私たちの生活が進化し続けるテクノロジーでより良いものへと変化する」という意味です。

今まで当たり前だった生活様式や業務プロセスがデジタル技術の影響で全く異なるものへと変革するケースは増加しており、現代はデジタルトランスフォーメーションの時代と言えます。

他の用語との違い

よく聞くデジタルトランスフォーメーションですが、世間には他によく似た言葉も存在しています。

それらの言葉との違いも一度確認しておきましょう。

デジタイゼーション

デジタイゼーションとは局所的にアナログ情報をデジタル化することです。

例えば、デジタルカメラの登場で写真がフィルムからデジタル化したり、電子書籍の登場によって紙媒体の書籍がデジタル化したケースがこれに当たります。

デジタライゼーション

一方でデジタライゼーションは局部だけでなくプロセス全体をデジタル化していくことです。

例えば、デジタルカメラで写真がデジタル化したことで現像する必要がなくなりました。そのため、写真の送受信をインターネットを介して行われるようになったケースがこれに当たります。

デジタルディスラプション

デジタルディスラプション はデジタル技術による破壊的なイノベーションです。

既存の業界がデジタル技術によって全く異なるビジネスへと変容させるようなイノベーションであり、デジタルトランスフォーメーションと意味合いではほぼ重なります。

なぜデジタルトランスフォーメーションが必要とされているのか

高まるデータの重要性

世界全体にインターネットユーザーが急増したため、Web上からユーザーに関するデータを大量に収集できるようになりました。

GoogleやAmazon、Facebookといった大手IT企業は収集したデータを元に新たなサービスを次々と生み出しています。

そういったことから、今後はビジネスにおいてデータの重要性が向上すると言えます。

そして、データを集めるためにアナログなサービスをデジタル化していく必要があります。

求められるデータ基盤の再整備

2000年代からスマートフォンの普及が進み、世の中のデータ量が急激に増えています。同時に、膨大なデータを活用するAIが台頭し、幅広い産業でビジネスモデルが変革されています。

しかし、AIやRPAといった領域においては、技術先行の活用事例も多く、PoC(実証実験)の段階でプロジェクトが挫折してしまうケースも多いです。

これは、多くの企業でビッグデータに対応するデータ基盤や、リアルタイムにデータを処理しビジネスに活用する体制の構築が進んでいないからです。

多くの企業でAIやRPAの取り組みをはじめる以前に、社内全体でデジタル化を推進し、リアルタイムでのデータ活用や部門を超えたデータ共有などに取り組み、顧客に対して提供できる価値を最大化していく改革が必要です。

DXが進まないと12兆円の損失に!2025年の壁

平成30年に経済産業省が発表した内容によると、国内企業の約7割が老朽化したシステムを使い続けており、デジタルトランスフォーメーションが進んでいないそうです。

そして、そのままデジタルトランスフォーメーションが進まないと2025年以降は年間12兆円の損失が発生し続けると発表しました。

日本全体のデジタルトランスフォーメーションを促進するために、企業が抱えるレガシーシステムの解消も課題となります。

以上の点を踏まえ、経済産業省では、2018年5月に「デジタルトランスフォーメーションに向けた研究会」を設置。日本企業がDXを実現していく上での現状の課題の整理とその対応策の検討を行い、同年9月に「DXレポート」として報告書をまとめました。

「DXレポート」では、DXが進まない現状を「2025年の崖」として危惧しています。もし、DXが推進されなければ、2025年以降に最大で年間12兆円者経済損失が生じる可能性があるとういう内容です。

この「DXレポート」の内容を受け、「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン(DX推進ガイドライン)」が策定され、企業のあるべき姿に向けたアクションをとっていくための機会を提供するものとして、「DX 推進指標」が策定されました。これをベースに、法律に基づく「指針」を策定することが決まりました。

デジタルトランスフォーメーションの事例

Uberの事例

Uberはタクシーの概念を一新しました。

従来からタクシーと言えば、道端で空き車を手を挙げて呼び、運転手に行き先を伝えた上で降車の際に精算するのが一般でした。

しかし、Uberが登場したことでタクシーの利用プロセスは一変したと言えます。

ユーザーは道端でタクシーを待つのではなく、アプリから好きな時にタクシーを呼べるようになったのです。また、あらかじめ目的地を入力し、アプリ内で決済が済んでしまいますので現金を持ち歩く必要はなくなりました。

