最終更新日:
自動車、家電、メディア、ITをはじめ、あらゆる産業がネット化、データ活用による変革期を迎えています。競争に勝つためには、デジタルデータを活用したビジネスの設計が必要不可欠です。今回は、国内大手企業を中心とした1000社以上に、ビッグデータ・AIなどのテクノロジーを駆使したツールでビジネスをサポートする、株式会社ユーザーローカルをご紹介します。
目次
株式会社ユーザーローカルとは
株式会社ユーザーローカルについて、
- 企業概要
- バリュー
- 沿革
上記3つを紹介します。
企業概要
社名 | 株式会社ユーザーローカル |
設立 | 2007年08月 |
所在地 | 東京都品川区大崎2丁目11番1号 4階 |
代表 | 代表取締役 伊藤将雄
取締役 渡邊和行 取締役 岩本大輔 |
社員数 | 85人(2022年6月末時点) |
売上高 | 2,683百万円(2022年6月末時点) |
資本金 | 11億8,500万円(2022年6月末時点) |
バリュー
‟「ビッグデータ・人口知能で世界を進化させる」”
株式会社ユーザーローカルでは「ビッグデータ・人工知能で世界を進化させる 」を実現するために5つのバリューを設定しています。
- ユーザーはつねに正しい
インターネットのような変化が早い環境では、ユーザーに近い視点での正しい意思決定が重要。先入観を捨てて、ユーザーの行動を観察し、今の世の中にあったサービスを出していく。
- 長期的発展
持続的な発展にむけて、短期的な利益を追わず、長期的に多くの顧客に届けるローコストオペレーションと仕組み化を徹底。
- 規律と遊び
好きなことを楽しむ遊びゴコロを大切にし、個々人の可能性を超えて成長する。
- One for all
個々人が高い能力をもつプロフェッショナルであることはもちろんだが、その力を部署の垣根を超え、1つのチームとして集結させることで、より高い価値を提供する。
- ポジティブドリブン
当社の主要業務であるデータ分析をしていると批判しがちになるが、インプットもアウトプットもポジティブに取り組む。環境変化などをポジティブに捉え、常に変化していくことを止めない。
引用:https://www.userlocal.jp/company/value/
沿革
2007年8月 | 個人向け解析ツール「なかのひと」リリース |
2008年12月 | 法人向け解析ツール「User Insight」リリース |
2010年5月 | Twitter分析ツール「Twitraq」リリース |
2011年5月 | 業容拡大のため、本社を渋谷区に移転 |
2012年1月 | 法人向けソーシャルメディア分析ツール「Social Insight」リリース |
2012年9月 | スマートフォン解析ツールをリリース |
2013年5月 | 業容拡大のため、本社を目黒区に移転 |
2013年10月 | ヤフー株式会社と提携し、「Yahoo!アクセス解析」リリース |
2014年11月 | EC向け解析サービス「ユーザーローカル価格調査ツール」リリース |
2015年5月 | メディア向け解析サービス「Media Insight」リリース |
2015年10月 | スマートフォンネイティブアプリ解析サービス「User Local アプリ解析」リリース |
2016年5月 | チャットボット開発のための人工知能プラットフォーム「人工知能API」リリース |
2016年11月 | 業容拡大のため、本社を港区に移転 |
2017年3月 | 東京証券取引所マザーズに株式上場 |
2019年11月 | 東京証券取引所市場第一部に株式上場 |
2021年9月 | 東京都品川区に本社移転 |
業績推移
2018年から毎年株式会社ユーザーローカルの事業は順調に成長していると推察できます。
株価
ユーザーローカル株式会社の株価は9月に上がり下がりもありましたが、
2022年10月11日現在は、株価1618円ほどで推移しています。
株式会社 ユーザーローカルのサービス
株式会社ユーザーローカルのサービスは以下の4つです。
- User Insight
- Social Insight
- Media Insight
- Support Chatbot
それぞれ紹介していきます。
User Insight
User Insightはユーザーの行動を可視化することでサイトへの流入数とCVRを改善し、サイトの価値を最大化させるアクセス解析ツールです。
User Insightの主な機能は以下の表の通りです。
ヒートマップ解析 | Webサイト訪問者の閲覧頻度が高い「熟読エリア」、どのリンクが実際に注意
を引きクリックされているのかを表す「クリックエリア」、ページのどこまで を表示しているのか示す「終了エリア」等をヒートマップにより可視化しま す。 |
