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2022.07.22

ニューラルポケットが誇る唯一無二のAI技術とサービス展開に迫る

「ニューラルポケット」は、独自に開発したAIによる画像・動画解析や端末処理を行う日本のAIベンチャー企業です。

同社は、AIメディアサービス・デジタルソリューションサービス・ライフスタイルサービスの3つの事業領域に重点を置いて、サービスを展開しています。

また、2020年8月20日に東京証券取引所マザーズ市場へ上場したことで、さらに世間からの注目度が増しました。

今回はそんなニューラルポケットの年々拡大する事業領域やサービスを紹介するとともに、同社の最近の動向や今後の将来性についても解説していきます。

 ニューラルポケットとは

ニューラルポケットは、AI化やスマートシティ化が進む社会において、それに必要な独自のAIライブラリや社会実装技術を開発している企業です。

同社は、独自開発のAIアルゴリズムによる画像・動画解析と端末処理技術を軸に、事業を展開しています。

具体的には、人流解析やAIサイネージ広告など5つの代表的なサービスを展開しており、年々サービスの幅を拡大しています。

後ほど、その5つの重点サービス領域をそれぞれ詳しくご紹介していきます。

 企業概要

社名 ニューラルポケット株式会社
設立 2018年1月22日
所在地 東京都千代田区有楽町一丁目1番2号 東京ミッドタウン日比谷 日比谷三井タワー32階
代表 代表取締役社長 重松 路威
社員数 45名(2021年12月31日)
売上高 1,010百万円(2021年12月期)
資本金 64百万円(2021年12月期)

 ミッション(バリュー)

“「世界を便利に、人々を幸せに」”

ニューラルポケットは、主に独自のAI開発・社会実装を行い、より便利で幸福な世の中を目指しています。

例えば、動作解析の技術を活かした「混雑度解析」は、コロナ禍の世における「密」の解消に繋がる技術として活用されています。

他にも、お年寄りの見守りや交通解析など幅広いサービスで人々の暮らしを支え、世の中の幸福のために事業を展開する企業です。

 沿革

2018年1月22日 東京都千代田区麹町にファッションポケット株式会社を設立。マッキンゼー・アンド・カンパニー出身の重松路威が創業し、代表取締役就任。
2018年3月 東京都千代田区霞が関に本社移転。
2018年6月 一般社団法人日本ディープラーニング協会 正会員 入会。
2018年8月 アパレル企業向けファッショントレンド解析関連サービス/AI MD®(エーアイ エムディー)の提供開始。
2018年11月 東京都千代田区有楽町に本社移転。
2019年3月 ニューラルポケット株式会社に社名変更。
2019年5月 広告を搭載する「AIサイネージ」の開発開始。
2019年11月 物流施設内での業務効率・動線可視化ソリューションの提供を開始。
2019年12月 AI搭載スマートフォン・ドライブレコーダー「スマートくん」リリース。
2020年4月 初の海外支店としてシンガポール支店設立。
2020年8月 人流・防犯ソリューション「デジフロー」、駐車場満空把握サービス「デジパーク」の開発開始。
東京証券取引所マザーズ市場へ上場。
2020年10月 在宅勤務支援ソリューション「リモデスク」の提供を開始。
2021年10月 ニューラルネットワーク初の子会社である「ニューラルエンジニアリング社」の設立。
2021年11月 ニューラルネットワーク初のM&Aを行い、マンションサイネージ首位の「フォーカスチャネル社」を完全子会社化。
2022年2月 2社目のM&Aを行い、LEDサイネージ販売の「NETTEN」を完全子会社化。

 業績推移

  • 業績推移の画像

ニューラルポケットは、2021年12月期の売上高が前年同期比32%増の1010百万円となりました。

全体としては増収減益となりましたが、今後の中期的飛躍に向けた人的投資やスマートシティ関連の開発費といった成長に向けた投資がその要因であるため、決して悲観的な結果ではないでしょう。

 株価 

  • ここ半年の株価の画像

ニューラルポケットのここ半年の株価は、1月頃から落ち込み2月頃には1000円を割ることもありました。

しかし、2022年2月末にNETTEN社をM&Aで、完全子会社化したことによって、株価は一時1700円ほどまで急上昇しました。

現在は、1100円から1400円あたりを推移しています。

ニューラルポケットの5つの代表的サービス

ニューラルポケットの代表的なサービスは次の5つです。

  1. デジフロー
  2. デジパーク
  3. SIGN DIGI
  4. リモデスク
  5. AI MD

それぞれ解説していきます。

 ①デジフロー

「デジフロー」とは、エッジAIを搭載したカメラが動作解析を行うことによって、街中の人流把握や建物への侵入検地を行うサービスです。

さらに、このサービスはスマートシティの取り組みにも導入されており、立ち入り禁止区域の侵入検地や凶器所持検知、うずくまりや卒倒などの体調不良も検知することが可能です。

