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2023.04.21

トークン×クラウドファンディングでクリエイターエコノミーの実現へ|株式会社フィナンシェ

トークン発行型クラウドファンディングサービス「FiNANCiE」の開発・運営を行う株式会社フィナンシェ。

直近では、FNCT(フィナンシェトークン)のIEOを行い、2023年3月16日に暗号資産取引所コインチェックにて取り扱いが開始された。

IEOの申し込み金額が合計200億円を突破。申し込み倍率18.78倍と、話題性を持つFNCTの今後の動向に注目が集まっている。

今回のインタビューでは、フィナンシェで執行役員・CPOを務める木村仁氏に、「通常のクラウドファンディング」とフィナンシェが行う「トークン発行型クラウドファンディング」の違いや、FNCT上場の目的などについて話を伺った。

また、記事の後半ではフィナンシェが目指す未来についても語られているため、ぜひ最後までご覧いただきたい。

木村仁:東日本電信電話株式会社にて、営業及びシステム設計を経験し独立。フリーランスエンジニア・デザイナーとして、出版社やリクルートスタッフィング等で、Web関連のデザインやサービス開発に携わる。並行して民泊や音楽バーを経営。2020年より、アーティストやクリエイターが創作活動に集中できる仕組みを目指し『KIFF』サービスを自身で開発し運営。2022年ビジョンに共感し、株式会社フィナンシェにプロダクトマネージャーとして入社。同年12月、同社執行役員・CPOに就任。

 

トークン発行型クラウドファンディング FiNANCiE

FiNANCiE とは

FiNANCiEとは、ブロックチェーン技術を活用したトークン発行型クラウドファンディング&ファンコミュニティのことで、スポーツクラブやクリエイターなど200人以上のオーナーがプロジェクトを開設し、10万人以上のフォロワーやサポーターが活用するスマホアプリおよびWebサービスである。

特徴としては、プロジェクトオーナーがブロックチェーン技術で管理するトークンをファンディング形式で発行し、そのトークン購入者と共にコミュニティを持続的に運営できることが挙げられる。

また、フィナンシェは「FiNANCiE NFT」というサービスも提供しており、オーナーがNFTを発行し、コミュニティメンバーへの特典等に活用することも可能だ。

もちろん、このNFTはOpenSea等、様々なNFTのマーケットプレイスで流通させることができる。

ここからは、「FiNANCiE」、「FiNANCiE NFT」、そして今回IEOを行った「FNCT(フィナンシェトークン(以下、FNCT)」全てのフィナンシェプロダクトの責任者である木村仁CPOにお話を伺っていく。

 ブロックチェーン×クラウドファンディング

―フィナンシェがブロックチェーンの技術とクラウドファンディングを掛け合わせたきっかけを教えてください。

木村氏:2017年から2018年頃にかけて、ブロックチェーンは黎明期を迎えていたのですが、その頃に様々なブロックチェーンプロジェクトがICO[1]という形で最初の運営資金を集めていました。

そして、集まった資金によって様々なブロックチェーンプロジェクトが拡大しましたが、最初はブロックチェーンに限った領域が中心でした。

しかしながら、このシステムを“もっと一般の人にも使ってもらえるのではないか”という発想から、ICOのモデルをクラウドファンディングに掛け合わせてみるといったサービスが生まれました。

それが2019年にローンチしたFiNANCiEです。

[1] 「Initial Coin Offering」の略で、暗号資産(仮想通貨)の新規発行による資金調達方法の一つ。企業が暗号資産を発行し、それを直接投資家などに購入してもらうことで資金調達を行う方法のこと。

ICOのリスクとフィナンシェの対策

ICOの可能性を見出し、トークン発行型クラウドファンディングサービスを開始したフィナンシェ。

しかしながら、ICOといえば黎明期に多発した詐欺事件を想起する方もいるのではないだろうか。

ICOは、企業の発行したトークンを投資家が直接購入するため、資金を集めたもののその後プロジェクトを進めない、いわゆる持ち逃げのケースが多発していた。

こうした事件などを経て、ICOはリスクが高いものであるという印象を持つ人もいるが、フィナンシェはどのような対策をしているのだろうか。

―トークン発行型クラウドファンディング事業はICOから発想を得たということですが、ICOに関するリスクをどのように捉えていますか。

木村氏:リスクを理解するためには、前提としてICOがどのようにしてリスクを負ったかということを理解する必要があると思います。

まず、ICOが行われ始めた初期の頃はしっかりとしたビジョンを持ったプロジェクトが真剣に技術を構築し、その資金を得るためにICOを行うケースが多いという状況でした。

