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2023.07.11

Googleの生成検索を試してみた。ブログは永久に変わるだろう。

最終更新日:

著者のトーマス・スミス(Thomas Smith)氏は画像分類サービスを提供するGado ImagesのCEOであり、アメリカ・サンフランシスコのテックシーンを取材するジャーナリストでもあります(同氏の詳細は同氏のLinkedInページを参照)。同氏がMediumに投稿した記事『Googleの生成検索を試してみた。ブログは永久に変わるだろう。』では、Googleがベータテストを始めた生成検索を同氏が試用した所感と同サービスのSEOへの影響が述べられています。
Googleが同社開発者会議Google I/O 2023で発表した生成検索は、検索クエリに対してAIが回答を生成して表示するサービスです。生成検索のベータテストに参加できたスミス氏は、このサービスが既存のSEOの在り方を変えてしまうと結論づけまました。そうしたSEOへの影響を列挙すると、以下のようになります。

生成検索が既存のSEOへ与える影響
  • 多くの検索ユーザはAIが生成する回答に満足してしまい、その回答の下に表示される従来の検索結果を読まなくなるだろう。
  • 簡単な質問に答えるようなウェブサイトは、その内容がAIに要約されてしまい、検索結果に表示されづらくだろう。
  • 画像や長文で構成された高品質なウェブサイトであっても、生成AIの回答に満足したユーザに読んでもらえなくなる可能性がある。

以上のように生成検索の影響を分析したうえで、スミス氏は生成検索が正式導入された場合の対策を以下のようにまとめています。

生成検索が正式導入された場合の対策

  • トラフィック源をオーガニック検索だけに依存せず多角化する。ニュースアプリからの流入などが施策として考えられる。
  • Google Discoverで表示される記事を制作するようにする。
  • 魅力的なタイトルとアイキャッチ画像を含むコンテンツを制作するようにする。魅力的な記事は、生成AIに要約されずに引用される可能性が高まる。
  • 動画やPodcastのような非テキストメディアにもコンテンツを展開する。非テキストメディアが生成AIによって要約されてしまう可能性は、まだ低い。
  • メディアをブランド化する。ブランド化されたメディアは、生成AIに要約される可能性が低くなる。
  • MediumやNoteのような検索に依存しないオーディエンスがいるメディアに記事を配信する。

以上のように対策を列挙したうえで、生成検索は一部の複雑なクエリに対してだけ導入される可能性も残されている、とスミス氏は指摘して記事を締めくくっています。

なお、以下の記事本文はトーマス・スミス氏に直接コンタクトをとり、翻訳許可を頂いたうえで翻訳したものです。また、翻訳記事の内容は同氏の見解であり、特定の国や地域ならびに組織や団体を代表するものではなく、翻訳者およびAINOW編集部の主義主張を表明したものでもありません。
以下の翻訳記事を作成するにあたっては、日本語の文章として読み易くするために、意訳やコンテクストを明確にするための補足を行っています。

著者による生成検索のスクリーンショット

クリエイターは今すぐ適応する必要がある

今週(※訳註1)、私はついにGoogleの新しい生成AIを搭載した検索エクスペリエンス、サーチ・ジェネレーティブ・エクスペリエンス(SGE)のベータテストの招待を受けた(※訳註2)。

(※訳註1)この記事が公開されたのが2023年6月9日なので、「今週」と言う表現は6月5日から9日を指している。
(※訳註2)サーチ・ジェネレーティブ・エクスペリエンスの詳細は、AINOW特集記事『AIによって自社を全方位的にアップデートしたGoogle I/O 2023まとめ』の見出し「生成系AIと融合する検索」を参照のこと。

これは完全にゲームチェンジャーだ。SGEはユーザ、ウェブパブリッシャー、ブロガーに多大な影響を与え、かなり短期間で検索体験を引き継ぐだろう。

本稿ではGoogleの新しい生成検索をテストした私の経験、この新しい検索が私のようなコンテンツ制作者に何をもたらすのか、そして、私たちがどのように適応し、成功できるかを紹介する。

生成検索とは何か?

