
東京、名古屋、福岡を中心に不動産業を展開する株式会社オープンハウスは、AI(人工知能)とPRAを掛け合わせた業界初となる物件チラシ全自動作成システムを開発し、2020年7月8日(水)より運用を開始します。
約3700時間/年の工数削減に
このシステムを活用することで、物件を探す人は不動産の人と接触することなく、物件探しを進めることができます。
また、従来では手作業で作成していたチラシを完全自動化することで、作成業務を年間約2880時間、広告審査時間を約900時間削減することができます。
さらに、このシステムにより、不動産業界の従業員はリモートワークが可能になるため、働き方改革にも寄与します。
オープンハウスでは、これまで、AI・RPAを活用した先進的なシステムを自社内で開発することで、業務改革を推し進めてきました。
今まで、不動産業界は紙の物件チラシを渡す接客が根強く残っていました。しかし、このシステムでは、タブレットデバイスなども活用したデジタルチラシによる非接触接客が可能になります。
オープンハウスは「withコロナ時代でも物件を探す人に安心して家探しをしてほしいという想いから、このシステムを開発した」と述べています。
物件チラシ全自動作成システムの仕組み
このシステムは、まず、音声やテキストチャットなどによりロボットに該当物件名を伝えます。その後、RPAでチラシ作成に必要な情報をロボットが自動でオープンハウスのシステムから収集します。
そして、AIが物件チラシを自動で作成し約2~3分でチャットやメールに返信されます。
承認されたチラシデータには自動でQRコードが発行され、QRコードを読み込むと、物件を探す人のスマートフォンからチラシの内容を確認することができます。

また、不動産のチラシは、景品表示法にてその内容などに制約があり、そのルールから逸脱しないために審査にも時間と労力をかけてきました。しかし、このシステムではAIがルールに則った上で正しい情報を自動で入力するため、審査自体のプロセスも大幅に短縮化・効率化できるのです。
このように、チラシの作成から審査までの過程において、従業員は出社せずに自宅等からのリモートワークでも対応可能となります。
ニーズに合った物件を効率よく提案可能
これまでは、営業が客のニーズに合わせて物件のアピールポイントを変えてチラシを作成していました。
しかし、このシステムでは「立地」「価格」「間取り」「学区」など、物件を探す人にマッチしたバリエーションを最大14パターン作成し、提案することができます。
これにより、物件を探す人のニーズに合わせてチラシを選んで使用することが可能になるため、その場で最適な提案をすることができるようになります。

今後は、オープンハウスは、AIが作成するチラシのバリエーションを更に増やしていく他、今回の技術を対面営業だけでなくメールやLINE等のSNSにも展開する予定です。
コロナ第二波に備えてお客さんの安全・安心を最優先に考えつつ、更なる業務効率化を実現し、それにより管理コストを抑え、よりお客さんのニーズにマッチした家を提供できるための仕組みづくりを進めていきます。
▼YouTubeでも解説!

駒澤大学仏教学部に所属。YouTubeとK-POPにハマっています。
AIがこれから宗教とどのように関わり、仏教徒の生活に影響するのかについて興味があります。