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Saraev氏が論じているAIビジネスにまつわる3つの話題とは、以下のようなものです。
新AI技術によって変革される3つのビジネスとその対処法
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以上の話題に共通するのは、AI技術によって既存市場が変革される可能性がある場合には、AI技術に習熟して有利な立場を築くのが望ましい、という論点です。こうした論点は、おそらくあらゆる市場に当てはまるでしょう。
なお、以下の記事本文はNick Saraev氏に直接コンタクトをとり、翻訳許可を頂いたうえで翻訳したものです。また、翻訳記事の内容は同氏の見解であり、特定の国や地域ならびに組織や団体を代表するものではなく、翻訳者およびAINOW編集部の主義主張を表明したものでもありません。
以下の翻訳記事を作成するにあたっては、日本語の文章として読み易くするために、意訳やコンテクストを明確にするための補足を行っています。
目次
さらに:AIがすでにインテリアデザイナーを廃業に追い込んでいる件
The Cuspへようこそ:このメディアは最先端のAIニュース(とその意味すること)をわかりやすい英語で解説しています(※訳註1)。
今週号では
- 結論が出た:Google、AIが生成したコンテンツを公式に破壊 。しかし、どれくらいの割合で? ― そして、AIによる記事生成はまだ使える技術なのだろうか。
- 新開発のAIにより、わずか数年でインテリア業界は壊滅的な打撃を受けることになる。
- あなたは3D業界にいるだろうか。3Dモデル生成AIのおかげで、Quixelのような企業は大きな衝撃を受けることになる。
それではダイブしよう。
1.Google、AI生成コンテンツに少なくとも20%、おそらくそれ以上のペナルティを課す
昨年、GPT-3のような大規模言語モデルが、気味が悪いくらい人間のようなテキストを生成する能力を持っていることが話題になった。当然ながら、アフィリエイターや(私も含めた)コンテンツ・ライターは、このシステムを利用しようとすぐに試みた。
しかし、Googleが反撃してきたことがわかった。
インターネットマーケティングの人気ブロガーであるNeil Patelは、AIによって生成された文章に対するGoogleの新しいスタンスに関する初の実テストをしたことを発表した。その結果は決定的なものであった。AIで生成されたコンテンツは、AIユーザの検索トラフィックを破壊するのだ 。
Neilは50のWebサイトを取り上げ、2つのグループに分けた。一方のグループの記事は、AIのみによって生成されたものだった。もう一方は人間が書いたり、編集したり、あるいは(AIと人間の)両方のアプローチをミックスしたものだった。
そして、Googleが記事をインデックスするのを待った。その結果どうなったか。純粋にAIで生成されたコンテンツには、すぐに20%のペナルティが与えられた – こうしたペナリティはあくまで平均値である。場合によっては、60%ものペナルティが課されることもあった(※訳註2)。
多くの人が思うだろう:20%…それだけ?なぜそのペナルティが大きな問題なのだろうか。
以上のペナルティが問題になるのは、Google検索で上位になればなるほど、大規模で非対称な利益が発生するからだ。トラフィックは上位に近いほど指数関数的に増加する。
1位なら、2位の2 倍のクリック数を得られる。2位なら8位の6倍近くクリックされる。
つまり、AIを使ったことで20%減点されただけで、少なくとも2つ以上の順位が下がり、75%以上のトラフィックを失うことになるのだ(※訳註3)。
しかし、多少の明るい兆しもある。AIによって生成されたものだが、人間が*修正*したコンテンツは、平均6%しかトラフィックが落ちなかった。
AIライティングでは4倍から5倍のスピードアップが日常的に行われているので、特に競合の少ないキーワードでは、(AIライティングという)選択はまだ非常に価値ある投資と言えるだろう。
AIライティングをどう生かせるか。
ウェブサイトを運営していて、そのサイトをもっと上位に表示させたいと思っている時には
- コンテンツを自動的に生成しようとしないこと ― その戦略は底辺への競争につながる。
- その代わり、GPT-3やJurassic-1(※訳註4)のようなAIで現在の有能なライターを補強しよう。
- また編集の際には、わかりやすさ、文体、文章のトーンなどを確認しよう。
わずか6%の順位変動で、掛け値なしに最大400%の成果を上げられるのだ。競合の少ないロングテールキーワードをターゲットにしている場合、AI自動生成コンテンツの減少を相殺するのに十分すぎるほどの効果があり、ボリュームの面でも大きなアドバンテージを得られる。
2.3Dインテリアデザイナーは、AIのせいでもうすぐ時代遅れになる
NeRF(neural radiance fields)が大きく進化を遂げた。
上の動画は、数十枚の室内写真から作られたものだ。NeRFは、これらの写真をシームレスにつなぎ合わせ、style transfer(※訳註5)を使って、色、雰囲気、家具を瞬時に変更できる。
話題にしたライブラリ(NeRF Studio)はまだ開発中だが、41億ドル規模のインテリアデザインソフトウェア業界を破壊する可能性を秘めていることは既に明らかだ(※訳註6)。
しかも、NeRFは無料というだけでなく、従来の設計手法に比べて桁違いに速い。
従来は空間の写真を何十枚も撮影し、詳細な間取り図を作成し、誰かに何百ドル(あるいは何千ドル)も支払ってモックアップを作る必要があった。
