
現場から「Codexを会社で使いたい」と相談されたものの、どこの会社のサービスで、どのプランを契約すればよいのか迷っていませんか。本記事では、CodexをChatGPTの法人プランで導入する方法と、社内で安全に広げる5ステップを、稟議にそのまま使える形で解説します。
エンジニアが個人のPlusプランでCodexを使い始めていて、社内のコードがどう扱われているか把握できていない。情シスやDX推進の担当者にとって、よくある悩みでしょう。
CodexはOpenAIが提供するAIエージェントで、会社で使うならChatGPT BusinessかChatGPT Enterpriseの法人プランで契約するのが基本です。個人契約のまま放置すると、情報管理とコストの両方が見えなくなります。
本記事では、法人プラン2種類の違いと選び方、導入の5ステップ、SSOや利用上限などの管理機能を中心に、国内企業の導入事例とあわせて整理します。
読み終えるころには、自社に合うプランを選び、稟議とパイロット導入の準備に着手できる状態になっているはずです。まずはCodexの基本から確認していきましょう。
目次
Codexを会社で使う前に押さえたい3つの基本
Codexを会社で使う前に押さえたい基本は以下の3つです。
- CodexはOpenAIが提供するAIエージェント
- 会社で使うと個人利用とデータの扱いが変わる
- 開発部門以外でも会社での利用が広がっている
前提を押さえておくと、次に解説するプラン選びで判断を誤らずに済みます。
CodexはOpenAIが提供するAIエージェント
Codex(コーデックス)は、ChatGPTを開発している米国のOpenAIが提供するAIエージェントです。
名称自体は、OpenAIが2021年に発表したコード生成モデルに由来します。2025年5月に、指示を受けてコードの作成や修正を自律的に進めるAIエージェントとして新たに登場しました。
チャットで回答を返すだけのChatGPTと違い、Codexはファイルを読み書きし、テストを実行して作業を完了させます。ChatGPTアプリ、ターミナル、VS Codeなどのエディタから使えます。
提供元がChatGPTと同じOpenAIのため、既存のChatGPT法人契約の延長で導入を検討できる点が、社内調整を進めるうえでの強みです。
会社で使うと個人利用とデータの扱いが変わる
同じCodexでも、個人プランと法人プランでは入力データの扱いが異なります。
OpenAIは、ChatGPT BusinessやChatGPT Enterpriseの入力・出力を、初期設定でモデルの学習に使わないと公表しています。一方、PlusやProなどの個人プランでは、利用者自身がデータ管理の設定を変えない限り学習に使われる可能性があります。
さらに法人プランでは、管理者がメンバーの追加や削除、利用できる機能、利用量の上限を一元管理できます。個人契約の経費精算では、誰がどのデータを渡したのかを会社として追えません。
法人プランを選ぶことは、情報漏えいの責任を個人任せにしない仕組みを買うことでもあります。
出典:Business data privacy, security, and compliance(OpenAI)
開発部門以外でも会社での利用が広がっている
Codexはエンジニア向けのツールと思われがちですが、非エンジニアの利用が急速に伸びています。
OpenAIによると、アナリストやマーケター、デザイナー、リサーチャーなどの非開発者が、Codex利用者全体の約20%を占めています。非開発者の利用者は、開発者の3倍以上の速さで増えています。
出典:Codex for every role, tool, and workflow(OpenAI)
Excelデータの集計、レポート作成、フォルダ内のファイル整理など、ファイルを扱う定型業務はCodexに任せやすい領域です。開発部門だけを対象に契約すると、他部署からの要望が後から噴き出します。
導入の初期段階から全社での利用を視野に入れておくと、プランや席数を後から組み直す手間を減らせます。
Codexを会社で使える法人プランは2種類
Codexを会社で使える法人プランは、ChatGPT BusinessとChatGPT Enterpriseの2種類です。
| 項目 | ChatGPT Business | ChatGPT Enterprise |
|---|---|---|
