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3月9日、新型コロナウイルスに関連した民間企業の支援情報まとめサイト「VS COVID-19 #民間支援情報ナビ」が公開されました。
新型コロナウイルス感染拡大の影響で日本の公立の学校の休校や大規模イベント中止が相次ぐなど、社会的な影響が出ています。同時に多くの会社でも、対策としてオフィスに集まらずに業務を進める、リモートワークが推進されています。
新型コロナウイルス感染拡大をきっかけに、場所を選ばずに企業活動を維持する基盤整備の重要性が高まっています。また、国民生活においては、外出をせずとも充実した生活が受けられるサービスの重要性が高まっているとも言えます。
ニーズが高まっているのは、自宅で学べる勉強コンテンツや、テレワーク、リモートワークなど場所を選ばずに会議が可能なツールなどです。今回のウイルスを受け、多くの事業者がサービスを無償で提供しています。
しかし、それらのサービスはそれぞれのWebページで公開しているなど、情報が一元化されていません。その結果、サービスが必要なユーザーに届いていないことや、ツールの比較が難しいという課題があります。
こうした状況を踏まえ、内閣官房、総務省及び経済産業省は、事業者によって提供される感染症対策支援サービスの情報のデータ・フォーマットを標準化し、「#民間支援情報ナビ」を公開しました。公開後も日々機能改善が行われています。
「VS COVID-19 #民間支援情報ナビ」では、
- コミュニケーション
- ワークスタイル(テレワーク含む)
- 医療、福祉
- 宿泊、飲食サービス
- 教育、学習支援
- 生活関連サービス、娯楽
- その他
の7カテゴリに分け、現在で300以上のサービスが掲載されています。
※2020年3月16日現在
各経済界から提供があった資料を、政府が精査したうえで公開されているため、一定の質が担保されていることが強みです。また、集められたサービスのデータはGoogleスプレットシートでも閲覧が可能です。
感染症対策支援サービス一覧Googleスプレッドシートはこちら
検索サイトの開発、公開は、社会課題の解決を目指して技術者が集まり共同開発などを行うシビックテック(Civic Tech:地域の住民自身がテクノロジーを活用して、地域の課題を解決すること。)団体であるCode for Japanが行っています。
経済産業省の担当者によると、今後、新型コロナウイルス対応に関する政府の事業者向け支援情報についても、検索しやすい情報提供サイトを準備予定とのことです。
近年、日本国内では、デジタル・トランスフォーメーションが注目されています。
デジタル・トランスフォーメーションは、企業を取り巻く市場環境に対応し、企業が行うあらゆる経済活動やそれを構成するビジネスモデル、ならびに組織・文化・制度といった企業そのものをAIなどのデジタル技術を活用して変革していく一連の取り組みのことで、経済産業省などが積極的に推し進めています。
新型コロナウイルスの感染拡大とともに問題視されていた朝の満員電車などの問題は、働き方改革の問題としても指摘されていました。新型コロナウイルス感染拡大は、テレワークやリモートワーク、非対面商談(インサイドセールス)ツールなどを活用した柔軟な組織を作るきっかけにもなり、ひいては組織文化を変革し、DXを推し進めることにも繋がります。
また、大地震など有事の際に対応可能な柔軟な企業を作り上げることにも繋がります。
「VS COVID-19 #民間支援情報ナビ」を参考に、できるところからデジタル技術を活用し、新型コロナウイルスの感染拡大の防止、柔軟な組織文化に努めていくべきでしょう。