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近年、新型コロナウイルス(covid-19)の蔓延によって、人々の生活は大きく変化しました。
特に、Eコマースなどのインターネットサービスの需要が高まる中、さまざまなインターネットサービスを展開し、躍進している企業が楽天グループ株式会社(以下、楽天グループ)です。楽天グループは、1997年からECサイト「楽天市場」をはじめ、さまざまなインターネットサービスを展開し、2022年には国内EC流通総額は5兆円に達しています。さらに、2017年には「Rakuten AI Platform」を発表し、AIを活用したビジネスモデルを構築しています。
この記事では、楽天グループがAI分野でどのように活躍しているのか、AI導入や強みなどを解説していきます。
目次
国内EC流通総額5兆円以上|楽天グループの企業概要
国内EC流通総額5兆円以上|楽天グループの企業概要
社名 | 楽天グループ株式会社 |
設立 | 1997年2月 |
所在地 | 〒158-0094
東京都世田谷区玉川1-14-1 |
代表 | 代表取締役会長兼社長 三木谷 浩史
代表取締役副会長執行役員 穂坂 雅之 |
社員数 | 7.390名(楽天株式会社単体、2020年12月31日時点)
23,814名(楽天グループ全体、2020年12月31日時点) |
資本金 | 205,924百万円(2020年12月31日時点) |
イノベーションで世界を変える|楽天グループのビジョン
楽天グループはビジョン「グローバルイノベーションカンパニー」を掲げ、人々が夢を持って幸せに生きられる社会を目指して、さまざまなサービスを展開しています。
楽天グループの公式サイトには、「グローバルイノベーションカンパニー」を達成するための行動指針が紹介されており、世界でイノベーションを起こし続けるためには、何事をも成し遂げようとする高い志が重要としています。
沿革
1997年 2月 | 株式会社エム・ディー・エム(現 楽天グループ株式会社)設立 |
1997年 5月 | インターネット・ショッピングモール『楽天市場』のサービスを開始 |
1999年 6月 | 株式会社エム・ディー・エムより、楽天株式会社(現 楽天グループ株式会社)へ社名変更 |
2002年 11月 | 『楽天市場』内の買い物やサービス利用時にポイントが付与される『楽天ポイント』のサービス開始 |
2004年 11月 | 日本プロフェッショナル野球組織(NPB)による『東北楽天ゴールデンイーグルス』新規参入承認 |
2005年 6月 | 国内信販株式会社(旧 楽天KC株式会社、現 KCカード株式会社)を子会社化、クレジットカード決済サービスの『楽天カード』を発行開始 |
2008年 5月 | 台湾において現地大手小売の統一超商グループとの合弁によりインターネット・ショッピングモール『台湾楽天市場』のサービスを開始 |
2010年 6月 | 最先端インターネット技術の研究・開発をする『楽天技術研究所』を米国・ニューヨークに新設 |
2011年 12月 | 『楽天市場』の年間流通総額が1兆円を突破 |
2014年 11月 | スマートフォンで個人間の売買取引ができるフリマアプリ『ラクマ』の提供を開始 |
2018年 6月 | 近接領域のサービス開発から提供に至るオペレーションにおいて、スピードや生産性を一層高め、より自律的で機動性の高い組織体制を構築するために、5カンパニー体制による組織再編を実施 |
2019年 10月 | 「楽天モバイル」が携帯キャリア事業としてのサービスをスタート |
2020年 9月 | 楽天モバイル」が月額料金そのままで5Gも利用できる新料金プラン「Rakuten UN-LIMIT V」を発表 |
2021年 4月 | 商号を楽天株式会社から楽天グループ株式会社に変更 |
幅広いサービスを展開|楽天グループの強み
楽天グループはAI事業において、どのような強みがあるのでしょうか。
独自のエコシステムによる流通総額の増大
楽天グループはEC、トラベルなどのインターネットサービスをはじめ、フィンテック、モバイルといった幅広い分野でサービスを提供しています。これらのサービスを楽天会員を中心としたメンバーシップを軸に結びつけることで、独自のエコシステムを形成しています。
エコシステム内では、楽天会員は共通のIDでサービスを利用することができます。さらに、ライフシーンを広くカバーできる利便性の高いサービスを提供することで、顧客のエコシステム内への流入拡大や、継続的なサービス利用を促進しています。
このエコシステムによって、多くのユーザ情報に加え、より詳細な購買データを収集でき、一人ひとりのユーザ体験を向上することができます。
全世界ユーザ数15億人以上、70以上のサービスを展開
楽天グループはECやモバイルなどの幅広いサービスを抱え、全世界で15億人以上の膨大なユーザ数を抱えていることが強みになります。
幅広いサービスは、ユーザの日常を取り巻くさまざまなシーンで活用され、そこから膨大なデータ、いわゆる”ビックデータ”が生まれます。
そのビックデータを、AIを駆使して分析することで、人々のライフスタイルや求めるニーズが多様化する中でも、ユーザ体験を向上することができています。
ビックデータ × AIで世界にイノベーションを|RAKUTEN AI PLATFORM
