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「SFAの導入メリットや事例を知りたい」という方は多いのではないでしょうか?SFAの導入メリットや事例を知ることで、「上層部や営業現場のSFA導入に関する不安を払拭できる」といったメリットがあります。
そこで今回は、SFAの導入目的や成功事例について初心者の方にもわかりやすく解説します。
目次
SFAとは?|SFAの導入率
「SFA」とは、「Sales Force Automation」の略称で、営業支援システムと訳されます。つまり、営業活動を“見える化”するツールのことです。
具体的には、営業が商談を開始してから受注するまでの進捗状況を“見える化”し、その活動を管理することがSFAの役割です。
▶SFAの概要についてこちらの記事で詳しく解説しています>>
▶SFAとCRMの違いについてはこちらの記事で詳しく解説しています>>
気になるSFAの導入率
近年さまざまな企業でSFAが導入されていますが、実際どのぐらいの企業が導入しているのでしょうか。
出典:SaaSの利用率と次回システム更新時のSaaS導入予定(矢野経済研究所)
国内の民間企業を対象にした矢野経済研究所のアンケートによると、2012年時点でSFAやCRMなどを導入している企業は9%でした。しかし、同じアンケートを2018年に行うと28%がSFA導入済みという結果になり、数年間で市場規模が拡大していることがわかります。
SFAの導入目的3つ
事前にSFAの導入目的を明確にすることで、導入後うまく活用されず費用が無駄になる事態を防げます。そこで、SFAの代表的な導入目的3つを紹介します。
導入目的1.売上アップ
SFAを導入する最大の目的は、売上の向上です。
SFAの導入により、顧客情報や活動情報・案件の進捗状況をもとに営業活動を詳しく分析できます。そのため、今まで把握されていなかった営業活動上の問題点が明確になり、商談や案件の取りこぼしが削減され、売上アップにつながります。
ただし、SFAはあくまで営業活動の進捗状況を見える化するツールのため、導入すれば必ず売上がアップするものではない点に注意しましょう。
導入目的2.営業活動の管理
SFAの導入により、各パソコンに散らばっていた営業活動の情報が1つに集約されます。そのため、担当者が不在の時も案件・商談の進捗状況を簡単に把握でき、スムーズな顧客対応が実現できます。
さらにSFAの導入により、営業担当別・商材別・案件別・チーム別・業種別など多角的にデータを集計・分析できます。そのため、営業マンが苦労しているポイントや失注に至った原因を特定しやすくなり、課題解決に向けて最適な戦略を立てやすくなるでしょう。
導入目的3.ノウハウの蓄積・標準化
SFAの導入により、過去の訪問記録や提案内容・商談情報などの顧客情報を共有できるようになります。そのため、過去の事例と似た案件に臨む際のヒントを得られ、より的確なアプローチが可能になります。
また、SFAはベスト・プラクティス(もっとも有効な営業手法)も抽出できます。例えば、受注に至った全案件のデータを分析し、そこから成功法則を見つけられるのです。
その結果、各営業マンのスキル向上・営業部門全体の業績アップにつながるでしょう。
▶営業におけるDXの推進方法ついてはこちらの記事で詳しく解説しています>>
SFAのデメリット2つ
「SFAのメリットだけでなく、デメリットも把握したうえで導入するか決めたい」と思う方も多いのではないでしょうか?SFAの代表的なデメリットは、「ITコストの発生」と「入力業務の時間」です。
デメリット1.ITコストの発生
SFAの導入にあたる、ITコストの発生はデメリットの一つです。しかし、コスト以上にSFAを導入する効果の方が大きいのも事実です。
そこで、対策としてSFAの導入前に自社の課題を洗い出し、必要な機能を決めたうえでツールを選ぶことが大切です。この作業により、自社に不要な機能を備えたSFAツールを導入し、無駄に高額な費用を払わずに済みます。
