HOME/ AINOW編集部 /「昨日どれくらい笑いましたか?」 iOS版もリリース。AIで笑いを可視化するWARAI+を取材しました。
2017.06.22

「昨日どれくらい笑いましたか?」 iOS版もリリース。AIで笑いを可視化するWARAI+を取材しました。

最終更新日:

みんさんこんにちは!おざけんです。

早速ですが、みなさんに質問です。

あなたは昨日どれくらい笑いましたか?

おとといはどれくらい笑いましたか?

おそらく多くの方は体感でしか、自分の笑った量を表現できないのでは!?
私もどれくらい笑ったのかなんて具体的に表現することはできません。

そんな私達の日常の中にありながら、今まで数字として記録されていなかった「笑い」を可視化し、測定するプロジェクトを推し進める会社があります。
大阪にある株式会社大成情報技術の「笑い測定プロジェクト」を取材しました。

「笑い測定プロジェクトとは」

人工知能(AI)技術を用いて笑いを認識し、その結果をさまざまな分野で活用することから社会のポジティブな要素(+)を増やすプロジェクト。

「WARAI」+「AI」+「+」= 「WARAI+」 という名前の由来になっています。

人間は笑うことによって、どんな良いことがあるでしょうか?

・楽しくなる
・仲良くなる
・健康になる
・頭が良くなる

上述のようにたくさんのメリットがありますよね。

そんな笑いの特性を有効に活用するためにこのプロジェクトでは人工知能を用いて笑いを認識することに挑戦しています。

笑いが認識できると数値で表すことができるため、楽しさが見えるようになります。また、笑いを可視化して分析をすることで、もっと笑うことができるようになれば健康も増進します。作り笑いだって見破れるようになります。

こんな無限の可能性を秘めたこのWARAI+。
スマートフォンが普及した今、アプリを通して個人や集団が気軽に笑いを測ることができる未来が見えてきました。

笑いのデジタル・アート+Sensor


笑いを可視化できるこのアプリ。今どれくらい笑っているのかをきれいな波紋で表示することができます。シンプルなデザインで、誰でも気軽に笑いを視覚化することが可能。お気に入りの動画を見るときや人を笑わせたりするときはぜひダウンロードして、笑いを可視化してみてはいかがでしょうか?

 

 

 

笑いの歩数計「+Recorder

日々の笑いを記録することができるこのアプリ。声に含まれる笑いの成分をリアルタイムグラフで閲覧することができます。笑いの合計時間や大笑いの最長時間を記録することができ、毎日気軽に笑いを測って楽しく暮らす習慣づくりをしてみましょう!

2017年6月22日 iOSアプリリリース「WARAI+ Recorder

https://itunes.apple.com/us/app/warai-recorder/id1226390885?mt=8

 

 

 

 

笑っていないとき

笑ったとき

dip AI.Labで「笑い」といったらこの人だということで、ライターをしているりこちゃんに実際に+Sensorのアプリを使用してもらいました。

笑っていない状態だと、ただ青い波紋が表示されるだけなのですが、彼女が笑うとなんとの黄色い波紋がパーっと広がります。

本当に笑いに反応するんだとビックリしてしまいました。


ぜひみなさんもご自身の笑いを測定してみてください。

開発担当者に聞く「笑いプロジェクトの開発秘話

WARAI+(ワライプラス)プロジェクトリーダーの池田さんを取材しました。

池田資尚(いけだもとひさ)さん

1984年生まれ。千葉県出身。株式会社大成情報技術の笑い測定プロジェクトWARAI+(ワライプラス)プロジェクトリーダー。大学在学時代に「ヒトはなぜ笑うのか」と考えたことをきっかけに大学院で横隔膜式笑い測定機の研究に携わる。「アッハ・メーター」「WARAI+Sensor」など数々の笑いを測るシステムの研究・開発に従事。笑いの持つ力を社会に役立てることを標榜している。

おざけん

Q. 笑いを可視化するプロジェクトを始めたきっかけはなんですか?

池田さん

大学院で何を研究しようか考えていたときに、新聞で「笑いを学問する」という記事を見かけたのをきっかけに、
関西大学の大学院に入りました。関西大学には木村教授という笑いを専門に研究している教授がいて、私も彼とともに笑いの研究に励みました。

木村洋二
『笑い』を研究テーマとし、その方面での著作や論文が多いことで知られていた。関西大学社会学部教授として、『ソシオン研究プロジェクトユニット』を立ち上げ、コミュニケーションに関する社会学の主要理論であるソシオン理論の研究を進めるなかで、再び笑いの豊かな可能性に着目し、「aH(アッハ)」を単位として笑いを定量的に測定する『笑い測定機』を発案する。その後、笑いを科学的に研究するための学術組織としてユーモア・サイエンス学会を創設し、初代会長となる。2009年8月19日、肺癌のために逝去。61歳没

引用:Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%A8%E6%9D%91%E6%B4%8B%E4%BA%8C_(%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E5%AD%A6%E8%80%85) 2017年6月5日 19:30アクセス

おざけん

Q.大学院で笑いを研究されていたということでしたが、なぜ今の会社でも研究することになったのでしょうか?

