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2020.11.27

RADIUS5が写真から動画を生成するAI「Moving Photo Maker」をリリース

最終更新日:

株式会社ラディウス・ファイブが、1枚の画像ファイルからズームやドリー、トラックなど、14種類のカメラワークの動画を生成するAI「Moving Photo Maker(ムービング フォト メーカー)」をAIプラットフォーム「cre8tiveAI(クリエイティブAI)」に公開しました。

Moving Photo Maker

開発の背景

RADIUS5 は、「人の創造性を最大化する」をビジョンに据えてクリエイティブに関連する様々なAIの研究・開発およびサービス化を行うスタートアップ企業です。

同社はこれまで写真やイラスト、動画の画質を上げるAIやイラストを生成するAI、有名画家風の絵画を生成するAIなどを開発して、自社プラットフォーム「cre8tiveAI(クリエイティブAI)」でサービス提供を行ってきました。

今回、リリースされた Moving Photo Maker は広告代理店の課題を元に研究・開発を行ったAIです。映像の制作現場では、欲しい動画素材がなかなか見つからなかったり、ビデオカンプ素材(クライアントに送るイメージやサンプル)の制作のために1枚の写真やイラストを人力で工数をかけて動画にするケースもあり、大きなコストがかかっていました。

Moving Photo Maker では、1枚の写真から3Dモデルを作り出して様々なカメラワークで撮影を行った映像14種類を生成することができます。 14種類の動画の生成が15分程度の時間で完了するため、動画素材を探したり、カンプ用動画を制作するコストを大幅に下げることが可能です。広告代理店をはじめ、動画素材を必要とする様々な場面での利用が期待できます。

Moving Photo Maker の3つの特徴

1度に14種類の動画を生成

Moving Photo Makerは、一度の処理実行で以下の14種類の動画を生成可能です。また、一般的なカメラワークだけではなく、Moving Photo Maker独自のカメラワークも提供しています。AIで動画を生成すると、精度にばらつきが発生する可能性があるため、多数の映像を一度に確認できる仕様も搭載されています。

  1. ZOOM IN(ズームイン)
  2. ZOOM OUT(ズームアウト)
  3. DOLLY ZOOM IN(ドリーズームイン)
  4. CIRCLE MOTION(サークルモーション)
  5. PEDESTAL UP(ペデスタルアップ)
  6. PEDESTAL DOWN(ペデスタルダウン)
  7. TRUCK RIGHT(トラックライト)
  8. TRUCK LEFT(トラックレフト)
  9. DYNAMIC ZOOM IN(ダイナミックズームイン)
  10. DYNAMIC ZOOM IN 2(ダイナミックズームイン2)
  11. DYNAMIC ZOOM RIGHT(ダイナミックズームライト1)
  12. DYNAMIC ZOOM LEFT(ダイナミックズームレフト1)
  13. DYNAMIC ZOOM RIGHT 2(ダイナミックズームライト2)
  14. DYNAMIC ZOOM LEFT 2(ダイナミックズームレフト)
1枚の写真から14種類の動画を生成

誰でも簡単に15分で動画を生成

一般的に、Moving Photo Maker で生成するような動画をデザイナーが制作する場合、1種類の動画を制作するだけでも3時間以上の時間がかかることが想定されます。具体的には、以下のような作業が発生します

  1. 画像に写っている物体を背景から切り抜く
  2. 物体の裏側を動きが発生する分だけ手作業で補完
  3. カメラワークをつける

また、Photoshop などの画像編集ソフトを使えるスキルに加えて、After Effects などの動画編集ソフトのスキルも必要な作業です。

Moving Photo Maker を活用した場合、ドラッグアンドドロップして15分程度待つだけで写真やイラストが映像に変換されます。PCやスマホを利用するスキルがある方であれば誰でも1枚の写真から14種類の動画を作ることが可能です。

アウトソースと比較すると圧倒的にコストパフォーマンスが高い利用料金

動画の編集をアウトソースすると一般的には数万円の予算が必要です。また、動画素材を購入するにしても数千円〜3万円程度が相場となっています。

Moving Photo Maker では、月額費用が発生しないエントリープランの場合、単発の利用は2,400円で画像から動画を生成することができます。サブスクリプションに加入している場合は、50クレジットで利用することができ、ライトプランで実質1,200円、プロプランで実質495円、メガプランで実質400円で利用することができるため、アウトソースと比較すると圧倒的にコストパフォーマンスが高くなります。

Moving Photo Maker の概要

技術について

Moving Photo Maker は独自のディープラーニング技術を用いて開発したサービスです。画像から奥行きを推定しつつ、物体の背景にあるであろう情報を推定して補完することで3D空間を生成します。3D空間にカメラワークをつけることで動画を作り出すことが可能となります。ディープラーニングの技術と映像制作の知見や技術があってはじめて実現できるサービスです。

動画の仕様について

動画の種類 : 14種類(選択不要で、すべてダウンロードできます。)
再生時間 : 8秒
フレームレート : 29.97fps
解像度 : 長辺1280pxの動画
アスペクト比 : 入力画像と同じアスペクト比
出力ファイル形式 : mp4
入力ファイル形式 : JPG、PNG、HEIC
画像の種類 : 写真、イラスト

Moving Photo Maker で生成した動画例

Dolly zoom in https://youtu.be/wMJ1_2nZEyk
Pedestal down https://youtu.be/xvlBoO-39w0
Circle motion https://youtu.be/nQiopSoepnA
Dynamic zoom in https://youtu.be/hV_pGzizFNA
Zoom out https://youtu.be/3rOWi1zoK7I

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