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今日は、9月24日(土)Machine Learning 15minutes!に参加してきましたのでレポートをお届けします。毎回100人を超える予約で大人気のイベントなのですが、今回は示し合わせたように「非エンジニア」「活用例」といった新しい話題が登場。AIの裾野が確実に広がっていることを感じさせました。
参加してきたイベントはこんなイベント!
株式会社メンバーズキャリア様主催
第4回 Machine Learning 15minutes!
「Machine Learning 15minutes!」は、「機械学習」について「15minutes以内」で語るLTを6~9人程度で行い、DeepLearningなどの先端的な事例、強化学習などの流行している技術、ビジネスへの応用例など、様々な角度から機械学習についての知見を広げ、LT終了後の懇親会でネットワーキングを行うイベントです。
※ホントは懇親会が最も濃いので参加おすすめです(w
会場は有明トリトンスクエア。AI研究者やエンジニアが7割、人材育成、企画、データ系の人々が3割という感じでした。それでは、登壇者のプレゼンをご紹介します。
目次
- 神谷 俊昭【顧客体験の向上にむけて成長するオウンドBOT設計フレーム】 株式会社アイ・エム・ジェイ
- 佐藤 聡 【 Industry Deep Learning 】 株式会社クロスコンパス
- 三上 悟 【 非エンジニアに人工知能に興味を持ってもらう話 】 株式会社イノーバ
- 堅田 洋資 【 ビジネスで機械学習を活用するための5つのステップ 】 株式会社白ヤギコーポレーション
- 石井 大輔 【 非エンジニアがリーン開発で人工知能ビジネスを立ち上げた話 】 Jenio Inc.
- 古川 朋裕 【 最近の機械学習テクノロジーとビジネスの応用先 】 株式会社nextremer
- 大渡 勝己 【大富豪ゲームに対する機械学習の適用】 東京大学
- 大久保慧悟with進藤 圭 -AIニュースサイト「AINOW」掲載記事でAIトレンド分析~9月~-dip AI. Lab
神谷 俊昭【顧客体験の向上にむけて成長するオウンドBOT設計フレーム】
株式会社アイ・エム・ジェイ
■ 発表資料
※ 公開され次第更新します。
IMJのマーケティングチームでBOTプラットフォームを活用したマーケティングを行っている神谷さん。Watsonのパートナーとして企業のオウンドBOTを取り扱ってらっしゃいます。その中でも強調されていた点は3点。
(1)マーケティングキャンペーンの中でのBOT:Webサイトからアプリへのシフトがすすみ、クローズドソーシャルへコミュニュケーションが移行。メッセージングプラットフォームが成長している。そこを自動化するのがOWNEDBOTのアプローチであると、サービスの戦略論が語られました。
(2)LINEでの活用事例:キャンペーンへの応募をBOTが取り扱うジョージアのキャンペーンやPepperの会話担当としてのBOTや、IMJ自体での法人向けQ&ABOT、チケット購入やスラックでの応答BOTが活用事例として紹介されました。
(3)BOT活用の仕方:企業ごとのサービスに登録する障壁が下がる。対話の中で購買などのゴールに誘導できる。但し自然言語は非常に難しい実感をお持ちで、サードパーティとも組んで事例を作りたい旨が話されました。
最後にはIMJさんのチームとしての特徴が語られ、エンジニアリングだけでなくビジネスの観点からも貢献できるIMJさんのイメージが湧く、プレゼンテーションでした。
佐藤 聡 【 Industry Deep Learning 】
株式会社クロスコンパス
■ 発表資料
「なんの会かわかって無く来ている」とのっけからぶっちゃけて笑いを誘った佐藤さん。しかしなんのなんのDeepLearningから脳科学まで幅広い内容のお話となりました。その中でも強調されていた点は3点。
(1)ディープラーニングの実績:DeepLearningの開発実績も受託で70社ほどの実績があり自然検索でもNO.1とのこと。
(2)学習済みニューラルネットワークテンプレート構想:API等はたくさん提供され始めたがニューラルネットの学習をどうやらせるかが課題となっており、それをテンプレート化して提供する構想(特許出願中)。
(3)製造業むけDeepLearningでの事例:製造業を中心に異常品の検知(検品)などで画像、音響、振動解析を活用したAIを運用。ベテランの勘と経験とコツの3Kで対応しているもの(暗黙知)をAI化するアプローチと事例が紹介。
プレゼンテーションの最後にはAIとARTの融合の事例が語られ、DeepLearningから芸術、最後には「こんな◯◯はいやだ」という小ネタまで語られる笑いの絶えないハイコンテキストプレゼンテーションでした。
三上 悟 【 非エンジニアに人工知能に興味を持ってもらう話 】
株式会社イノーバ
■ 発表資料
「非エンジニアに人工知能に興味を持ってもらう」というキー・ワードから始まった話。冒頭にはAINOWのマップも紹介いただき、マーケティング業界に人工知能の波が来た状況を語られました。その中でも強調されていた点は3点。
(1)人工知能のトレンドが来たが…:人工知能のトレンドが来たが、「そもそも人工知能って」という非エンジニアとの会話が悩み。読書会でそれを解決しようとアプローチ中。社外の人を読んで読書会。
(2)経営層も巻き込んで読書会を拡大:初学者向けから哲学に近い世界まで広げて、読書会を拡大していき人工知能について語られるように成るまでが語られました。
(3)テーマを見つけて具体化する:事例や知りたい事をみんなでホワイトボードに書き出したりして、次のテーマを設定したりして1、2を繰り返す。
「AIを作れる」ようになるには「AIについて語れる」スキルも大事なんだよなーと感じるプレゼン、かつ周りに理解者を増やしていく取り組みに頷かされる内容でした。
堅田 洋資 【 ビジネスで機械学習を活用するための5つのステップ 】
株式会社白ヤギコーポレーション
■ 発表資料
※ 公開され次第更新します。
ビジネスに機械学習を組み込むヒントがテーマとなった堅田さん。データアナリストという立ち位置の人はレアですかね。その中でお話されていた点は3点。
(1)白ヤギとカメリオの技術:2014ベストアプリも受賞したカメリオの要素技術を生かしてカメリオAPIを販売。
(2)ビッグデータ解析のステップ:プロジェクト定義のワークショップをやりながら5ステップで語られました。打ち手の仮説の粒度感が分析の方向を決める旨がポイントとして紹介されました。
(3)サイクルの定常化:2のステップを1度やっただけで満足せず、繰り返し改善する大事さが語られました。
やれる人を増やす、というアプローチでAI至る最難関、データを揃える分析する所に挑戦する白ヤギさん。フレームワークも豊富に紹介され、最も写真が取られていたプレゼンテーションとなりました。
石井 大輔 【 非エンジニアがリーン開発で人工知能ビジネスを立ち上げた話 】
Jenio Inc.