デメリット2.入力業務に時間がかかる
SFAのデメリットとして、営業活動を入力する時間がかかることが挙げられます。情報を細かく入力しようとすると、入力1件につき10分間、6件営業すると1時間かかってしまいます。
特に、導入初期はSFAツールに慣れることに時間がかかります。この点は頭に入れておきましょう。
SFAの機能5つとその効果
SFAの導入目的やデメリットを把握した後は、どんな機能があるのかをチェックし、導入するか否かの判断材料にしましょう。
今回紹介するSFA機能は以下の5つです。
SFAの機能1.顧客管理
顧客管理機能とは、詳細な顧客情報を登録し、社内で共有できる機能です。顧客管理の具体的な項目は、会社名・所在地・電話番号・担当者・役職などの基本情報から、顧客との接触履歴などの情報まで多岐にわたります。
顧客管理機能により、商談前に顧客理解を深め、商談を有利に進められるでしょう。
SFAの機能2.案件管理
案件管理機能は、進行中の案件を見える化・管理できる機能です。案件管理の具体的な項目は、営業先企業・営業担当・提案商品・営業の進捗状況・受注見込み・受注予定日・受注見込額です。
案件管理機能により、営業マネージャーはSFAで案件情報を見れば、各営業マンの詳細な営業活動が把握できます。そのため、各営業マンに適切なタイミングでフィードバックでき、営業マンのスキルアップにつながります。
SFAの機能3.商談管理
商談管理機能は、商談に関する詳細な情報を管理できる機能です。商談管理の具体的な項目は、過去の商談履歴・商談の目的・商談時間・商談相手(担当者)・決裁者・提案書・提案金額・商談の進捗状況・次回アクション予定などです。
商談管理機能により、営業マネージャーが個々の商談の経緯や進捗を把握できるため、提案金額の調整や次回アクションのアドバイスなど、受注を獲得するための的確な指示ができます。
SFAの機能4.プロセス管理(行動管理)
プロセス管理機能は、営業マンの行動状況を管理し、生産性をアップさせる機能です。プロセス管理の具体的な項目は、テレアポのコール数・アポイント数・訪問数・提案商材数・受注率などです。
プロセス管理機能により、成績のよい営業マンと伸び悩んでいる営業マンの行動を数値化して比較できるため、改善すべき点を的確にフィードバックできるでしょう。
SFAの機能5.予実管理
予実管理機能とは、売上予測・売上実績をデータ化し、分析できる機能です。
予実管理機能により、各営業マンの売上や部署ごとの売上だけでなく顧客別・商品別など多角的に売上を把握できます。そのため、売上アップのための対策を迅速に立てられます。
SFAの導入に失敗しない3つのポイント
「なるべくスムーズにSFAの導入を成功させたい」と思う方も多いかと思います。そこで、SFAの導入における失敗事例と、導入に失敗しないポイントを解説します。
今回紹介するポイントは以下の3つです。
ポイント1.SFA導入の目的を営業担当者と共有する
SFAの導入において、事前に導入目的を営業担当者と共有することが大切です。なぜなら、目的が曖昧な状態でSFAを導入し、失敗する事例が多いためです。
近年SFAを導入する企業が増えている影響で、SFAをなんとなく導入してしまい、結果社内で活用されなかったという事態が起きています。
そこで、まずは自社の営業部門の課題を把握し、SFAの導入によりどう解決できるのかを明確にしましょう。その後は、実際にSFAツールを利用する営業担当者ヘの共有も忘れずに行いましょう。
ポイント2.自社との相性を考慮してSFAを選ぶ
SFA導入のよくある失敗事例として、知名度のみをサービス選定の判断基準としたり、とにかく多機能なサービスを選んだりすることが挙げられます。その結果、導入したSFAが現場のニーズとマッチせず、活用されない事態が起きています。
対策として、自社に本当に必要な機能を洗い出し、ツールの使用感については現場の意見を参考にしつつ検討しましょう。これにより、不要な機能をもつSFAツールの導入で発生する費用を削減でき、現場とのミスマッチも防げるでしょう。