| 対象規模 | 2〜200席 | 全社展開する大企業 |
| 料金 | ・Standard:月25ドル(年払いで月20ドル) ・Premium:月125ドル(年払いで月100ドル) | 要問い合わせ |
| Codexの利用 | Standard・Premiumの両席で利用可 | ChatGPT席で利用可 |
| Codex専用シート | 対象ワークスペースで利用可 | 利用可 |
| 主な管理機能 | メンバー・席種の管理、利用上限 | SCIM、権限管理、監査ログなど |
料金は1ユーザーあたり・米ドル表記・税別(2026年9月時点)
席数と管理機能の要件で向き不向きが分かれるため、それぞれの特徴を確認しましょう。
ChatGPT Business:数名〜数百名の会社向け
ChatGPT Businessは、2席から200席までの会社やチームで使える法人プランです。
席種はStandardとPremiumの2種類で、どちらもChatGPT WorkとCodexを利用できます。Premiumの利用量はStandardの5倍で、5時間ごとの利用制限もありません。1つのワークスペースで両方の席種を混在させられます。
たとえば、Codexを毎日使う開発者だけをPremiumにし、資料作成が中心の社員はStandardにする配分が可能です。管理画面から申し込めるため、営業担当との商談を待たずに始められます。
なお、2026年8月24日以降に作成したワークスペースは、有料席の合計が200席までです。200席を超える見込みがあるなら、最初からEnterpriseを検討しましょう。
出典:ChatGPT Business: General FAQ(OpenAI Help Center)
出典:Premium seats are coming to ChatGPT Business(OpenAI)
ChatGPT Enterprise:全社展開する大企業向け
ChatGPT Enterpriseは、数百〜数万人規模で全社展開する企業向けの法人プランです。
料金は公開されておらず、OpenAIの営業担当との個別契約になります。SCIMによるアカウントの自動連携、部署ごとの権限設定、監査ログの出力など、情シスが求める統制機能がそろっています。
席には、ChatGPTとCodexを両方使える通常の席と、Codexだけを使う専用シートがあります。クレジット制の料金体系を選ぶと、固定の利用制限を受けずに利用量に応じて拡張できます。
後述するNTTデータグループやシンプレクスも、Enterpriseを基盤にCodexを展開しています。監査対応や社内規程の要件が厳しい会社ほど、Enterpriseが有力な選択肢になるでしょう。
出典:Flexible pricing for the Enterprise, Edu, and Business plans(OpenAI Help Center)
Codexの法人プランは3つの基準で選ぶ
Codexの法人プランを選ぶ基準は以下の3つです。
- 利用する人数と部署
- 求められるセキュリティと管理の水準
- 利用量と課金の方式
3つの基準で検討した経緯を残しておくと、稟議で「なぜこのプランか」と問われても答えられます。
利用する人数と部署
最初に確認すべきは、1年後までに何人がCodexを使う見込みかです。
ChatGPT Businessの上限は200席のため、全社展開を見込む会社では途中でEnterpriseへの移行が必要になります。移行時には、ワークスペースの設定や社内ルールを組み直す手間が発生します。
開発部門の数十名から始め、成果が出たら営業や管理部門に広げる計画なら、Businessで小さく始めるのが現実的です。反対に、全社で数千名の利用が決まっているならEnterpriseから入るべきでしょう。
部署ごとの利用予定を一覧にしておくと、席数の見積もりと席種の配分を同時に固められます。
求められるセキュリティと管理の水準
次に、社内の情報セキュリティ規程が求める管理機能を洗い出します。
入力データを学習に使わない点は、BusinessとEnterpriseで共通です。差が出るのは、アカウントの自動連携、部署単位の権限設定、監査ログの出力といった統制機能の範囲です。
退職者のアカウントを自動停止したい、利用ログをSIEMに取り込みたいといった要件があるなら、Enterpriseが前提になります。金融や医療など監査が厳しい業種ではとくに重要です。