ユーザー属性分析 | Webサイト訪問者の年齢、性別、接続元地域、訪問頻度、インターネットの利
用頻度等を推測し、大まかな比率を明らかにすることにより、どのコンテンツ がどのユーザー層に訴求しているかを分析します。 |
組織分析 | Webサイトがどのような組織から閲覧されているのか、どのような業界からの
アクセスが多いのか、組織別・業種別にアクセスを解析します。 |
広告効果測定 | 広告経由のクリック数や、広告経由での会員登録、商品購入といったコンバー
ジョン及びCVR(注7)を分析します。 直接のコンバージョンだけでなく、間接効果のあった広告の履歴を全件確認す ることも可能です。 |
スマートフォン解析/携帯解析 | PCユーザーだけでなく、スマートフォンやタブレット等からのアクセスを解析
します。 |
検索キーワード分析 | 検索キーワードを1語又は複合語(検索フレーズ)で解析します。
どのキーワードがどのようなユーザーに訴求しているのか、というユーザー属 性分析にも対応しております。 |
引用:2022年6月期 有価証券報告書(p.6)|ユーザーローカル株式会社
以上の6つの機能をもつUser Insightには3つのポイントがあります。
- 検索流入でアクセス数を増やす
- CVRを上げるヒートマップ
- AIで劇的な生産性向上
1つ目のポイントは、Google Search Consoleと連携し、現在どのようなキーワードで自社Webサイトに訪れているのか、前期間と比較し見るべきデータを整理して現状を把握できるということです。
2つ目のポイントは、ヒートマップを用いることで、ユーザーの動きを比較し違いを把握することで精度の高い改善ができることです。また、ページの課題や目的にあわせて20種類以上の項目から、4つのデータを一括比較することができます。
3つ目のポイントは、数時間かかっていた分析レポート作成の時間を1分に短縮し、自動的にPowerPoint形式で作成可能な点です。
導入した企業の事例としてリノベーション物件仲介を行う株式会社IーHouseの導入事例が挙げられます。当企業が運営するメディア「mitaina」では、リノベーション物件の紹介記事を掲載しており、以前は主に広告で集客していました。しかし、User Insight導入後は、流入キーワード分析やヒートマップなどを用いてユーザーのニーズをより的確に捉えることで、広告流入を除くオーガニックでの流入は1年弱で7倍になり多くなり、広告費も半分削減することができたようです。
この事例からも分かるように、User Insightはその名の通りユーザーが真に求めるものを見つけ出し、メディアの価値を向上させるのに非常に役立つサービスです。
User Insightの活用で広告費を半減、オーガニックへの流入は7倍に(https://ui.userlocal.jp/document/casestudy/i-house/)
Social Insight
Social Insightは、SNS業務を効率化する分析・運用ツールです。
搭載されている機能には、口コミ分析、SNSアカウント分析、投稿予約・管理、SNSキャンペーンなどがあります。そのため、SNS運用の労力と時間を削減し、より効果的なキャンペーン施策、SNS戦略を実現することが可能です。
Social Insightの主な機能は以下の表の通りです。
クチコミ傾聴分析 | 特定のキーワードや記事URL、ドメイン等を指定することで、そのキーワードを含む投稿を大量のクチコミデータから取得し、テキストマイニング・視覚化します。社名やブランド名といった特定キーワードの評判等を測定することで、炎上対策が可能です。 |
SNSアカウント分析 | SNS内の自社アカウントや競合アカウントのファンの増減、推移、属性等を分析することが可能です。SNS上での発言内容や発言したユーザーの推測属性や地域分布を集計するとともに、いつ投稿すると多くの反応を得ることができるかといった時間帯分析にも対応しています。 |
投稿管理機能 | 複数SNSの自社アカウントへの投稿予約、リプライ、上長による承認が可能です。また特定キーワードについて発言したユーザーへのアクティブサポートやCRMの強化を実現しております。 |
引用:2022年6月期 有価証券報告書(p.6)|ユーザーローカル株式会社
以上の3つの機能をもつUser Insightには4つのポイントがあります。
- RTキャンペーン、ハッシュタグキャンペーンなどの自動化
- 複数のSNSアカウントへの予約投稿や、投稿までの承認フローを管理できます。