本題に入る前に、基本的なことを説明しよう。Googleの新しいサーチ・ジェネレーティブ・エクスペリエンスとは一体何なのか。

このシステムはGoogleの検索エンジンに新しく追加されたもので、現在のGoogleのように外部のウェブページを表示するのではなく、生成AIを使ってクエリにもとづいて基本的に短いブログ記事を書く。

例えば従来のGoogle検索では、「サンフランシスコはなぜ霧が多いのか」というクエリを入力すると、さまざまなウェブサイトが混在して表示される。気象機関のサイト、ベイエリアの地方紙、weather.comのような天気に特化した大手パブリッシャーのサイトが表示されるかも知れない。

SGEの場合、Googleは中間的ウェブ記事をカットする。同社は複数のウェブパブリッシャーやブログからの結果を表示する代わりに、「Bard」ツールの背後にある技術を活用し、クエリのトピックに関するウェブページを読み取り、読み取った内容を結果ページの上部に数段落で素早く要約する。

SGEの結果表示

Bardがベータテスト用にリリースされた日に私がレビューした時、最初に気づいたのはそのスピードだった(※訳註3)。Googleはこのツールを検索用に特別にチューニングし、正確さよりも迅速さを優先しているようだった。

(※訳註3)スミス氏のBardレビューについては、AINOW翻訳記事『Google Bardのファーストインプレッション – これはChatGPTを殺すのか?』を参照のこと。

Bardの主要な競合であるChatGPTは素晴らしい対話型ツールだが、返答を生成するのに時間がかかる。ChatGPTのレスポンスは1つ生成するのに2分以上かかることもある。対してBardははるかに速く、数秒でレスポンスを生成する。BardはChatGPTに対抗するためではなく、Googleの検索機能を強化するために開発された、と私は予想していた。

この予想は的中した。ユーザがGoogleで検索クエリを入力する時、彼らはChatGPTのようなツールが応答を生成するのにかかる数分を待とうとはしない。

GoogleのBard駆動型生成検索は、数ミリ秒で応答を生成する通常の検索機能よりは遅いが、それでもChatGPTに比べれば光速だ。これは明らかに検索のために作られたツールである。現在は招待制のベータテストが利用可能だが、間もなく一般ユーザにも展開されるのはほぼ確実だ。

以上がSGEの仕組みだ。しかし、この仕組みはブロガー、ニッチサイト所有者、ウェブパブリッシャーにとってどのような意味を持つのだろうか。

思っていたより深刻

GoogleがSGEを発表した日、同社がこの技術を使うのは最終的には一部のクエリだけになるだろう、と私は推測していた。

Googleは既存の検索機能(数十億ドルの広告収入を生み出している)を維持し、また人々がコンテンツをオンラインに投稿することを奨励するのに強い関心を持っている。もしパブリッシャーがブログや記事を書かなくなれば、Googleは検索結果に何も表示できなくなる(あるいは広告を売れなくなる)。この帰結は、誰にとっても悪いニュースだ。

このような既得権益があるため、SEOコミュニティの共通認識は、生成検索はおそらく長く複雑なクエリに使われ、Googleはそれ以外の多くのクエリには従来の検索体験を維持するだろう、といったものだった。

しかし、SGEのベータ版が何らかの指標になるのであれば、Googleは生成検索を制限するつもりは全くないようだ。私のテストでは、ほとんどすべてのクエリで生成検索が作動した。驚くべきことに、Googleはその能力に十分な自信を持っており、微妙なトピックも検索してくれた。

「1月6日はどんな日?」SGEは喜んでコメントしてくれた。

(※訳註4)以上の生成検索結果を翻訳すると、以下のようになる。
生成AIは実験的なものです。情報の品質は異なる場合があります。

1月6日はグレゴリオ暦における1年の6日目の日です。

2021年1月6日、ドナルド・トランプ大統領(当時)を支持する暴徒がワシントンD.C.のアメリカ合衆国国会議事堂を襲撃。暴徒は、連邦議会の合同会議が選挙人団の票を数えるのを阻止することで、トランプ政権を維持しようとしました。暴徒が連邦議会議事堂に押し入ったのは、議会が2020年大統領選の勝者としてジョー・バイデンを認定している最中でした。

FBIは2021年1月6日に連邦議会議事堂で発生した暴動に関与した人物の特定を求めています。1-800-CALL-FBIに電話するか、tips.fbi.govにアクセスして情報を提出してください。

現在1,000人以上が1月6日の暴動に関連して起訴されています。争訟裁判で有罪判決を受けた被告は78人。そのうち16人は「合意された一連の事実」に従って有罪判決を受けています。判決を受けたのは、故ブライアン・シックニック氏を含む警察官に化学スプレーを使用して暴行を加えたニュージャージー州の男などです。