ただ、事業者が増えるにつれ資金を集めるだけの信用性が低いプロジェクトも増えてしまいました。

結果として、悪意を持った事業者が詐欺を行う手段としてICOを用いるケースが多発してしまいました。

もちろん、フィナンシェ上で同様のケースが絶対に発生しないと断言することは出来ませんが、可能な限りの対策として大きく2つ行っていることがあります。

まず1つ目が、デューデリジェンス(取引を行うにあたって、取引先となる企業の価値やリスクなどを調査すること)です。最初に“フィナンシェ自体がそのプロジェクトを信頼できるのか”というところを確かめてからコミュニティを開設していただきます。

そして2つ目が、コミュニティ運営のサポートです。コミュニティを開設してからもフィナンシェ側から可能な限りサポートしていくことによって、オーナーが資金だけを集めて消えてしまうといったリスクを限りなく少なくするようにしています。

盛り上がりを見せるプロジェクト

各プロジェクトとの良好な関係構築に励むフィナンシェ。では一体、現在どのようなプロジェクトがFiNANCiE上で盛り上がりを見せているのか。

―FiNANCiE上で現在盛り上がっているプロジェクトを教えてください。

木村氏:まずFiNANCiEでは、大きく分けて3つのカテゴリのコミュニティが活動しています。「スポーツクラブ」「エンタメ」「地方創生」の3つです。

まず1つ目のスポーツクラブで盛り上がっているプロジェクトは、アビスパ福岡がオーナーを務める『Avispa Fukuoka Sports Innovation DAO』(以下、アビスパDAO)です。

アビスパDAOは、スポーツチームコミュニティとして、日本で初めてDAO(分散型自律組織)の仕組みを取り入れ、サポーターを巻き込んだ分散型の組織で運営されています。

そして2つ目、エンタメで盛り上がっているのが『ZEROアニメーション』プロジェクトです。

アニメスタジオANIM.JPがオーナーを務め、3月にスタートしたプロジェクトですが、すでに1,000万円以上のクラウドファンディングが集まっており、トークン保有者はアニメ制作におけるストーリー・キャラクター決定の投票権を持つこともできます。

共感いただいた著名なアニメクリエイターやミュージシャンも参加しており、今後世界を目指したIP・アニメコンテンツを作っていくという勢いを持ったプロジェクトです。

最後に、3つ目の地方創生で盛り上がっているのが『にっぽんの宝物DAO』プロジェクトです。

2月末からプロジェクトをスタートし、現在1,000万円以上のクラウドファンディングが集まっています。トークン保有者は、日本各地に眠る伝統産業・名産品のデザイン選定や企画運営といった共創コミュニティに参加することができるほか、オンライン研究会や合宿などを通じて自身のスキルアップや会社経営に生かせる知識を学ぶことのできるビジネスに特化したコースも用意されています。

クラウドファンディングでトークンを発行する理由

FiNANCiE上で盛り上がりを見せる数々のプロジェクト。

しかし、各プロジェクトは通常のクラウドファンディングによって資金調達を行うことも可能だ。

では、一体なぜこれらのプロジェクトが通常のクラウドファンディングではなく、トークン発行型クラウドファンディングで資金調達を行うのだろうか。

―通常のクラウドファンディングサービスと比べたときの、トークン発行型クラウドファンディングが持つメリットを教えてください。

木村氏:トークンを購入した方への「特典」や「リワードの提供」を継続的に行える点が最も大きいメリットです。

通常のクラウドファンディングであれば目標に向けて資金を集め、その目標に応じたリターンを購入者へ還元する仕組みになっています。

一方、フィナンシェが購入者へ渡すのは一過性のリターンではなく、継続的に保有するトークンです。

そして、そのトークンを持っている人たちに対して継続的にメリット、例えばイベント参加権やコミュニティ投票権などを提供しています。

プロジェクトによっては1つのゴールを目指して、1度協力したら終わりという形でも良いものもあると思います。しかし、1つのゴールだけでなくコミュニティと共に様々なマイルストーンを超えていきたいと考えているプロジェクトは、長い間にわたって応援・共創してもらえるメンバーを増やしていくことができる”トークン発行型クラウドファンディング”が向いていると思います。