- 自社や競合のSNSアカウントを一括比較。日本最大規模、2600万以上のアカウント蓄積数。キャンペーンの反響調査も。
- 調査キーワードがいつ、誰に、どんな内容で話題になっているのかを可視化。
1つ目のポイントは、Twitter、Instagramで行うキャンペーンの応募者データの収集・抽出、当選者への連絡、参加者レポート作成を行える点です。また、RTキャンペーン、インスタントウィンなどさまざまな種類のキャンペーンの実施をサポートしてくれます。
2つ目のポイントは、運営している複数のSNSに対するコメントを一元管理し、ソーシャルCRMを簡単に構築できることです。予約配信によって投稿を自動化したり、複数の担当者によるSNS運営のサポート体制が整っています。また、ファンとのソーシャルメディア上でのコミュニケーションの履歴、お礼やクレームなど自社アカウントに寄せられた声を管理することができます。
3つ目のポイントは、日本最大のソーシャルメディアデータを活用して、アカウント&ユーザーの属性・エンゲージメントの高い時間帯・競合が分析できる点です。膨大なデータを用いた精緻な分析を行うことで、ユーザーに刺さる内容を最適な時間に発信し競合と差別化できます。
4つ目のポイントは、ソーシャルメディア上の膨大なクチコミデータを集計しテキストマイニング・視覚化してくれる点です。これによって、自社の評判や話題性を計測でき、場合によっては炎上リスクなどを早期発見し回避することが可能です。
ソフトバンクグループのシナジーを活かしたサービスを幅広く提供する『SB C&S株式会社』では、投稿管理やレポート作成、Twitterのキャンペーン企画などでSocial Insightの活用による業務効率化を実感しており、SNS運営の工数は40%削減できています。
Social Insightの活用でSNS運用に関わる工数を40%も削減。
(https://sns.userlocal.jp/document/casestudy/sbcas/)
Media Insight
引用:https://media.userlocal.jp/
Media Insightは、ニュースサイトなどメディア運営に特化した記事コンテンツ分析ツールです。
Media Insightには、大きく分けて以下の3つの機能が備わっています。
- 競合媒体モニタリング
- チャンネル別効果測定
- 記事コンテンツ分析
Media Insightには競合媒体の記事へのTwitterやFacebookでの反響数を自動集計する機能が備わっており、他社の成功事例を自社のメディア運営に活かすことができます。
また、自社記事への流入経路やSNS上での反響を分析したり、マウスカーソルやホイール、スマホのタッチ操作を元にしたヒートマップで可視化されているため、自社サイトの分析・改善が可能です。
Support Chatbot
引用:https://chatbot.userlocal.jp/
Support Chatbotは、様々な問い合わせ業務を削減することが出来るサービスです。
自然言語AIにより、非常に高い応答率を実現しています。あらゆる業種・業態の成功事例から最適な運用・改善方法の提案を行い、問い合わせ数が50%以上削減された事例もあるようです。
Support Chatbotの主な機能は以下の表の通りです。
チャットボット | Webサイトやメッセージアプリ、SNSアプリ等のユーザーからの問い合わせに対
し、独自開発したAIによる高精度の自動回答を行います。外部システムとAPI で連携し、商品情報やステータス等をチャットボットを通して回答することも 可能です。 |
引用:2022年6月期 有価証券報告書(p.6)|ユーザーローカル株式会社
以上の機能をもつSupport Chatbotには3つのポイントがあります。
- 圧倒的な低価格
- 高性能な会話エンジン
- 専任チームが”成功”をサポート
1つ目のポイントは、クラウドだからこその圧倒的な低価格、さらにサポートやカスタマイズも無料で利用でき、有人チャットやAPI連携も従量課金なしという点です。
2つ目のポイントは、自然言語に特化したAIで非常に高い回答率を実現し、自己解決を促す聞き返し機能を実装、さらにはプログラミング不要で簡単に改善ができる点です。
3つ目のポイントは、チャットボットの構築を専任担当が代行し、業界・利用シーン毎の成功事例をもとに最適な運用方法や改善点を提案してくれる点です。
また導入した企業の事例として、ヤマハ発動機株式会社の事例が挙げられます。当企業は、殺到する電話対応に追われ、問い合わせの一次受付と担当部門への振り分けという業務が多いという課題を抱えていました。そこでSupport Chatbotを導入後、よくある質問を随時チャットボットに追加することで、電話だけでなくメールでの問い合わせも激減しました。