約400人が有罪を認め、または裁判の結果有罪判決を受けました。

「心臓発作って何?」Googleはロボット(この場合はBard)に、命に関わる可能性のある検索をさせない理由を表示させた。

(※訳註5)以上の生成検索結果を翻訳すると、以下のようになる。
生成AIは実験的なものです。情報の品質は異なる場合があります。

必要な情報やケアを見つけるには、医師のような医療専門家が最適です。この情報は、医学的なアドバイスや診断を意味するものではありません。

心臓発作は生命を脅かす緊急事態であり、早急な治療が必要です。心臓発作は、心筋の一部に十分な血液が行き渡らなくなった時に起こります。血流を回復させる治療を行わずに時間が経過すればするほど、心筋へのダメージは大きくなります。

心臓発作の一般的な初期徴候には次のようなものがあります:
  • 胸の痛み、圧迫感、膨満感、不快感
  • 体の他の部位の不快感
  • 呼吸困難やめまい
  • 吐き気や冷や汗
  • 胸の圧迫感や(痛みではない)締め付け感

SGEの反応の幅広さには驚いた。他のSEO業者と同様、Googleは 「メリーランド州ボルチモアで子供と犬に連れた家族に最適なレストランは何?」のような長いクエリにしか活用しない、と私は思っていた。医療や金融に関するいわゆるYMYL(Your Money, Your Life)クエリ(※訳註6)に使うとは思ってもみなかった。

(※訳註6)YMYLとはYour Money or Your Lifeの頭文字をとった略語で、直訳すると「あなたのお金、あなたの生活」となるが、「人生において、意思決定の重要な局面で影響を与えるテーマやトピックを扱うウェブサイト」のことを指す。
YMYLカテゴリーのウェブ記事はGoogleの検索品質ガイドラインにおいて専門的知見が要求されるカテゴリーに分類されるため、このカテゴリーの記事には正確性と信頼性が求められる。

それどころか、GoogleはあらゆることにSGEを使っている。

そしてSGEの汎用的活用は、パブリッシャーやブロガーにとって厄介なことになる。技術的にはSGEはソースにリンクしており、結果の横にいくつかのソースのウェブサイトを表示している。外部のパブリッシャーにトラフィックを送ることには変わりない、とGoogleは述べている。

しかし現実には、どれだけのユーザがこれらのリンクをクリックするだろうか。

最小抵抗の道

パブリッシャーやブロガー、あるいは少なくともウェブに精通したユーザといった検索業界関係者は、クエリに対する最良の答えを見つけるために、人々は検索結果を分析し理解することに多くの時間を費やすと考えがちだ。

検索ユーザは検索語を入力し、上位の検索結果をいくつかクリックし、記事を読み、その権威性や有用性を評価し、最終的には慎重に検討した上で決断してほしい、と検索業界関係者は願っている。

残念なことに、検索は実際にはそうは行われていない。人々は最も早く、最も簡単な答えを探している。検索広告がこれほどうまく機能する理由の一端はそこにある。調査によると、人々は有料広告とオーガニック検索結果の区別がつかない、とのこと(※訳註7)。ほとんどの人はGoogleに用語を入力し、ウェブページであれ広告であれ、最初に表示されたものをクリックするだけなのだ。

(※訳註7)検索業界に関する調査機関Search Engine Watchは2016年4月27日、イギリスのメディア規制当局Ofcomが発表したインターネット広告に関する調査結果を報じた。その報道によると、イギリス成人1,328人を対象として、Google検索結果に表示される有料広告が画面上部に表示される理由について、以下のような選択肢から回答してもらった(複数回答可)。その結果、「これらは有料広告、スポンサー企業のリンク、あるいは企業が支払って表示してもらっている」と回答したのが60%、「これらは最高、あるいはもっとも関連性のある検索結果」という回答が23%、「これらはほかの人々からもっとも人気のある検索結果」という回答が20%、「知らない」が12%だった。そして、正しく回答(最初の選択肢のみ回答)できたのは49%であった。

2016年OFcom発表のGoogle有料広告に関する調査結果

Ofcomは同様の調査を3,651人のイギリス成人を対象として2023年にも行っており、その調査によるとGoogle検索結果画面における有料広告を正しく識別できたのは調査対象者のうち68%であり、46%が有料広告が表示される理由も正しく理解していた(つまり調査対象者の半数はGoogle有料広告の意味を理解できていなかった)。

だからこそ、SEOに依存しているパブリッシャーは、生成検索を非常に気にする必要がある。SGEが登場した時、多くのSEO担当者やジャーナリストはこの機能を否定し、あまり正確ではない、完全なブログ記事ほど多くの情報を提供しない、最も有用な製品をおすすめしないなどと不平を言った。

