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Intelligence Design 株式会社と株式会社 FRONTEOは、AIを用いた画像証拠探索ソリューションの提供を開始すると発表しました。画像証拠探索ソリューションの実現により、これまでテキスト以外は目視に頼っていた情報漏えい調査や著作権や意匠権の侵害をめぐる調査の高精度化・効率化を目指します。
顧客データや営業機密、技術情報などさまざまなデータが故意・過失を問わず、組織内の人間によって持ち出されたり、外部からの攻撃によって流出したりする恐れがあります。特に技術情報には、 文章だけでなく多くの写真、図面、意匠などが含まれるため、流出が疑われる際には、流出元と流出先に存在する文書の画像を比較・検討する必要があります。
また技術情報ともなると、文書の中には多数のシステム図、設計図、写真などが含まれることから、証拠探索は容易ではなく非常に多くの時間を要するという課題がありました。
Intelligence Designが有する画像認識ソリューション「IDEA generator」は、静止画や動画感情分析、物体検出に活用されてきました。
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「IDEA generator」を FRONTEO の証拠探索、不正調査に組み込むことに より、従来目視で行ってきた画像の仕分けも AI で迅速に行えるようになるとしています。
両社が共同で提供する画像証拠探索ソリューションの仕組みは以下です。
- 検索対象の画像(部品の図面やシステム図、写真など)を収集し、アノテーション(データの タグ付け)を行い、学習データを作成
- 学習データを IDEA generator に学習させ、個別証拠画像探索AIが構築
- 個別証拠画像探索AIを用いて証拠画像を探索
従来だと膨大な時間が必要な目視での画像確認作業のコスト、対応時間を大幅に削減できます。また、画像証拠探索ソリューションは今後、より迅速な調査を可能とするため FRONTEOが証拠データ解析に使用する、高度なセキュリティが施された環境上に構築予定です。
▼Intelligence Design株式会社 代表取締役 中澤 拓二氏 コメント
Intelligence Design では、誰もが気軽に、ノンプログラミングで AI を活用できるプラットフォーム 『IDEA』を開発・提供しています。今回 FRONTEO が導入する『IDEA generator』は、オリジナルの 画像データを利用して独自の物体認識 AI に効率的に学習させることのできるツールです。 FRONTEO の調査対象には、画像を多く含む文書もあることから、画像認識に強みを持つ IDEA generator が同社の文書レビュー(証拠となる文書を見つける作業)の高精度化、効率化に寄与で きるものと考えています。
株式会社FRONTEO 副社長/リーガルテックAI事業部本部長 池上 成朝氏 コメント
FRONTEOはこれまで、テキスト解析の分野においてはAIを活用して大幅な効率化を実現してきま したが、画像探索は目視に頼らざるを得ないのが実情でした。この度の、Intelligence Designとの協 働によって、テキスト解析を得意とする当社のAIに、画像探索の機能が追加できるようになり、意匠 権をめぐる国内外の訴訟案件への対応など、多くの画像を探索しなければならないディスカバリ業務 (証拠開示支援)、不正調査業務のさらなる効率化・高速化が期待できます。FRONTEOでは今後も 積極的に様々な分野のエキスパートと協働し、リーガルテックAIソリューションの拡充に努めていく所 存です。
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