最近では、Matterportのようなソリューションが人気を集めている。こうしたソリューションを使えば、3Dスキャンを使用して、空間のモデルを素早く作成できる。しかし、Matterportは品質が良くないことで有名で、画像合成処理が遅く、直感的でもない。
一方、NeRFはわずか数分で完了する。
3Dインテリア設計業界にいるすべての業界人がNeRFに乗り換える日は、そう遠くないだろう。そして、そうなったとき、市場は大混乱に陥る。
インスタントレンダーサービス
3Dインテリアデザインに加え、インスタントレンダーサービスもAIを活用したもうひとつのアプローチとして急速に人気を集めている。
Interior AIは部屋の画像を撮影してから、Stable Diffusionを利用して、撮影画像に家具やその他のオブジェクトを含む新しい画像を重ね合わせ、ユーザの部屋がどのように見えるかを示す無料のデザインモックアップアプリである。
上に引用したInterior AIの画像事例を見ると、このアプリがすでに市場のニッチに貢献していることに疑う余地はない。そして、画像生成AIの成長速度を考えると ― 画像生成AIはたった6年でぼやけた16×16画素の牛から完全にリアルな人間の顔になった ― 同様のサービスは、あらゆるレベルで人間のデザイナーをすぐに凌駕するだろう。
インテリア生成AIをどう生かせるか。
AIを設計にどう使うか。こうしたAIで手っ取り早く稼ぐ方法は山ほどある。
- NeRFの仕組みを習得し、ワークフローに導入する。
- アウトプットの改善に加えて、他のデザイナーがインテリアAIを同様に使えるように教える情報商材(コース、電子書籍など)を作成する。
別の選択肢:AIを建築か不動産に使えないか。AIを使えばこうした業界は、これからもっと効率的になる。
- NeRFを使って物件の3Dモデルを素早く作成する。
- インスタントレンダーAIでアイデア出しを自動化する。
- 部屋がどのように見えるかに関するモデルを生成して、それをデザイナーに送り、修正してもらう。
あなたが所属する業界の(AIに起因する)大混乱に巻き込まれる必要はない。前もって計画を立て、ワークフローに変更を加え、利益を得よう。
3.AIテクスチャ生成は、まもなくQuixelのような企業と競り合うようになる
3Dといえば、AIによるテクスチャ生成がここ数年で大きく飛躍している。そして、3Dテクスチャを制作・販売しているQuixelのような企業と競り合うようになっている。
ご存じない読者のために説明すると、Quixelはゲームや映画、その他のCGIに使用される3Dテクスチャを制作している。
しかし、こうした3Dモデルのテクスチャを作成するには、膨大な時間とコストがかかる。フォトグラファーは遠隔地に出向いて現実の物体にズームインしてから、さまざまな角度から写真を撮って、包括的なテクスチャライブラリを作成しなければならない。
テクスチャ作成は現在どうなったか。AIはその作業のすべてをほんのわずかな時間とコストで行える。
Runway.mlは最近、デザイナー、アーティスト、3Dモデルの専門家が10分の1の時間でテクスチャを作成できるように、最先端のテクスチャ生成機能をリリースした。Quixelの特許取得済みMegascanライブラリにはまだ及ばないが、それに近いものとなっている ― そして、何より早くテクスチャを作れる。
さらに(ここが非常に重要なのだが)、Runway.mlがリリースしたテクスチャ生成機能は現実世界には存在しない、無限のテクスチャを生成できる。
以上に述べたAIによるテクスチャ生成は、何を意味するだろうか。
Mordor Intelligencよると、3Dマッピングとモデリング産業の規模は約130億ドルである。
しかし、Stable Diffusionによって生成された3Dモデル(※訳註7)を組み合わせることでテクスチャ生成器は近い将来、この業界の多くの人々を失業させることはほぼ確実だろう。一夜にして、この業界全体が消滅してしまうのだ。
AI生成テクスチャをどう生かせるか。
幸いなことに、先見の明があれば、準備や話題作りに十分な時間がある。
- まず、Stable Diffusion を使って独自のテクスチャを生成する方法を学ぶ(または Runway.ml のような既製のソリューションを使用する)。
- 高品質な3Dテクスチャを生成・アップスケールするパイプラインを構築する。
- そして、そのパイプラインが破綻する前に、CGTraderのようなマーケットプレイスで3Dオブジェクトをできるだけ多く売ろう。売れ行きが鈍り始めたら(きっとそうなる)、パイプラインそのものを売り込んで、さらに使い倒す。
- CGI専門家向けにAI活用の始め方を教える情報商材を作成する。
クリエイティブな産業が自動化されるのはいつだって悲しいことだが、自動化による経済的な可能性は否定できない。そして、その可能性は経済的なもの以上なのだ:AIによる3Dアセット生成は、メディア、ストーリーテリング、そして私たちの文化に多大な(ポジティブな)影響を与えることだろう。私たちが失業してソファで横になっているときに、AI生成技術によって、何か見るものを得られるのだ。
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来週もよろしくお願いします。
― Nick
原文
『Google destroys AI generated content rankings』
著者
Nick Saraev
翻訳
吉本幸記(フリーライター、JDLA Deep Learning for GENERAL 2019 #1取得)
編集
おざけん