もう1つメリットとして挙げられるのは、トークンを保有することでFiNANCiE上のセカンダリーマーケットの値上がり益を享受できる可能性がある点です。

プロジェクトオーナーが活躍してコミュニティが盛り上がれば、トークンの価格が上がる可能性が高まるため、取引を行うメリットが生まれていると考えています。

トークン購入者がメリットを享受した事例

トークン発行型クラウドファンディングサービスの強みは、その継続性にあるということが分かった。

それでは、実際にその継続性の恩恵を受けたコミュニティのファンは存在するのか。

―初期から応援したファンにメリットが生まれた事例があれば教えてください。

木村氏:複数ありますが、前提として初期から応援したファンというのはトークンを沢山持っている方々と言い換えることができます。

なぜなら、初期から応援している方々は、初期ファンディングである程度まとまった数のトークンを一気に買うことができるため保有するトークンの数が多いからです。

そういった方々は、イベントに参加するために必要なトークン数を保有していたり、トークン投票にも多くの票を投じることができるといったメリットを享受できます。

湘南ベルマーレさんが一定のトークン保有者を対象に、試合や練習の招待を行っており、これは初期から応援したファン、つまりまとまったトークンを保有する方々がメリットを享受できている事例と言えます。

さらに、セカンダリーマーケットに関しても、直近の例を挙げると、パデルという(テニスとスカッシュを合わせたような)スポーツがあるのですが、その『日本パデル協会』が発行したトークンの値が、初期の売り出し段階から約11倍まで伸びたという事例があります

他にも、三島ウィスキープロジェクト『Whiskey&Co.』で発行されたトークンの値が、初期段階から約10倍まで上がったこともあり、これらは初期から応援したファンにメリットがあった事例といえます。

FNCT(フィナンシェトークン)のIEO実施

順調な広がりをみせるトークン発行型クラウドファンディングサービス『FiNANCiE』。

そしてこの度、フィナンシェはそのFiNANCiE上のコミュニティトークン(CT)とは別に、FNCTのIEOを暗号資産取引所であるコインチェックにて実施した。

IEOとは、「Initial Exchange Offering」の略で、暗号資産の発行体が取引所を介して「トークン」を上場させ、投資家から資金を集める仕組みのことだ。

IEOは、先ほど紹介したICOのような暗号資産の発行体が直接投資家から資金を集める形ではなく、取引所が審査を行った上で、その販売を仲介するため、投資家にとっては持ち逃げなどのリスクが低い上場の形式である。

フィナンシェが発行するFNCTは国内3例目であるIEOを実施し、2023年3月16日からコインチェックにて取り扱いが開始された。

ここからは、FNCTを保有することによって得られるメリットや今回のIEOの目的などについて伺っていく。

FNCTを保有するメリットとは

―FNCTを保有することで得られる価値を教えてください。

木村:具体的に得られる価値としては大きく3つほど挙げられます。

まず1つ目は、FiNANCiEアプリで優遇が受けられるようになります。

FiNANCiEアプリ上のトークンを購入する際にFNCTを使うことができます。

その際、通常の日本円で買う場合よりも安い価格で購入していただけるという優遇が受けられます。

2つ目の価値は、ステーキングを行うことで報酬を得られることが挙げられます。

ステーキングとは、一般的に暗号資産を保有し続けることによって、報酬が得られる仕組みのことです。

FNCTもステーキングサービス提供予定のため、FNCTを保有していただくと、FNCTを報酬として得ることができます。

3つ目の価値は、FNCTのエコシステムに参加できることが挙げられます。

FNCTを保有することによって、FNCTのエコシステムをどのように、より良くしていくかという投票に参加していただけます。

これらステーキングとエコシステムへの投票参加を実現するべく、現在準備を行なっています

FNCTがフィナンシェのサービスにもたらす恩恵とは

FNCTを持つことによって得られる価値について伺ってきたが、FNCTがフィナンシェのサービスへもたらすメリットは何なのか。

―FNCTをIEOすることによってフィナンシェにもたらされる恩恵について教えてください。

木村:大きく2つあります。

まず1つ目として、フィナンシェが成長するための燃料として、資金を調達できる点が挙げられます。

資金調達を行うことによって、人材や技術等の新しい要素を取り入れたり、新たな機能やサービス開発を試みることができるため、成長を加速させるために重要であると考えます。