新たなAIビジネスモデルの構築
2016年に楽天グループ内でAI推進部が発足し、グループ全てのサービスにAIを導入することを目標に、「RAKUTEN AI PLATFORM」が誕生します。「RAKUTEN AI PLATFORM」では、多様化する社会のニーズに応えるために、AIとビックデータを駆使したイノベーションを追求し、ユーザに新しい価値の提供を目指しています。
また、楽天市場ではAIによる自動応答サービスが導入済みであり、単純な質問にはAIが24時間365日対応しています。このように、単純な作業にはAIに移行し、ヒトにしかできないクリエイティブ業務の時間を伸ばすことで新たなAIビジネスモデルの構築を推進しています。
そんな楽天グループが次に目指しているAI化フェーズは、「AIによるヒトの意思決定のサポート」です。チャットボットが実際の販売員のように商品の提案・推薦ができる仕組みの構築が進められており、最終的には、複数のAI達が協調し、ヒトのニーズに応える「コラボレーションのAI化」が想定されています。
膨大なユーザのデータから消費行動を予測|Rakuten CustomerDNA / Rakuten AIris – 未来購買予測
4000以上の属性で構成されたデータベース|Rakuten CustomerDNA
Rakuten CustomerDNAは、楽天エコシステムで得られたデータをAIによって4000以上の属性に分類したデータベースです。実際の購入情報など事実に基づいた属性と、ユーザの行動から推計した属性にユーザを分類し、コンバージョンに寄与するターゲット像を描き出します。
Rakuten Alrisは、機械学習を用いた独自のアルゴリズムで消費行動を解析し、購買の見込みがあるユーザを抽出できる「Target Prospecting機能」を備えており、広告配信において精度の高い拡張ターゲティングを可能にします。
2021年7月に楽天は「Rankuten CostomerDNA/Rakuten Airis-未来購買予測」に「※RFM分析」「2集団の比較分析」を追加したと発表しました。
国内EC流通総額10兆円へ
楽天グループは、「楽天市場」の出店店舗向けに毎年開催しているイベント「楽天新春カンファレンス」にて、2022年、国内EC流通総額10兆円への取り組みを発表しました。
国内EC流通総額5兆円を突破
2021年「楽天市場」を中心とする楽天グループの国内EC流通総額が5兆円を突破しました。(図1)
しかし、世界のEC化率は17.8%、中国は40%に達するとも言われています。それに対し、日本は8.1%であり、現状、半分程度にしか満たない状態です。(図1)
そこで楽天グループは、この倍以上の差を埋めるべく、国内のEC化拡大を目標とした、国内EC流通総額10兆円へのプロセスを発表しました。
モバイル・エコシステムからの還流
「楽天モバイル」の契約者は「楽天市場」における月間購入金額が約1.7倍増えるというデータ、「楽天モバイル」ユーザの約60%が「楽天市場」をクロスユースしているデータ(図2)から、今後「楽天モバイル」の契約数が増えるにつれ流通総額が伸びると考えられます。
「楽天モバイル」を中心としたエコシステムの利便性を高めることで、各サービス間のクロスユースをさらに活性化し、さまざまな形でエコシステムを拡大していくようです。
AIによる価格・在庫最適化
楽天グループでは、インターネットショッピングをより合理的な仕組みで行うための、価格・在庫の最適化エンジン「PIOP」が開発されています。(図3)
「PIOP」は、商品の価格、適切な在庫数をAIが自動的に算出し、ビジネスをより大きくするサポートを行います。
また、配送面においても、過疎地、遠隔地にも商品を効率的に運べるように、ドローンや自動配送ロボットによる配送サービスも始まっているようです。
楽天グループ株式会社の採用情報
募集職種
現在楽天グループでは以下の業種・職種の採用を行っています。
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応募概要
試用期間
3ヶ月 |
給与
給与は個人の専門知識や経験、実力に応じて決定されます。
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福利厚生
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休日
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採用フロー
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詳しい採用情報はこちら
まとめ
今回は「楽天グループ株式会社」について紹介してきました。
楽天グループ株式会社は、ECサイト「楽天市場」をはじめ、ユーザの日常生活を広くサポートするサービスを提供している企業です。「10兆円への道」をどのように進んでいくのか、今後の取り組みが気になるところです。
The Playersシリーズでは、AI関連の企業にフォーカスした記事を書いています。さまざまなAI企業を比較することで、成功するAI関連企業の法則が見えてくるかもしれません。
AINOWライター。
大学ではHuman-Agent-Interactionや組織運営について学んでいる。