ポイント3.社内でSFA運用体制を整える
SFAの導入を成功させるためには、現場で運用体制を整えることが必須です。もし運用体制が整えられていなければ、SFAツールの利用で不明点があった場合にどこに問い合わせるべきかわからず、現場を大きく混乱させかねません。
そこで、事前にSFA導入のプロジェクトチームを発足し責任者を決めておくと、社内での問い合わせ先がわかりやすく、スムーズな運用を実現できるでしょう。
SFAの導入ステップ5つ
SFAの導入ステップは以下の5つに分けられます。
ステップ1.プロジェクトチームの発足
SFAの導入前にまずすべきことは、SFAの運用体制を整えることです。
前述した通り、事前にSFA導入のプロジェクトチームを発足し責任者を決めておくと、社内での問い合わせ先がわかりやすく、スムーズな運用を実現できます。
ステップ2.導入目的の明確化・共有
SFAのプロジェクトチームを発足した後は、導入目的を明確にし、営業担当者へ共有しましょう。SFAの導入に失敗しない3つのポイントでもお伝えしましたが、導入目的が曖昧なままだと現場でうまく活用されず、費用が無駄になる可能性があります。
そのため、自社の営業部門の課題を把握し、その課題解決にSFAが必要な理由を明確にすることが大切です。導入目的が明確になった後は、実際にSFAツールを利用する営業担当者への共有により、スムーズな導入につながります。
ステップ3.SFAツールの要件定義
SFAツールを選定する前に、スケジュールや予算・SFAツールの要件(提供形態)を検討しましょう。
スケジュールの目安は、SFAツールの選定から契約までに3ヶ月、契約から運用を開始するまでに2ヶ月の計5ヶ月程度です。そして、提供形態は利便性を優先するならクラウド、セキュリティを重視するならオンプレミスがおすすめです。
また、自社に必要な機能も洗い出しましょう。「とりあえず多機能なツールを選べば安心」と思う方もいるかもしれませんが、多機能なツールほど値段が高くなります。そのため、自社に必要な機能を洗い出し、費用をなるべく削減することをおすすめします。
ステップ4.SFAツール選定
導入目的が明確になり、SFAツールの要件も定義できた後は、自社に適したSFAツールを選定しましょう。このステップでのポイントは、ツールの使用感については実際にSFAを利用する現場の意見を参考にすることです。
SFAツールを導入した後、現場から「使いづらい」という反応があれば、うまく活用されずに終わってしまうかもしれません。そのため、現場の意見を参考にしながらSFAツールを選ぶことをおすすめします。
▶SFAツールについてこちらの記事で比較・紹介しています>>
ステップ5.SFAツールの導入
SFAの運用初期は、利用者を対象とした研修(業務フロー確認・操作指導・営業マネージャー向け研修)を実施するのが一般的です。また、現場からのフィードバックやSFAの運用についての質問を迅速に受け付けられるよう、プロジェクトチームによる社内ヘルプデスクも設置しましょう。
【初心者必見】SFAのおすすめ書籍
ここまでSFAの導入目的や導入ステップなどについて解説しましたが、より深い知識を得たい方におすすめなのが書籍です。そこで、初心者の方でもわかりやすい書籍を1冊紹介します。
SFA・CRM 導入効果を最大化するために営業パーソン全員が知るべきこと
本書は、SFA・CRMの導入を成功させるために現場の営業マンが理解すべきことをわかりやすく解説しています。また、営業マンや企業の情報活用力を高める方法も紹介しています。
SFA・CRMの導入を決めたら、まずは現場の営業マンに読んでいただきたい一冊です。
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SFAの導入目的を明確にしてから導入しよう
今回は、SFAの導入目的や成功事例を初心者の方にもわかりやすく解説しました。SFAを導入する前に導入目的を明確にし、社内全体に共有することでスムーズに導入できるでしょう。