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同氏がMediumに投稿した記事では、小型自律ドローン兵器が誕生する可能性とその対抗策が論じられている。攻撃目標としたヒトを精密攻撃できるAIを搭載したドローン兵器は技術的には開発可能であり、いずれ開発され配備されるだろう、と同氏は考えている。
こうしたドローン兵器の開発を禁止しても焼け石に水なので、精密攻撃を回避する衣服や対ドローン・バリアの開発と配備が有効な対抗策だと主張する。
以上のような同記事は、AIが兵器にも普及する近未来の安全保障を鋭く批評している。(AINOW 編集部)
小型ドローン兵器の禁止がおそらく失敗するもうひとつの理由は、世界中の国々がこの禁止に賛成するわけではないからだ。もし1か国でも小型ドローン兵器を製造したら、ほかの国も製造するだろう、ということをゲームの理論が教えてくれる。
核兵器のように、もし他国が核兵器を保有して自国が保有していないとしたら、紛争が起こった時他国は核兵器を使えるのだから、そうした状況に陥るリスクは犯せない。他国が持っている兵器を自国が持たないというのは、国家存続の脅威となるのだ。
たとえ世界中のすべての国がドローン兵器の禁止に同意したとしても、それで本当に問題がなくなるわけではない。世界の大国はドローン兵器の開発を推し進め、秘密にされた「黒い予算」を使ってあらゆる手段でその兵器を作るだろう。
しかしながら、本当の問題はドローン兵器の製造が誰にでも出来てしまうところにある。もし国家レベルでドローン兵器を禁止しようとしても、それらは市販の部品、3Dプリンター、オープンソースのソフトウェアで簡単に作ることができ、少しの努力で動くことが証明されているのだ。
こうしたことから、犯罪者とテロリストは遅かれ早かれドローン兵器を手にするだろう。
次の9.11テロ事件は建物を破壊せずに、(テロリストが)異教徒と見なしたヒトを精密に攻撃するだろう。
ドローン兵器に関して以上のようなことを知ったうえで、わたしはなおかつこの兵器を戦場から遠ざけようと努力すべきだと考えている。
化学兵器の禁止は信じられないくらい効果的に機能していることが証明されている。
化学兵器の使用は第一次世界大戦以降広がっていない。もちろん、多くの国々は秘密裏に化学兵器を保有しているだろうが、ほとんどの国は小規模な地域紛争で化学兵器を使うリスクを犯そうとはしない。
再び本当に化学兵器がその猛威をふるうとしたら、社会的慣習が完全に崩壊してしまうような新たな世界大戦においてだろう。
ボタンひとつの戦争
それではドローン兵器が使われることを真に抑止する方法はあるのだろうか。
正直に言って、わたしは抑止できるとは考えていないのだが、それでもその方法について考え続けている。
ドローン兵器を抑止するベストな答えは、ドローン兵器に対する対抗策を開発することだ。
対監視服がひとつの潜在的な解決策である。対監視服はすでに存在しており、いつでも使うことができる。
将来、ヒトビトはみな熱探知と顔認識をブロックするセーター、ジャケット、あるいはパーカーを持ち歩かなければならないような脅威に直面するとも考えることができる。
ポケットに入るようなフェイスペインティング・グッツは、爆発するミニミサイルに対抗する唯一のモノになるかも知れない。顔認識して迫ってくるミニミサイルの攻撃において、ひと塗りで顔を彩色できるフェイスペインティング・グッツは、顔認識スキャナーを欺く。
そして3Dプリントされたマスクは、いつの日か命を救ってくれるかも知れない。ヒトビトはみな、こうした対ドローン兵器グッツをリュックサック、バッグ、あるいはクルマのなかに入れておく必要があるようになるだろう。
もうひとつの強力な対抗策は防衛ドローンである。すべての作用にはそれとは反対方向に同等な反作用があるものだ。ドローン兵器による攻撃を防衛するためには、同等のマイクロ機械をもつ必要があるのかも知れない。
ドローン飛行禁止区域でドローン兵器が向かわないようにソフトウェアを設定する地域防衛(Geofencing)を政府の建物、軍事基地、そして学校がある地域に対して施行したとしても、殺人兵器はお構いなしに侵入してくるだろう。
犯罪者はそうした地域防衛コードを書き換えてしまうだろう。たとえドローンに実装されたチップに地域防衛に関する情報を何とかして組み込んだとしても、犯罪者はあなたが寝ているあいだにあなたの家にドローンを侵入させることが依然としてできるのだ。
ドローン兵器に対する地域防衛より良い対抗策は、この小さな怪物が急加速したり飛行禁止区域に近づきすぎた時に発動するエネルギー的あるいは電子的なバリアーを発動することだ。
このバリアーは(ウイリアム・ギブソンの)SF小説で生き生きと描かれているICEとも呼ばれる侵入対抗電子機器(Intrusion Countermeasure Electronics:略してICE)のようなモノとして考えられる。
ロシア軍とアメリカ軍はすでにドローンを6マイル(約9.7キロメートル)以内に寄せつけないマイクロ波兵器を持っている。ICEは次の20年においてホームセキュリティシステム市場を独占するだろう。
皮肉なことだが、以上のようなマイクロ波兵器はAIが制御しており、この兵器が家の屋根や天井に取り付けられ、(AIが制御している)殺戮マシーンに対する究極的な対抗策となることが証明されるだろう。未来のドローン対抗装置は、明日の攻撃的な煙感知器だと考えるとよい。
もちろん、絶対確実にドローン兵器を防衛できるというモノはない。
銃規制から核による抑止にいたる命の安全に関するあらゆるモノと同じように、ドローン兵器の抑止は机上では明快かつ容易であるが、その実現には泥沼のような道が待っている。およそ禁止というものは、ヒトビトが信じたがっているようには機能しないものなのだ。現実の世界にあるフランスのパリ市には銃の規制があるのだが、テロリストは何とかして自動小銃を入手してからパリに行きシャルリー・エブドのジャーナリストたちを銃殺したのだった。
こうした禁止が困難なことこそが、真の問題なのである。
簡単な答えなど存在しない。
しかし、簡単な答えが存在しないからといって、答えを探し続けるべきではない、とは言えないのだ。
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速報:わたしがこの記事を投稿したほんの数日後(投稿したのは2017年11月28日)、わたしが予想した通り、ロシアは殺人ロボットに関する国連の禁止には従わない、と発言した(このニュースが報道されたのは2017年11月30日)。殺人機械はいずれ現れるだろう。
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いつものように読んでくれてありがとう。
原文
「The Coming Age of Killer Machines」
著者
Daniel Jeffries
翻訳
吉本幸記
編集
おざけん
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■AI専門メディア AINOW編集長 ■カメラマン ■Twitterでも発信しています。@ozaken_AI ■AINOWのTwitterもぜひ! @ainow_AI ┃
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