■ 発表資料
「非エンジニア」というキー・ワードが再び。人工知能専門の受託会社Junioさんを経営する石井さん。その中でも強調されていた点は3点。
(1)数学マニアがシリコンバレーで学んだこと:リーン方式でコードなしでAI専門の受託会社を作ったハナシ。数千円で受託会社のMVPを作って顧客から問い合わせがあった点が注目されました。
(2)ビジネスの話:受託費用の10%を受け取るモデルで収益化を目指し10件程の案件が進行中とのこと。「ノウハウは教えるから業務提携しましょう!」との懐の広いメッセージが心に残ります。
(3)課題と見通し:要件定義が長期化しがちなAI周り。そこを超えてOPENAIの日本支部立ち上げに手を上げたり、電子書籍を出されたり、とにかく行動で課題を突破していく石井さんの姿が語られました。
本職は新規事業のライターおしんとしてはとても共感できる話で、マーケットを一緒に盛り上げたいなと思えるプレゼンでした。
古川 朋裕 【 最近の機械学習テクノロジーとビジネスの応用先 】
株式会社nextremer
■ 発表資料
自然言語処理技術の得意分野を踏まえた上で、どんなビジネス展開ができるかを考察された古川さん。その中でも強調されていた点は3点。
(1)自然言語処理技術の得意分野:それは「関連付け・分類」。Watsonの医療分野活用でもWatsonも最終的には人間が決定する推論(コグニティブ)をベースとしている。
(2)自然言語処理技術の不得意分野:文章を理解させるのはかなり難しい。定義付けを記述するアプローチをすればできなくはないのだが、知識をどう扱うかは困難だし、大きな問題という難しいポイントがシェアされました。
(3)ビジネスとしての応用先:Webクローリングの効率化はもちろん、ドキュメント整理や分類、近似事例の発見といった士業分野全般の自動化が上げられました。
実際の要素技術をどうやってビジネスに応用するのかを具体的に考察し応用先までお話されており、今課題になっている「実用化」の参考になるプレゼンでした。
大渡 勝己 【大富豪ゲームに対する機械学習の適用】
東京大学
■ 発表資料
今回唯一の学生プレゼンターとなった大渡さん。しかしテレビ出演経験もあるということで、いちばんしゃべりは落ち着いてたかも。その中でも強調されていた点は3点。
(1)大富豪ゲームAIの特徴:なんとこの研究でテレビにも出演している大渡さん。モンテカルロ法を用いたゲームAIの設計について語られました。
(2)学習の試行:過去棋譜での学習だけでなく、自動で作成した棋譜を学習させる自己棋譜での学習でどんどん賢くなる方法論が話をされました。
(3)ゲームAIニュース:世界的にも注目されているゲームAIのニューストレンドや論文紹介が行われました。
数学的なアプローチとともに笑いを交えたプレゼンは、1本!って感じでした。
大久保慧悟with進藤 圭
-AIニュースサイト「AINOW」掲載記事でAIトレンド分析~9月~-dip AI. Lab
■ 発表資料
毎回、本イベントのおやつ枠としてマーケットの目線からみなさんに情報をシェアしているAINOW。その中でもお話した点は3点。
(1)AI関連ニュースは減少傾向:最盛期であった5月からだんだんニュースの本数が減少し、1/10まで減少した8月、9月は件数の下げ止まりが見られました。
(2)応用や事例:応用や事例が求められる現状をタイトル分析と閲覧傾向分析からお話。
(3)AINOWのアプローチ:「AIに取り組める人を増やす」をテーマに先月リリースしたマップの取材時得られた「どういう言語を学べばいいか」などにお答えする「AI企業求人マップ」を作成し10月にリリース予定。
今回は着物を着用し、落語感を演出。マーケット模様をお話しながらみなさんの取り組みの応援になれば、というプレゼンでした。
※私も話しましたよ!
先月発表したマップはこちら。77サービスまで成長しました。クリックでマップに移動します。
※ 引用、リンク、2次創作等はご自由にお使いください。
全77サービス!「AIサービスマップ 2016 Summer」~活用したいAIがすぐに見つかる~
終わった後は懇親会。※ホントは懇親会が最も濃いので参加おすすめです(大事なことなので二回言いました
以上、イベントに行くと第一線で活躍されている方のナマの情報を聞くことができるので、大変オススメです。
第5回もAINOWチームが出演予定ですのでお楽しみに。