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2020.08.21

ディープラーニングの知識を問うG検定とは!?その他関連の検定まで徹底解説

最終更新日:

ディープラーニングをはじめとしたAI技術に注目が集まっています。

さまざまな課題解決の手段として、AI技術が期待される中、ディープラーニングの知識を持っている。あるいは、実装する能力がある人の需要が高まっています。

そんななか、注目されるのはディープラーニングに関わる検定です。検定は、学習範囲が網羅的に定められているので、より効率的に学習が可能です。

例えば、日本ディープラーニング協会の運営するG検定やE資格の受験者は、増え続けています。

この記事では、ディープラーニングに関する資格の紹介と、受ける理由について。そして、合格者の体験談や、オススメの書籍など、合格に必要なハウツーも紹介します。

ディープラーニングとは

ディープラーニングとは、AIの精度を比較的に向上させた技術です。機械学習の一部として、位置付けられ、今日のAIブームの火付け役とも言えます。

ディープラーニングによって精度をあげたAIは、業界を横断して活用されるようになりました。例えばAIの具体的な技術の一つである画像認識は、製造業での検品や、イベントでの人数の推定、医療でのガンの検出にも使われています。

誰もが無関係ではいられない、AIとそのムーブメントの火付け役となったディープラーニング。取り残されないためには、誰もが学ぶ必要があります。

下記の記事で詳しく解説しています。

ディープラーニングの知識を得る検定「G検定」とは?

ディープラーニングに関する検定で最もメジャーなものに日本ディープラーニング協会が主催する「G検定」があります。先述の通り受験者が増加していて、受験料が半額となった2020年7月に行われた試験の受験者は12,552名にも登りました。

▼2020年7月の実施状況についてはコチラ

そもそもG検定とは、どういう検定でしょうか。主催の(一社)日本ディープラーニング協会からは、下記のように説明がされています。

”ディープラーニングの基礎知識を有し、適切な活用方針を決定して、事業活用する能力や知識を有しているかを検定する。”

G検定のGの由来はジェネラリストからきており、ディープラーニングを現場に実装するエンジニアというよりも、その技術で何ができるかを理解したうえで、ビジネスと組み合わせて課題解決の提案ができる人材を生むための検定と言えます。

あらゆる業界のあらゆる人材に、開かれた検定で、ディープラーニングを導入する第一歩と言えます。

その他の関連する資格・検定

G検定のほかにも、関連する資格や試験があります。

E資格

E資格とは、日本ディープラーニング協会が運営する、エンジニア向けのです。ディープラーニングの理論を理解したうえで、適切に実装できる能力が試されます。G検定より抗難易度の資格試験と言えます。先述の通り、年々受験者が増加しており、注目されています。認定プログラムの修了が、受験資格となっている点に注意です。

検定名 E(エンジニア)資格
主催 一般社団法人日本ディープラーニング協会
開催頻度 年2回
公式サイト https://www.jdla.org/certificate/engineer/
受験料
  • 一般:33,000円(税込)
  • 学生:22,000円(税込)
  • 会員:27,500円(税込)

 

こんな人にオススメ
  • エンジニアとしてAIに挑戦したい
  • ディープラーニングの理論を、実装できるまでの人材になりたい

統計検定

統計検定は、一般財団法人 統計質保証推進協会が運営している検定試験です。後援に総務省や文部科学省などの省庁がついていることが特徴的です。

“統計的”機械学習とも言われるように、統計学はAIを実装するうえで不可欠な知識です。
一般的な知名度も高いため、就職や転職でもアピールしやすいと言えます。4級から1級まで準備されているので、段階的にスキルアップしていくのも可能です。

検定名 統計検定
主催 統計質保証推進協会
開催頻度 階級による
公式サイト http://www.toukei-kentei.jp/
受験料 階級による
こんな人にオススメ
  • みんなが知っている検定でアピールしたい
  • 段階的にスキルアップしたい

 

AI実装検定

AI実装検定は、「AIを100万人が学ぶこと。」を設立意義としてStudy-AIが開発している検定試験です。
AI、ディープラーニングに関する用語の理解度だけでなく、数学やプログラミングなどの実装に必要な能力が試されます。
日本ディープラーニング協会が運営する「E資格」に向けての、足がかりのような難易度です。

検定名 AI実装検定
主催 Study-AI株式会社
開催頻度 年2回程度
公式サイト http://kentei.ai/
受験料 3,500円
こんな人にオススメ
  • 未経験だが、AIの実装に関心がある
  • E資格に挑める能力があるか試したい

画像処理エンジニア検定

画像処理エンジニア検定は、公益社団法人画像情報教育振興会が運営する検定試験です。
画像処理を対象にする、エンジニアやプログラマー、研究者が対象に想定されている試験です。
ディープラーニングとの関連で言えば、画像認識は活用方法で典型的なものです。
検定は、難易度でベーシックとエキスパートの2つに分かれています。