情シスとセキュリティ部門に必須要件と望ましい要件を分けて確認しておくと、過剰なプランを選ぶ失敗を防げます。
利用量と課金の方式
3つ目の基準は、社員ごとの利用量の差に合った課金方式を選べるかです。
Codexは長い作業を任せるほど多くのトークンを消費するため、毎日使う開発者と月に数回使う社員で利用量が大きく変わります。全員に同じ席を配ると、枠が余る人と足りない人が生まれます。
Businessでは、利用量の多い人をPremium席にする配分が可能です。対象ワークスペースでは、固定の席料金がなく利用したトークン分だけ課金されるCodex専用シートも選べます。
Codex専用シートの提供条件は時期によって変わるため、契約前に管理画面か営業担当に確認しましょう。固定費と従量課金を組み合わせると、コストの予測が立てやすくなります。
出典:Codex now offers pay-as-you-go pricing for teams(OpenAI)
Codexを会社に導入する5ステップ
Codexを会社に導入する流れは以下の5ステップです。
- 導入の目的と対象業務を決める
- プランと席数を決める
- 社内ルールと権限を整備する
- パイロット部署で試す
- 効果を測って全社に広げる
順番を飛ばして全社に配ると、ルールが追いつかず利用が止まる原因になります。
【ステップ1】導入の目的と対象業務を決める
最初に、Codexで何の工数を減らしたいのかを言葉にします。
目的が曖昧なまま契約すると、効果を測る基準がなく、次年度の予算を説明できません。「テストコード作成の時間を減らす」「障害調査を早める」のように、業務単位で目的を置きましょう。
対象業務は、繰り返しの頻度が高く、成果物を人が確認しやすいものから選びます。開発部門ならテスト作成やコードレビュー、管理部門ならデータ集計やレポート作成が候補です。
目的と対象業務をセットで決めておくと、稟議書の「導入効果」欄をそのまま埋められます。
【ステップ2】プランと席数を決める
目的が決まったら、前述の3つの基準でプランと席数を決めます。
最初から全社分の席を買う必要はありません。パイロット部署の人数分から契約し、利用状況を見て席を追加するほうが、使われない席への支払いを防げます。
Businessの場合、Codexを多用する人はPremium、それ以外はStandardと配分を決めます。費用の試算では、月額料金に加えて、上限を超えたときに消費するクレジットの予算も見込んでおきましょう。
席数と予算の上限を先に決めておくと、想定外の請求で経営層から指摘される事態を避けられます。
【ステップ3】社内ルールと権限を整備する
席を配る前に、Codexに渡してよい情報と与える権限を社内ルールとして決めます。
ルールに入れる項目は以下のとおりです。
- Codexに渡してよい情報と禁止する情報
- Codexが操作してよいフォルダやリポジトリの範囲
- 成果物を社外に出す前の確認と承認の流れ
- 個人プランでの業務利用の扱い
Enterpriseでは、管理者が設定ファイル「requirements.toml」を配布し、サンドボックスや承認の設定を社員が勝手に緩められないように固定できます。ルールを文書だけでなく設定で強制すると、運用の抜け漏れを防げます。
出典:Managed configuration(OpenAI)
【ステップ4】パイロット部署で試す
ルールが整ったら、1〜2部署に限定して1〜3か月ほど試します。
パイロット部署には、新しいツールへの抵抗が少なく、成果を数字で示しやすい部署を選びます。開発部門の1チームや、データ集計の多い経営企画部門などが向いています。
期間中は、作業時間の変化、成果物の修正回数、ルール上の疑問点を記録してもらいます。現場から出た疑問はFAQとして社内ルールに追記し、全社展開の前に解消しておきましょう。
パイロットで得た社内の実績は、他部署を説得するときの最も強い材料になります。
【ステップ5】効果を測って全社に広げる
最後に、パイロットの効果を数字でまとめ、対象部署を段階的に広げます。
測る指標は、利用者数、業務時間の短縮、成果物の品質、ルール違反の有無の4つが基本です。事前に決めた基準を満たしたら次の部署へ進む、という判断基準を置くと展開が止まりません。
全社展開では、使い方の研修と相談窓口を用意します。サイバーエージェントのように、OpenAIの研修やハンズオンを活用して社員の習熟を早める方法もあります。