取引先からの膨大な問い合わせをサポートチャットボットで対応
(https://chatbot.userlocal.jp/document/casestudy/yamaha-motor/)
株式会社 ユーザーローカルの特徴
株式会社ユーザーローカルの特徴の中でも特筆すべき以下の3点
- 幅広い業種のマーケティングを支援
- 圧倒的な技術力
- 安定的な増収増益
それぞれ解説していきます。
幅広い業種のマーケティングを支援
株式会社ユーザーローカルは、その高い技術力と実績を活かして幅広い業種でのマーケティング活動を支援しています。
具体的には以下の通り、首相官邸、日産、Panasonicといった1000社を超える企業をクライアントとして抱えており、日本・世界を代表する大企業が名を連ねています。
幅広い業種から支持される製品・サービスのクオリティが株式会社ユーザーローカルの強みのひとつです。
圧倒的な技術力
ビッグデータ・AI分野の研究開発型ベンチャー企業であるユーザーローカルは、高度なビッグデータ解析技術に強みを持っています。
さらに、データをただ分析するだけでなく、ヒートマップのように視覚的に分かりやすく、活用しやすい形に分析データを整形することに力を入れている点が特徴的です。
「データ分析が企業間の優劣を分ける」と言われる中、国内随一のトラフィックを誇る大手ポータルサイトが必要としたデータ分析技術の開発・技術提供を行うほどの実力を備えているのです。
安定的な増収増益
安定した増収増益もユーザーローカルの特徴と言えます。
決算説明資料のグラフを見ると2018年からの5年間で売上高は約2.5倍に、当期純利益も2.4倍になっており堅実な成長を見せています。
この5年間で、売上高・経常利益・当期純利益が一度も下がっていないことからも、経営の安定性が伺えます。
引用:https://ssl4.eir-parts.net/doc/3984/yuho_pdf/S100P86Q/00.pdf
株式会社 ユーザーローカルの最新の動向
上記のように、さまざまな分野において新サービス提供開始や、既存サービスの機能充実化を図っています。
AI製品では、電話での問い合わせに対して24時間365日、自動音声で対応できるシステムで企業の電話応対業務を自動化することが可能になり、企業にかかる負担をさらに軽減します。
先述したSocial Insightでも、新バージョンがリリースされ、InstagramやTwitterに新たな機能が追加されました。
また、新たなサービスとして、申込書などの手書き書類の内容を読み取り電子化してくれるAI-OCRの無料提供も開始しています。
引用:https://ssl4.eir-parts.net/doc/3984/tdnet/2169452/00.pdf
株式会社 ユーザーローカルの今後
株式会社ユーザーローカルは、今後はデジタルマーケティングとAI・DXの商品開発に注力すると明言しています。
例えばAIの商品として、自動応答AIのサポートチャットボットのサービス提供が挙げられます。一般に、今後AIのサポートチャットボットは、ただのサービス自動化ツールではなく、より良いカスタマーサービスを提供する新たなビジネスモデルそのものへと進化していくと言われています。また、AIのサポートチャットボット導入のハードルは成功パターンが明確になってきているため徐々に下がってくると思われます。そのようなことから、株式会社ユーザーローカルのサポートチャットボットは、様々な場面において普及が期待できます。また利潤だけを追求する経営ではなく、ESGへ注力するために4つの重点課題を特定し、これらの課題を解決するため事業を通じた取り組みを実施するようです。
株式会社 ユーザーローカルの採用情報
株式会社 ユーザーローカルの採用情報について、
- 募集職種
- 給与
- 福利厚生
- 休日
それぞれ解説していきます。
募集職種
|
応募概要
給与
|
福利厚生
|
休日
完全週休2日制(土・日)、祝日 GW 夏季 年末年始 有休 慶弔 特別休暇 |
まとめ
今回は株式会社ユーザーローカルを紹介しました。
同社は、User InsightやSupport Chatbot等、Web3.0の時代に欠かせないサービスを様々なクライアントに提供しています。また、他を寄せ付けない高度なビッグデータ解析技術に強みを持ち、順調に業績を上げ続けています。
さらに、AI・DXの商品開発に注力して行くと明言し更なる事業展開を決めているなど、今後の動向にも目が離せません。
The Playersでは、他にもAI関連の企業の記事を書いています。気になる方はご覧ください。
▼前回の記事はこちらから