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近年、働き方改革による雇用形態の多様化やリモートワークの普及により、労働者を取り巻く環境が日々変化しています。そのため、企業にはより一層の人材の定着や育成、離職防止のための環境作りが求められるようになりました。そこで、注目されているのがピアボーナスです。
ピアボーナスと聞いてもわからない人が多いのではないでしょうか。アメリカを中心に今までにはなかった給与制度として、多くの企業で採用されています。
この記事では、ピアボーナスの概要、注目されている理由、メリットデメリット、代表的なピアボナースサービス5選を紹介します。
目次
ピアボーナスとは
ピアボーナスとは、従業員同士が仕事の成果や貢献に対して、お互いに報酬を送り合う仕組みのことです。
評価を同僚同士で行うため、業績や数値には反映されない業務にも適用でき、人事や上司では認識しにくい現場の細かい業務を評価できるのが特徴です。
報酬の種類はさまざまで、金銭・ポイント・社内通貨などがあります。
Google社が従業員の評価指標として導入していることから話題を集め、国内でも導入する企業が増加しています。
ピアボーナスが注目されている理由
人材の定着
近年、少子高齢化により年々労働人口が減少しており、企業の人材不足が深刻化しています。そのため、企業には人材の定着や離職の防止、人材の育成がより一層求められるようになりました。
厚生労働省によると2019年の間に離職した人数は、約785万人もいると公表しています。
このような状況を受けて、従業員の働きがいをさらに見出し、モチベーションアップを計画し、人材の定着を目指そうとする企業が増加しています。そのような施策の一つとしてピアボーナスが注目されています。
ピアボーナスのメリット
コミュニケーションの活性化
ピアボーナスのメリットとして、コミュニケーションの活性化が挙げられます。
今まで見逃されていた小さな貢献や協力に気づき、気軽に感謝や賞賛をピアボーナスとして相手に送ることで、今まで交流がなかった同僚や他部署の社員とコミュニケーションを図りやすくなります。
社員の小さな貢献や協力がピアボーナスとして可視化されることで、お互いなポジティブな一面に気付けるようになります。
従業員同士がお互いのポジティブな行動を褒め合うことで、お互いの信頼感気が強まり、仕事でのコミュニケーションが活性化し、良好になります。
従業員のモチベーション向上
従業員のモチベーションが向上することもピアボーナスのメリットとして挙げられます。
職場の仲間や同僚から自分の仕事ぶりを評価され、可視化されることで仕事へのやりがいや自信が高まり、従業員のモチベーションの向上を期待できます。
ピアボーナスは、従業員のモチベーションを向上させたいときにおすすめのツールです。
優秀な人材の定着
ピアボーナスの導入には、優秀な人材を定着させられるというメリットもあります。
ピアボーナスを導入することで、今まで評価されていなかった現場の細かい業務が評価され、仕事によるさまざまな成果をもれなく評価されます。そのため、従業員の満足度が高まり、結果、優秀な人材の定着を図れます。
ピアボーナスのデメリット
コストがかかる
ピアボーナスのデメリットとして、コストがかかることが挙げられます。
ピアボーナスのツールを導入する際、初期費用と利用料などコストが発生します。また、ピアボーナスの報酬を用意するための原資が必要です。
あらかじめ、ピアボーナスを導入・維持するためのランニングコストを決めておくことが重要です。
運用がむずかしい
運用がむずかしいことも、ピアボーナスのデメリットとして挙げられます。
ピアボーナスは、まず文化として浸透させ、継続的に使い続けてもらうことが必要です。
導入初期は、社内全体に利用されますが、時間が経つにつれ一部の人やチームでしか使われなくなってしまう可能性があります。
全社の集会で、ピアボーナスの投稿について触れることやランキング形式で社内に共有するなど、継続的に運用を続けていくことが重要です。
代表的なピアボーナスツール5選
Unipos
Uniposは、従業員同士が日常業務のいい行動に対して、感謝のメッセージと少額のピアボーナスを送り合えるサービスです。メルカリやDeNA、トヨタ自動車など中小企業やベンチャー企業に加えて、大企業にも導入されているピアボーナスの代表格のサービスです。
特徴
- ピアボーナスに加えて感謝のメッセージを添付できる
- 仲間の貢献を見える「タイムライン機能」
- SlackやMicrosoft Teams等のサービスと連携可能
料金
資料のダウンロードが必要です。
導入事例
- 株式会社メルカリ
- トヨタ自動車株式会社
- GMOメディア株式会社
THANKS GIFT
THANKS GIFTは、仕事を通じて抱いた感謝をきっかけに役職や部署の垣根を超えたコミュニケーション促進し、日々貢献を賞賛し合うサービスです。THANKS GIFTを通してもらったポイントを、独自の景品交換や「インセンティブポイント」と連携させ福利厚生として利用が可能です。
特徴
- スポットライトやランキングなど機能が充実している
- シンプルで使いやすいユーザーインターフェース
- 従業員エンゲージメントが高まるコミュニケーションツールNo.1(2019年)
料金
問い合わせが必要です
導入事例
- 株式会社コプロ・エンジニアード
- 株式会社フレスカ
- 共和メディカル株式会社
HeyTaco!
HeyTaco!は、従業員同士で感謝を表す「タコス」を感謝のメッセージとタコスの絵文字をSlack上で送り合うサービスです。ピアボーナスは、現金ではなくもらった「タコスの絵文字」の個数に応じて交換できるご褒美になっています。60日間の無料トライアルがあります。
特徴
- ピアボーナスが現金ではなくポイントに応じたご褒美
- 月額3ドル〜の低価格
- Slack上で機能するシステム
料金
1人 3ドル ~/月
導入事例
不明
RECOG
RECOGは、メンバー同士で褒めあう「レター」機能で、面と向かって伝えにくい感謝や称賛をいつでも気軽に伝えられるサービスです。「レター」をひとり月10通以上贈ると、発展途上国の子供に給食が1食届くため、使うほど社会貢献ができるのが大きな特徴です。
特徴
- 使えば使うほど社会貢献ができる
- 万全なセキュリティーとサポート体制
- 豊富なサービス連携
料金
50名様まで 30,000円 / 月
100名様まで 50,000円 / 月
200名様まで 90,000円 / 月
導入事例
- マテックス株式会社
- インパクトジャパン株式会社
- 大東化学株式会社
incentive point
incentive pointは、同僚や企画などでお世話になった社員に感謝のメッセージとともにポイントをプレゼントできるサービスです。貯めたポイントは、高級食材や家電製品、旅行券などさまざまな商品と交換できます。
特徴
・交換できるアイテムが豊富
・オリジナルのポイント制度が構築できる
・シンプルで高い操作性
料金
設定費用 300,000円
スタンダードコース 1~100ID 月額60,000円~
導入事例
- PwCあらた有限責任監査法人
- サントリーホールディングス株式会社
- 株式会社SBI証券
まとめ
今回は、ピアボーナスの概要・注目されている理由・メリットデメリット・代表的なピアボーナスツールを紹介しました。
コミュニケーションの活性化や従業員のモチベーションの向上が期待できるピアボーナスですが、ただ闇雲に導入するだけでは、その効果は得にくいです。
そこで、自社の課題を明確にしてピアボーナスに何を求めるのかを検討するのがおすすめです。
ピアボーナスに興味がある方は以下のボタンをクリックして見てください。