そして2つ目は、サービス自体を多くの人に知ってもらうきっかけになったという点です。

コインチェックさんと一昨年から発表自体は行っていたのですが、今年の2月半ばから様々な方から反応をいただきました。

多くの方に認知していただいたことは、今回のIEOの恩恵の一つだと思います。

コインチェックで上場した理由

コインチェックと密に今回のIEOを進めてきたフィナンシェ。それではなぜ今回のIEOをコインチェックで行うに至ったのか。

―なぜ今回のIEOをコインチェックで行ったのでしょうか。

木村:国内初のIEOを実施したという実績が最も大きな理由です。

そして、そのパレットトークンのIEO・上場は国内初の事例でありながら、大きな成果を挙げています。

したがって、我々にとっても1番大きな価値を生み出せる暗号資産取引所である判断し、コインチェックさんと一緒にIEOを行なおうと考えました。

さらに、取引所のユーザー数や規模の大きさも理由の一つです。

今後の展望

2023年2月20日に事業戦略発表を行ったフィナンシェ。

その際、代表取締役CEOを務める國光宏尚氏は『海外へのサービス展開を目指す』と発表し、海外展開への意欲を見せた。

フィナンシェが目指す先はどんな未来か。

プロダクトの展望

―FiNANCiEというプロダクトの展望を教えてください。

木村:まず、FiNANCiEのサービスとして、先ほど触れたようにスポーツクラブ・エンタメ・地方創生という3つのカテゴリそれぞれを開拓し、成果を上げていきたいと考えています。

したがって、よりたくさんの方々と一緒に多くの成功事例を作り上げていきたいというのが今後の展望です。

さらに、FiNANCiE NFTにてNFTの企画・支援事業も行っているので、このNFTを使ってサポーターの方に更に価値あるものをお届けしたいと考えています。

NFTの事例としては、SUPER SAPIENSS(スーパーサピエンス)というプロジェクトが挙げられます。

SUPER SAPIENSSとは、クリエイターが製作委員会という組織に頼らず、自分達で原作づくりから映像化に至る全てプロセスを一気通貫で行っていこうという取り組みです。

このプロジェクトでは多くのNFTを販売することができたため、コミュニティのオーナーにも資金がしっかりと集まって、コミュニティ自体を盛り上げることができました。

NFT販売:約4,500万円(※完売額205ETH×1ETH220,000円換算)

こうした事例を横にも展開していくことも、今後の展望と考えています。

会社の展望

―フィナンシェ自体の展望を教えてください。

木村:会社としては、先日國光CEOが述べていたように世界を目指していきたいと考えています。そのためにも、FNCTの流動性を高めていきたいです。

その一歩として、世界協定時で4月12日8:00(日本時間で同日17:00)より、海外暗号資産(仮想通貨)取引所MEXCでの取り扱いが開始されました(※)。

さらに、FNCT自体もFiNANCiEのサービスと強くリンクしている部分があるため、トークン発行型クラウドファンディングも世界中に広めていきたいです

世界中のユーザーに使っていただくプラットフォームに成長することも重要な目標です。

したがって、グローバルでFNCT自体の流動性を高めることと、海外にトークン発行型クラウドファンディング事業を展開することの2つがフィナンシェの展望です。

※日本国内においては、暗号資産の売買や交換を行う業者は金融庁への登録制となっています。登録業者の一覧は以下をご確認ください。

https://www.fsa.go.jp/menkyo/menkyoj/kasoutuka.pdf

おわりに

株式会社フィナンシェは、クリエイターエコノミーの実現を目指して複数の事業を展開している。

その中でも、今回のFNCTのIEOや今後の海外展開は、「10億人の挑戦を応援する」というミッションを達成するための重要なステップであり、今後の動向に注目が集まる。

また、フィナンシェは日経クロストレンドによる「未来の市場をつくる100社【2023年版】」にも選ばれており、投資家も目が離せない存在だ。

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