2021年9月には三井不動産と連携して、「柏の葉スマートシティ」にこのデジフローが導入され、2022年6月現在も運用されています。

 ②デジパーク

「デジパーク」は、画像・動体識別技術を活用した駐車場の満空把握、走行車両のナンバープレート解析、サイネージを活用した安全監視誘導サービスです。

リアルタイムでの満空情報表示により、空車エリアへの誘導最適化・業務効率化、渋滞・待機車列抑制、駐車場利用者満足度向上を実現します。

また、駐車場の利用実態・車両情報をデータ化・分析することで、駐車場設計・運営や店舗・施設等のマーケティングへの活用も可能です。

 ③SIGN DIGI

「SIGN DIGI」とは、商業施設やオフィスビル、スマートシティにAIサイネージ広告を提供するサービスです。

AI解析とサイネージ広告を融合することで、リアル空間の人流・視聴情報と広告効果を可視化しています。

具体的には、サイネージ広告に搭載した独自のエッジAIが、視聴した人の性別や年代、視聴時間などを識別し、より効果的な広告を提案する仕組みです。

 ➃リモデスク

「リモデスク」はリモートワークセキュリティソリューションとして、リモート環境下での業務セキュリティを担保しつつ、従業員のプライバシー保護も実現したサービスです。

コロナ禍によって在宅勤務などの働き方が定着する中で、リモートワークにおける情報セキュリティのリスクが高まりつつあります。

そこで、この「リモデスク」というサービスが個人情報や社内情報などの盗撮や、アクセス権限が無い者のなりすましといったカメラの映像をAIの動作解析によって検知し、ガバナンスを担保するという仕組みになっています。

 ➄AI MD

「AI MD」は、SNSやショッピングサイトなどの膨大なデータをAIで解析し、ファッショントレンド予測を提供するサービスです。

そして、このサービスはこれまで人の感性に依存してきた商品企画にAIの解析技術を加えた新しい商品企画に活用されているほか、豊富なファッションコーデの提示を行ってくれます。

2022年6月時点で、このサービスを利用して企画した商品は、全国3000店舗以上で販売されており、多くの企業で定価での販売率が10%以上改善するという成果を挙げています。

 ニューラルポケットが注力する「エッジAI」

エッジAIとは、エッジ(端)に搭載されているAIを意味します。ちなみに、エッジは車やIoTデバイスなどに代表される端末(エッジデバイス)のことです。

このエッジAIは、従来のクラウドAIがサーバに情報を送受信し、サーバ側に深層学習の処理を行わせるものであったのに対し、エッジ(端末)側で深層学習等を使った処理を行えるようになった点で画期的でした。

つまり、従来の大規模サーバの構築にかかっていた高いコストや、大量のデータ送受信による通信ネットワーク上の遅延といった問題を解決できる手段として注目を集めています。

2018年の時点では、エッジAIではなく、GAFAなどが展開するAIプラットフォームにも利用されていたクラウドAIがシェアの90%を占めており、エッジAIはわずか10%を占めるという状況でした。

しかし、2025年にはその形勢が逆転すると予測されており、エッジAIがシェアの75%を占めると予測されています。

そんな拡大市場であるエッジAIの開発をニューラルポケットは、国内においてリードしています。

特に、同社はエッジAIの小型軽量化に成功しており、クラウドAIと同等か、それ以上の性能でありながら、一般的なエッジAIの1/10水準の超軽量AIを保有しています。

そのため、カメラであれば、一般的なエッジAIよりも10倍のAIを搭載できるため、より多くの項目を検知できるという点で、圧倒的な支持を受けています。

 ニューラルポケットの最新の動向

2022年2月、ニューラルポケットはLEDサイネージのファブレス企業である「NETTEN社」を2社目となるM&Aで買収しました。

したがって、これまでサービスを展開していたAIサイネージサービスの技術に、NETTEN社の持つLEDサイネージの技術を掛け合わせ、屋外のサイネージ広告設置拡大が見込まれます。

さらに、ニューラルポケットが従来から持っていた大企業・官公庁の顧客網に加え、NETTEN社の持つ中小企業層の顧客を網羅することによって、より広い顧客層に対して、事業を展開できるでしょう。

 ニューラルポケットの成長可能性(将来性)

結論から申し上げますと、ニューラルポケットの将来性は、十分あるといって良いでしょう。

なかでも現在、スマートシティの取り組みが進む日本社会において、ニューラルポケットは自社の持つAI技術を活用した「AIスマートシティ革命」を目指しています。

これは、同社のエッジAIを搭載したカメラを街の中にもたらすことで、現実空間のデジタル化と社会課題の解決を目指すために掲げられたビジョンです。

例えば過疎化した市町村において、ニューラルポケットの人流解析技術を活用することで地域活性化を推進したり、高齢化が進む社会において、動体解析を活用することで体調不良者を検知したりするなど、より暮らしやすい街を創るサービスを提供します。

さらに、スマートシティ以外にも先ほど紹介した5つの重点サービスや独自のエッジAIを用いたプロダクトも、その独自性ゆえに成長し続けると見込まれています。

 ニューラルポケットの採用情報

ニューラルポケットは、技術系人材の採用を行っています。

 募集職種

ニューラルポケットの募集職種は以下の5つです。

  1. フルスタックエンジニア(マネージャーポジション)
  2. フロントエンドエンジニア
  3. バックエンドエンジニア
  4. モバイルアプリエンジニア
  5. 組み込みエンジニア

まとめ

今回は、日本のAIベンチャー企業である「ニューラルポケット」について紹介しました。

同社は、解説した通り独自のAI技術を保持することや、社会のニーズに対応したサービスを展開することによって、設立から短期間で急成長を遂げています。

さらに、積極的にM&Aを行って事業の拡大に努めたり、シンガポール支店を起点とした海外展開の拡大を進める方針を決めるなど、今後の動向にも目が離せません。

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