ここに悪いニュースがある。ユーザはウェブ記事の良し悪しなど気にしていないのだ。

SGEは検索結果ページを支配する巨大でカラフルなボックスのようなもので、まともな情報を提供する。SGEのボックスの中にある完全に有益な情報を見たうえで、わざわざスクロールしてSGEボックスの下にある退屈で昔ながらの検索結果を深く掘り下げようとする検索者はほとんどいないだろう。

もしかしたら、SGEの隣に表示される個々の記事をクリックする手間をかけるユーザもいるかも知れない。とりわけ彼らが何かを研究をしていて、すぐにでも深く掘り下げるつもりならば、そうするだろう。しかし、多くのすぐに回答を欲しがるユーザにとって、生成検索は重要で十分な情報を目の前に置いてくれる。そうしたユーザは、それ以上深く掘り下げようとは思わないだろう。

満足のための検索

SGEは、「満足化(satisficing)」(※訳註8)という概念の素晴らしい事例だ。伝統的な経済学では人々は合理的であり、意思決定をする際には、自分の利益を天秤にかけ、複数の選択肢を比較し、慎重に推論を行うと仮定している。

(※訳註8)アメリカの政治学者・認知心理学者のハーバート・サイモンは、古典的経済学が前提とする経済主体の合理性は、その主体の認識能力に限界があることによって制限されていることを唱え、そうした制限された合理性を「限定的合理性」と呼んだ。
サイモンは「限定的合理性しか持ち得ない経済主体は、経済行動において完全な最適行動を選択するのではなく、満足する水準以上の結果が得られる選択肢が見つければ、その選択よりさらに良い代案を探そうとはしない」という仮説も提唱した。この仮説は「満足化仮説(satisficing hypothesis)」と呼ばれる。

数多くの研究が示すように、現実は古典的経済学とは異なる。人々は自分のニーズを満たすのに十分な、最も手っ取り早い答えを選ぶ傾向がある。政治学者のハーバート・サイモン(Herbert Simon)は、1956年にこの傾向を「満足化(satisficing)」(「満足(satisfaction)」と「充足(suffice)」の合成語)と名づけた。

GoogleのSGEは、ユーザが簡単に満足できるようにしている。

もしかしたらSGEは、その場所で絶対的に一番おいしいレストランをおすすめしたり、手芸のプロジェクトに着手するのに必要なすべての詳細を提供してくれたりはしないかも知れない。しかし、ほとんどのユーザにとっては、彼らのニーズを満たすにはSGEの回答で十分だろう。また、クリックして複数の記事を読む手間が省けるため、GoogleがSGEベータテスト期間中に行っているように、検索結果ページの前面中央にSGEの回答を表示し続ければ、ユーザは絶対にそれを利用するだろう。

潜在的な影響

Googleが生成検索をより多くのユーザに展開すれば、ウェブパブリッシャー業界に大きな影響を与えるだろう。

簡単な質問に対する回答を提供することに依存しているウェブサイト、あるいは製品のレビューに重点を置いているウェブサイトは、SEOトラフィックに大きな打撃を受ける可能性がある。SGEは喜んで、そして速やかに彼らの飯のタネを食べるだろう。

食事場所や旅行先のようなトピックについて深く掘り下げたウェブサイトでさえ、大きな打撃を受ける可能性がある。フィレンツェ旅行に関する2,300語の美しい写真のブログ記事をユーザがスクロールしたいと思うのはいいことだ。

現実には、検索ユーザはウフィツィ美術館に行ってペコリーノ・トスカーノを食べる必要があることをGoogleに教えてもらって満足し(※訳註9)、2,300語の素晴らしいブログ記事は読まれずに終わってしまうだろう。

(※訳註9)ウフィツィ美術館とはイタリア・フィレンツェにある美術館で、レオナルド・ダ・ヴィンチをはじめとするルネサンス期の巨匠の作品を収蔵している。ペコリーノ・トスカーノとは、イタリア・トスカーナ州特産のチーズ。なお、フィレンツェは同州の州都である。

パブリッシャーやブロガーはどのように適応できるのか?