検定名 画像処理エンジニア検定
主催 公益財団法人画像処理教育振興会
開催頻度 年2回程度
公式サイト https://www.cgarts.or.jp/kentei/about/img_engineer/index.html
受験料
  • ベーシック:5,600円
  • エキスパート:6,700円
こんな人にオススメ
  • 特に、画像処理に関する業務に関心がある、業務を行っている

 Python3エンジニア認定基礎試験/Python3エンジニア認定データ分析試験

Python3エンジニア認定基礎試験と、Python3エンジニア認定データ分析試験は、一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会が運営している検定試験です。

Pythonは、AIの開発にもっとも使われている言語で、その能力を試す検定です。
データ分析試験は、現在準備中となっています。

検定名 Python3エンジニア認定基礎試験
主催 一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会
開催頻度 通年
公式サイト https://www.pythonic-exam.com/
受験料
  • 一般:10,000円+税
  • 学生:5,000円+税
こんな人にオススメ
  • Pythonの基礎力を試したい
  • 時期を問わずに、今検定試験を受けたい

 

検定を受けるメリット

さて、ここまで具体的な検定試験を紹介してきました。それでは、ディープラーニングに関係する検定試験を取るメリットとは何でしょうか。

まずは、体系化された記事を学べる点にあります。例えば、G検定を取得した後にAI関連のニュースを見る時、体系化された知識の基盤があれば、「どういう技術なのか」「なぜ、注目されているのか」などより深く理解することができます。
また、能力を証明できるのもメリットです。特にAIという分野では、その言葉が大きすぎて、AIの実装ができると言っても具体的にどのようなスキルがあるのか伝わりにくい側面があります。

そこで、検定を持っているとすれば、その水準以上の能力が証明され、例えば就職や転職において有利に働きます。
また、検定を目指すことによるモチベーションの向上や、場合によっては検定を目指す過程での人脈構築もできるかもしれません。

検定試験におすすめの書籍とは

では検定試験の勉強を始める時に、何から取り掛かればいいでしょうか。
高校や大学に通っていない人、もしくはAIと関係が薄い専攻に人は、まず書籍を手がかりに勉強をすすめていくことが多いと考えます。

もちろん、検定によって特徴が違うので一概には言えませんが、オススメの書籍を紹介します。

人工知能は人間を超えるか(KADOKAWA/中経出版)

こちらは、人工知能の歴史やディープラーニングを仕組みまで幅広く解説されています。人工知能にまつわる、議論を大まかに理解できるので、オススメです。

文系の方でも読める、入門書的位置付けになります。

深層学習教科書 ディープラーニングG検定 公式テキスト(翔泳社)

G検定公式のテキストで、練習問題もついています。しかし、G検定を受けない人でもビジネスにおいて、機械学習を活用する最低限の知識を身に着けるのはもってこいです。

こちらも文系でも読める、入門書的位置付けです。

ゼロから作るDeep Learning(オライリージャパン)

ディープラーニングの本格的な入門書です。ディープラーニングには、効率化に開発ができるパッケージがさまざま公開されています。しかし、この本ではあえてパッケージを使わないことで、しっかりとディープラーニングの基本が学べるようになっています。

自動運転や強化学習などの応用例も紹介していて、重厚な一冊です。

深層学習(KADOKAWA)

AI研究の一分野で、革命的なブレイクスルーを起こした、深層学習(ディープラーニング)に関する入門書の和訳書。深層学習に必要な数学や、CNNなどの確率手法に関して解説されています。

もっと詳細に知りたい方はこちらの記事がオススメです。

ディープラーニング関連の検定に合格するには

ディープラーニングに関する検定に合格するには、当然ながら勉強が必要です。しかし、やり方はさまざまで、スクールに通うこともあれば、独学で行うこともあるでしょう。その際に参考になる情報をまとめてみました。

ディープラーニングについて学べる講座

書籍などを教材にした独学も、一つの学びの方法論ですが、体系だった講座を受けるのも、また選択肢です。
また、E資格については認定プログラムの修了が受験資格になっている点には注意です。

▼下記の記事で、AIに関係する講座を詳しく紹介しています。

検定合格者のブログ

検定や資格に合格した人によって、何を勉強すれば合格できたのか、ブログの形で残されているものがあります。
AINOWからも、非エンジニア大学院生が一か月でG検定に合格した記事を公開しています。

また、こちらのブログはE資格に挑戦するものです。勉強に挑む前のスキルと、教材の詳細、合格に向けた学びのスケジュールが記されていて、参考になります。

まとめ

ビッグデータが注目される今日、それを使えるデータサイエンティストの人材不足が嘆かれています。
データサイエンティストは、必ずしもAIに精通していない企業に対して、自分の価値を正しく見積もってもらうことが必要です。

そこで、説得力の材料になるのが、ディープラーニングの検定。難易度は、さまざまですが、いずれにせよ簡単ではないでしょう。

それでもキャリアを切り開く切り札になりうるのは事実。自分に投資してみることも考えてみてはいかがでしょうか。

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