池田さん

大学院で笑いを研究していましたが、木村教授が1年ほどで亡くなってしまいました。しかし、このままこの研究が終わるのはもったいないなと思い、木村教授の意思を引き継ぐことを決意しました。そして、木村研究室の大学院生が中心となって「プロジェクトaH」というNPO法人を作りました。ありがたいことに大学教授、テレビのプロデューサー、医師の方を含む多数の方にご参加いただきました。「aH」(アッハ)は木村教授が作った笑いの単位です。

そして、ちょうどスマートフォンが普及しはじめた2014年に設立された株式会社大成情報技術に2017年から合流し、今に至っています。

おざけん

Q. なぜスマートフォンで笑いを測定しようと思ったのでしょうか?

池田さん

恩師である木村教授が開発した「横隔膜式笑い測定機」というものがありましたが、皮膚に電極を付けなければならず、普及させて収益化することは難しいと思いました。その為、今まであまり注目されていなかった「笑い声」に注目し、スマートフォンで気軽に笑いを測定できればより可能性があるのではないかと考えたからです。

今後どのように進化していくのか

今後、このWARAI+はどのような進化を遂げていくのでしょうか。

現在、近畿大や吉本興業が中心となって笑いと健康との実証的研究が進められているそうです。
「笑いを増やすことによって、健康に繋げられればと思っています(池田さん)」

このWARAI+ですが、今後様々な分野での活用が視野に入っています。
いくつかの事例をご紹介します。

多人数計測

多くの人の笑いを同時に図ることで、映画で誰がどのシーンでどれくらい笑ったのかなどを測ることができます。これによりマーケティングへの応用が効くようになり、楽しさを評価することができるようになるそうです。お笑い番組の、点数評価などにも応用ができそうですよね。

相性診断

笑いのツボが同じ人と話すと楽しいですよね。
笑いを可視化することで、自分と笑いのツボが同じ人を探すことができるようになるかもしれません。多人数計測と組み合わせることで、婚活の場や、居酒屋などでの活用があるかも!?

ゲーム

ゲームをプレイしていると楽しくて笑ってしまいますよね。そこをあえて、笑わないとクリアできないゲームがあったら面白いと思いませんか?

今までは「ゲーム→笑い」 でしたが、「笑い→ゲーム」にしてしまうのです。
このWARAI+プロジェクトでは、何かを見て笑うことを、受動的笑いと呼んでいるそうですが、この笑いは「能動的笑い」ともいえるでしょうか?(笑)

普段何かに笑わされることに慣れている私達が、あえて自分たちから積極的に笑うなんてことが起きたら面白いですよね。本当に実現するのか楽しみです。

編集後記

今回、笑いを可視化する技術というものを知って取材せずにはいられませんでした。この度は大成情報技術さんに取材させていただいて本当に良かったです。

今までまったく数字として見えなかった笑いをスマートフォンなどの普遍的な技術を用いて可視化することによって私達の生活がどう変わるのか。ワクワクです。ぜひぜひ紹介したアプリなど試してみてくださいね〜〜。

筆者:おざけん

AINOWのディレクターをしています。AI企業やイベントに足を運んで情報収集の毎日。
このAIによって世界がどれほど素晴らしくなるのかワクワクしながら想像しています。
「ぜひうちに取材に来てほしい」という方がもしいらっしゃいましたら、ぜひご連絡をいただければ幸いです。
どこまででも行きます!
取材依頼:ainow@dip-net.co.jp

無料メールマガジン登録

週1回、注目のAIニュースやイベント情報を
編集部がピックアップしてお届けしています。

こちらの規約にご同意のうえチェックしてください。

規約に同意する

あなたにおすすめの記事

生成AIで“ウラから”イノベーションを|学生起業家が描く、AIを活用した未来

特許技術×AIでFAQを次のステージへ|Helpfeel

GPUの革新からAI時代の主役へ|NVIDIA

あなたにおすすめの記事

生成AIで“ウラから”イノベーションを|学生起業家が描く、AIを活用した未来

特許技術×AIでFAQを次のステージへ|Helpfeel

GPUの革新からAI時代の主役へ|NVIDIA