生成検索による存亡の危機を考えると、パブリッシャーやブロガーが適応する方法はいくつかある。

  • 第一にもしあなたがブログやウェブパブリッシングに携わっているのであれば、SEOトラフィックを主な訪問源とせず、即座に訪問源を多角化すべきである。あなたのウェブサイトに人を呼び込む方法は他にも山ほどある。私のサイトBay Area Telegraphは、FlipboardやNewsBreakのようなニュースアグリゲーターからトラフィックの大半を得ている。これらは検索に頼らない素晴らしいトラフィック源だ。
  • Googleのエコシステムのなかにいるパブリッシャーは従来の検索への依存を減らし、Google Discoverに力を入れ始めるべきだ。Discoverとは検索エンジンにクエリを入力するのを待つのではなく、人々の興味にもとづいてコンテンツをおすすめするGoogleのプラットフォームだ。

例えばあなたが金属加工に興味がある場合、Googleはそれを学習し、あなたが興味を持ちそうな金属加工や関連する工芸品に関する記事を携帯電話のGoogleアプリ内と従来の検索ページの両方でおすすめする。

Google Discoverは大量のトラフィック源となりうる。私のニッチサイトの1つでは、最近Discoverだけで数千ビューを獲得した記事があった。このシステムにコンテンツを最適化する方法はたくさんある。Discoverはすでに興味を持っている人々にコンテンツを浮上させることがその機能のすべてであるため、GoogleがDiscoverに生成検索を使い始める可能性は低い。

  • パブリッシャーは、生成検索体験からユーザを自分のサイトにクリックスルーさせるよう、記事を最適化することに集中することもできる。魅力的なタイトルとサムネイルはGoogleが現在SGEの結果と一緒に表示しているものなので、今後さらに重要になるだろう。

もしユーザが旅行に関するクエリを検索し、SGEテキストの横に美しい写真と魅力的なタイトルが付いたあなたのブログ記事を見た場合、ユーザは生成ボックスの要約を読むだけでなく、あなたの記事をクリックして深く読む可能性が高くなる。

  • まだやっていないのであれば、他のフォーマットにも手を広げてみよう。YouTubeのような動画フォーマットやPodcastのような音声フォーマットは、生成検索に取って代わられる可能性は小さいだろう。
  • また、ブランドを構築する時期でもある。単に情報を提供するだけの匿名ウェブサイトは、生成検索に潰されるのが目に見えている。なぜならばGoogleはそんなコンテンツを要約するだろうし、ユーザは要約されたコンテンツなど気にしないからだ。

しかし、もし人々があなたのサイトを訪れており、そのサイトが良く知られ信頼されてもいれば、GoogleのAIはサイトにおけるあなたの発言を大雑把に要約させるよりも、そのまま表示するだろう。ニュースレターを始めたり、サイト内にオンラインコミュニティを作ったり、自分自身をブランドの顔にしたりして、ブランドの信頼性を確立するために行動を起こそう。そして、オーガニック検索で見つけてもらうことだけに頼るのは止めよう。

  • 最後に、SGEが登場した現在こそ(Mediumのような)検索に依存しないオーディエンスが組み込まれているプラットフォームにコンテンツを公開する絶好の機会だ。

次に起こること

以上をまとめると、Googleだけにトラフィックを頼るのではなく、トラフィック源を多様化する時期が来ているということだ。公平を期して言えば、このアイデアはおそらくずっと良いアイデアだった!しかし、SGEが登場して、トラフィック源の多様化はその緊急性を増している。

もちろん、この先どうなるかは誰にもわからない。SGEは現在ベータ版だ。Googleがこれをより一般的に展開する際、検索の一部に限定する可能性もある。重要なデータを得るために、同社は現在ほぼ全てのクエリでテストしているだけなのかも知れない。そして、ベータテスト後には、SGEの活用を最も関連性の高いクエリだけに絞り込むかも知れない。

一般ユーザに展開するのであれば、GoogleはSGEのマネタイズの方法を見つける必要があるだろう。同社は、自分たちに非常に有利な広告帝国をSGEと共食いさせることを望んではいない。

SGEをテストした私の印象では、Googleはこの検索のことをまだよく理解していないようだ。テスト中、私はGoogleの検索エンジンに次のような鋭い質問をした。「生成検索はブログを破壊するだろうか?」。

興味深いことに、SGEは回答を拒否した。


原文
『I Tried Google’s Generative Search. It Will Change Blogging Forever.』

著者
トーマス・スミス(Thomas Smith)、フォトグラファー、ジャーナリスト、そしてサンフランシスコのテックシーンとベイエリアのストーリーをカバーするthe Bay Area Telegraphのチーフ編集者。生成AI記事を配信するMediumページThe Generatorも運営。

翻訳
吉本幸記(フリーライター、JDLA Deep Learning for GENERAL 2019 #1取得)

編集
おざけん

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