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紹介されたAI企業は、以下のような5社です。
NVIDIA Inceptionに加入している気候変動問題に取り組む5つの企業
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以上のようにAIは気候変動問題の解決にも貢献しています。近い将来、気候変動問題の直接的な解決を目指さないAIであっても、環境に配慮して開発するのが当たり前になるかも知れません。
なお、以下の記事本文はNVIDIAのコンテンツの二次利用のガイドラインに基づき、AINOWで翻訳したものです。また、翻訳記事の内容は特定の国や地域を代表するものではなく、翻訳者およびAINOW編集部の主義主張を表明したものでもありません。
以下の翻訳記事を作成するにあたっては、日本語の文章として読み易くするために、意訳やコンテクストを明確にするための補足を行っています。
目次
前書き
地球上のさまざまな地域で、深刻な干ばつ、危険な洪水、生物多様性の減少、高濃度な大気汚染などの気候変動問題が紛れもなく生じています。
以上の課題は非常に重大であり、どの国も自力で解決できません。しかし、世界中の革新的なスタートアップが解決への道を照らし、これらの困難な課題をAIでよりよく理解し、対処できることを実証しています。
この記事では最先端のスタートアップ企業を育成するためのプログラムであるNVIDIA Inception(※訳註1)の1万以上のメンバーのうちから選んだ5社が、NVIDIA製品によってアクセレートされたアプリケーションを使ってどのように環境保護に取り組んでいるかを紹介します。
Blue Sky Analytics、気候変動対策のためのクラウドプラットフォームを構築
インドに拠点を置くBlue Sky Analyticsは、衛星データを環境モニタリングや気候リスク評価に利用する地理的インテリジェンスプラットフォームを構築しています。同社は、空気の質を分析したり、火災による温室効果ガスの排出を推定したりするのに使う気候データセットを開発者に提供しています。将来のバイオマス火災(※訳註2)の予測や湖、川、氷河の融解水量の監視に使う追加データセットの提供も準備中です。
以上の事業を展開するのにクラウドベースのNVIDIA GPUを使用しています。同社は(元アメリカ副大統領の)アル・ゴア率いる世界的な連合体であるClimate TRACEの創設メンバーでもあり、高解像度の地球規模の温室効果ガス排出データをほぼリアルタイムで提供することを目的として活動しています。このスタートアップは、火災によって土地利用や土地被覆がどのように変化するかを検証するClimate TRACEの活動をリードしています。
Rhions Lab、コンピュータビジョンで野生動物を保護
ケニアに拠点を置くRhions Labは、人間と野生動物の衝突、密猟、野生動物の違法取引など生物多様性に対する課題にAIを活用して取り組んでいます。同社は(コンピュータビジョンを駆動させる)エッジAIにNVIDIA Jetson Nanoモジュールを採用し、保全プロジェクトを支援しています。
同社のプロジェクトの1つであるXoomeはAIを搭載したカメラトラップで、野生動物、車両、一般人を識別し、密猟の脅威に関する警告を勤務中の野生動物保護官に送るものです。もう1つの取り組みは、音響データ、振動、温度、湿度を捉えるさまざまなセンサーでミツバチの巣箱の様子を測定して養蜂家のコロニーを監視するものです。このプラットフォームは養蜂家がミツバチのコロニーの健康状態を監視し、ミツアナグマ(※訳註4)や人間などの泥棒の脅威からミツバチの巣を守るのに役立ちます。
TrueOceanが予測する海底の炭素回収と貯留
ドイツのスタートアップ企業TrueOceanは地球規模の海事データを分析して、自然の海洋炭素吸収源、再生可能エネルギー、航路最適化に関するイノベーションに使える情報を提供しています。同社はAIを用いて、海草の群生地や海底地質における炭素の吸収と貯留を予測・定量化しています。この予測を利用すれば、地球の海洋の潜在的な炭素貯蔵量を大幅に増やせます。
TrueOceanはNVIDIA DGX A100システムでアクセレートされた連合学習(※訳註5)を含むAIソリューションを使用し、科学者が(炭素を)隔離する作業に伴う予測・監視・管理を行えるように支援します。
ASTERRA、GPUで加速した水漏れ検知で水を節約
イスラエルに拠点を置くASTERRAは、衛星画像を解析して水インフラに関する重要な疑問に答えるAIモデルを開発しました。このモデルはメンテナンス作業員やエンジニアが欠陥のある水道管を見つけたり、地下の湿度を評価したり、水漏れを見つけたりするのに必要な洞察力を実装しています。同社は機械学習アルゴリズムの開発と実行のために、NVIDIA GPUをAmazon Web Servicesを通じて使用しています。
2016年に漏水検知ソリューションを導入して以来、ASTERRAは水道業界が何万もの漏水を特定し、毎年何十億ガロンもの飲料水を節約することに貢献しています。漏水を止めることは地表の汚染を防ぎ、水の浪費を抑え、さらには節電にもつながります。このソリューションにより、発売以来、水道業界のエネルギー使用量を42万メガワット時以上削減した、と同社は推定しています。
Neu.ro、再生可能エネルギーを活用したAIクラウドの提供を開始
AIモデルの学習による二酸化炭素排出量を減らすことも企業の差別化につながります。
この課題を解決するために、サンフランシスコに拠点を置くInceptionのスタートアップNeu.roは、地熱と水力のみで駆動し、フリークーリング(※訳註7)を採用したNVIDIA DGX A100搭載のAIクラウドを立ち上げました。アイスランドに位置するこのデータセンターは、通信、小売、金融、ヘルスケアなどのAIアプリケーションに利用されています。
また、企業がAIプロジェクトの環境への影響を監視するのに役立つGreen AIスイートを開発しました。このシステムによって、開発者チームがパフォーマンスとカーボンフットプリント(※訳註8)のバランスがとれるように計算機使用を最適化できるようにしました。
こちらのリンクからGPU技術が環境プロジェクトなどの社会的インパクトのある応用をどのように推進するかについて、詳しく解説した記事が読めます。AI、データサイエンス、HPCのスタートアップは、こちらからNVIDIA Inceptionに参加申請できます。
原文
『By Land, Sea and Space: How 5 Startups Are Using AI to Help Save the Planet』
著者
SHA SALIAN(NVIDIAコーポレートコミュニケーションチーム所属ライター)
翻訳
吉本幸記(フリーライター、JDLA Deep Learning for GENERAL 2019 #1取得)
編集
おざけん