その利便性から利用者数は世界で9000万人を超えています。

Airbnbの事例

民泊に特化したプラットフォームを生かして宿泊業の形を革新したAirbnb。

空き部屋さえあれば誰でも宿泊業を営むことができるようになりました。宿泊業はホテルや旅館などの宿泊専門業者が営むものだという概念を一変させたAirbnbは、料金の安さから利用者数は世界で5億人を突破しています。

自動運転の事例

自動運転の技術は「運転」の概念を根本から一新しました。

人が自分で自動車を運転する必要がなくなり、運転手なしでただ座席に座っているだけで目的地まで車で行けるようになります。

外出先でお酒を飲んでそのまま車で帰ってきたり、車で移動しながら睡眠をとるなど今までできなかったことができるようになるのではないでしょうか。

政府はDX推進指標を設置し、DXを積極的に推進

DXが進まない現状を乗り越えるためには、経営幹部や事業部門、管理部門、開発部門などが一体となって、DXで何を実現したいのかの認識を合わせることが不可欠です。その上で、目的に応じた必要なアクションにつなげ、会社全体のデジタル化が推進されます。

そこで政府は企業のあるべき姿に向けたアクションをとっていくための機会を提供するものとして、「DX 推進指標」が策定しました。

DX推進指標は、多くの日本企業が直面しているDXをめぐる課題を指標項目として設定、関係者が議論をしながら、自社の現状の課題、取るべきアクションについての認識を共有し、気づきの機会を提供するツールとして策定されています。

▼DX推進指標について詳しくはこちらから

デジタルトランスフォーメーションを起こすためには課題の明確化が大切

今、日本全体に求められているデジタルトランスフォーメーション。

大切なのは、まず課題を明確にすることです。

デジタル技術を使って何をしたいかが明確でないと、思うような結果にならない可能性が高いからです。

自社の業務やサプライチェーンの中でどの部分にどのように課題があるのかを明確化した上で、AIなどのデジタル技術を生かしてどのように解決するかを考えるのが大切です。

AIの導入につながるデジタルトランスフォーメーション

AIの活用に注目が集まるようになると同時に、データの価値が再認識されるようになっています。

ときには「データは石油」とも言われ、現代社会において、豊かなデータを取得し、それをビジネスに活用して、いかにユーザに価値を還元するかが、ビジネスにおいて非常に重要になっています。

一方で、データ活用 = AI という認識だけが進んでいる傾向も感じられ、「データを活用しない」か「AIを活用する」かの二極的な考えでデータ推進を行っている企業も多いのではないでしょうか。

いちばん大切なことは、データを取得できるサービスの設計を行い、リアルタイムにデータから知見を取り出し、ビジネスに反映できることです。

営業であれば、AIに活用するしない関わらず、クライアントに合ったデータを瞬時に提示できることで商談の成約率も大きく向上するでしょう。また、営業企画はより大きな視点で分析を行うことが可能になり、会社の戦略も大きく伸びるでしょう。

経営管理の部署においては、AIを活用するしないに関わらず、リアルタイムで売上データやユーザの動きを把握できることで、迅速に経営の舵を切ることができるようになるかもしれません。

企画においては、外部の市場分析とともに内部の状況をリアルタイムに把握することで、ユーザの課題を把握し、新たな機能やサービスの着想につながる可能性もあります。

そして、上記の全ては最終的にはユーザの価値に直結し、ひいては日本社会全体がIT技術によって豊かになっていくことに繋がります。

デジタルトランスフォーメーションにおいて、自社の各部署がアップデートされることで、ユーザに提供できる価値が増える、そんな目的を各社で再認識しながら、しっかりとアクションステップを確認し、DXを推進してほしいと思います。

そして、その目的を達成するために必要な技術が機械学習などのAI技術であるのであれば、ぜひ、AIの活用も推進してほしいです。

まとめ

世界中であらゆる領域において加速するデジタルトランスフォーメーション。

今まで当たり前だった業界常識やビジネスモデルが、デジタル技術を強みに持つ企業によって全く違う形へと変革される時代の真っ只中になっています。

そして、将来的に企業が生き残り、日本が世界で遅れを取らないようにするにはデジタルトランスフォーメーションが不可欠です。

今後とも企業のデジタルトランスフォーメーションの動向には目が離せません。

2019年12月2日

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