2023年8月17日、Googleの著名な2人の元研究者、リオン・ジョーンズ氏(後にChatGPTの基盤となった深層学習アーキテクチャである「Transformer」を紹介した論文「Attention Is All You Need」の共著者の一人)とデビッド・ハー氏が、新しい企業「Sakana.ai」を東京で設立したことを発表した。
両氏は、現在の生成AIモデルの限界は、建築物のように脆弱で変更不能な構造として設計されていることによることが原因だと、Financial Timesに語った。
また、ジョーンズ氏は米CNBCに対して、「Googleは、全社をこの1つのテクノロジーに集中させているが、それは非常に制限的な枠組みであるためイノベーションはより困難である」と述べている。
Sakana AIのWebサイトに「自然からインスピレーションを得たインテリジェンスに基づいた新しいタイプの基礎モデルを開発する」とあるように、従来の生成系AIとは異なる設計の独自の生成AIモデルを構築を目指していると思われる。
また、新企業の名前は、日本語の「魚」に由来する「Sakana」を使っており「魚の群れが集まり、単純なルールから一貫した存在を形成する」というアイデアを連想させることを目指しているということからも、新たなタイプのAIモデルを作成を目指すことが伺える。
東京を拠点とした理由として、同社は北米での研究者の獲得競争を回避するためと、高度な教育を受けた労働力を有し、国際的な都市であるため、多国籍な人材にとっても魅力的な環境であることを挙げている。