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2020.06.08

マンガ多言語翻訳のMantraが8000万円の資金調達 ー7月にマンガ翻訳サービスをリリース予定

最終更新日:

マンガに特化した機械翻訳技術を用いて、法人向けサービス『Mantra Engine』の開発を行うMantra株式会社は、 株式会社ディープコア(DEEPCORE)、 合同会社DMM.com(DMM VENTURES)、 株式会社レジェンド・パートナーズ、 およびエンジェル投資家らを引受先とする第三者割当増資により、 合計約8,000万円の資金調達を実施したと発表しました。


同社は2020年7月にマンガの高速な翻訳サービス『Mantra Engine』を法人向けにリリースする予定です。

手で描かれた特殊なフォント、 独特な話し言葉、 ストーリーの背景にある複雑な文脈など、 マンガには翻訳を難しくする要素が多く含まれます。

左:元の日本語のマンガ 右:AIによって翻訳されたマンガ。かなりの精度だが、右下の吹き出し「海だ」の部分などの翻訳漏れも見られる ©︎Ken Akamatsu, Manga109のデータセットを利用(2019年12月の取材時にMantraより提供)

これらの問題を解決するため、 創業者らは東京大学FoundX・IPA未踏アドバンスト事業・東大IPC等の支援を受け、 マンガ機械翻訳技術を開発しました。

▼Mantraについて詳しくはこちら

『Mantra Engine』ではさらにマンガ専用の画像認識技術、 外国語組版の自動化技術を組み合わせ、 マンガ翻訳を大幅に省力化・高速化します。

多くのマンガの多言語同時連載を可能にすることで、 従来出版社がアクセスしにくかった海外市場への展開を支援します。

『Mantra Engine』による高速なマンガ翻訳 (C)︎朽鷹みつき

Mantra株式会社代表取締役 石渡 祥之佑

新型コロナウィルス感染症拡大を受け、 世界中で「巣ごもり消費」が注目されています。

 

中でも、 マンガは国内外で広く愛されるコンテンツです。 しかし、 海外において日本マンガは海賊版サイトで読まれることも多く、 制作者が適切な利益をマンガファンから得にくい状況にあります。

私たちは、 正規に翻訳されるマンガがごく少数の作品に限られること、 そして翻訳版が制作されるまでの時間が長いことがこの問題の主要因と考えています。 そこで、 出版社等と連携し、 海賊版よりも早く、 リーズナブルに翻訳版を提供することで、 海賊版ユーザを正規版に誘導することを目指しています。

私たちが大好きなマンガが世界で同時配信され、 世界中のマンガファンが毎週(あるいは毎日)、 リアルタイムに最新話を自分の母語で楽しむことができる。 世界中のファンからの声援はもちろん、 収益も制作者たちにしっかり届く。 そんな未来を実現するため、 私たちは今回の資金調達で、 AI特化型インキュベーター兼VCであるDEEPCORE、 エンタテイメント領域に強みをもつDMM、 そして、 元オプト代表でエンジェル投資家である海老根智仁が会長を務めるレジェンド・パートナーズの他、 多くの経営者・技術者・研究者の支援を得ました。

このたび調達した資金は、 『Mantra Engine』や基盤技術の研究開発および人材採用に充て、 多くのマンガが世界中のファンに早く、 正しく届けるお手伝いをしてまいります。

 

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