効果を月次で経営層に報告する仕組みにすると、Codexへの投資を継続する根拠を示し続けられます。
Codexを会社で統制する4つの管理機能
Codexを会社で統制するために使える管理機能は以下の4つです。
- SSO・SCIM
- 権限管理
- 利用上限
- 監査ログ
情シスがどこまで統制できるかを知っておくと、セキュリティ部門との調整が早く進みます。
SSO・SCIM:アカウントを一元管理する
SSOとSCIMは、社員のアカウントを会社の認証基盤と連動させる機能です。
SSO(シングルサインオン)を使うと、社員は会社のID基盤でログインします。SCIM(スキム)はID基盤と社員名簿を同期し、入社時のアカウント作成と退職時の停止を自動化する仕組みです。
手作業でアカウントを管理すると、退職者のアカウントが残り続けるリスクがあります。OktaやMicrosoft Entra IDなどのID基盤を使っている会社なら、既存の運用にCodexを組み込めます。
アカウント管理を自動化すれば、情シスの作業負担を増やさずに利用者を広げられます。
出典:New compliance and administrative tools for ChatGPT Enterprise(OpenAI)
権限管理:使える機能を部署ごとに分ける
ChatGPT Enterpriseでは、グループごとにCodexを使えるかどうかを設定できます。
RBAC(ロールベースのアクセス制御)という仕組みで、独自のロールを作成し、ChatGPT Work、Codex、外部ツール連携などの権限を部署単位で割り当てます。
たとえば、パイロット期間は開発部門のグループだけにCodexを開放し、ほかの部署はChatGPTのみにする運用が可能です。外部ツールとの連携も、承認したものだけに絞れます。
権限を段階的に開放していけば、ルールの浸透と利用の拡大を同じペースで進められます。
出典:Role Based Access Controls for ChatGPT Enterprise(OpenAI Help Center)
利用上限:クレジットの使いすぎを防ぐ
利用上限の設定は、従量課金による想定外の請求を防ぐ機能です。
法人プランでは、席の利用枠を超えた分やCodex専用シートの利用分を、ワークスペースのクレジットから消費します。クレジットは100万トークンあたりの単価で計算されます。
管理者は、席種ごとやユーザーごとに月間のクレジット上限を設定できます。まず低めの上限を置き、週次で利用量を確認しながら緩める運用にすると、予算超過を防げます。
上限の設定方法を経理部門と共有しておくと、毎月の請求額を事前に説明できる状態を保てます。
出典:ChatGPT Rate Card(OpenAI Help Center)
監査ログ:使われ方を可視化する
監査ログは、誰がいつCodexをどう使ったかを会社として記録する機能です。
ChatGPT Enterpriseでは、Compliance Logs Platformから管理者の操作履歴、ログイン履歴、Codexの利用ログなどを出力できます。
出力したログは、DLP(情報漏えい対策)やSIEM(セキュリティ監視基盤)などの既存ツールに取り込めます。問題が起きたときに経緯を追えるため、監査部門への説明も容易です。
ログは統制だけでなく、部署別の利用状況を把握して展開計画を見直す材料としても活用できます。
出典:OpenAI Compliance Platform for Enterprise and Edu customers(OpenAI Help Center)
Codexを会社で使うときの4つの注意点
Codexを会社で使うときの注意点は以下の4つです。
- 個人プランの持ち込みを放置しない
- 機密情報を渡す範囲を決める
- ファイル操作の権限を与えすぎない
- 成果物は人が最終確認する
いずれも見落とすと、情報漏えいや品質事故に直結します。
個人プランの持ち込みを放置しない
もっとも注意すべきは、社員が個人契約のCodexを業務に使い続ける状態です。
個人プランでは、会社が利用状況やデータの設定を確認できません。学習に使わない設定がオフのままでも、会社側は気づけない状態になります。
法人プランを導入したら、業務での個人プラン利用を禁止する旨を社内ルールに明記し、法人アカウントへの移行期限を設けましょう。経費精算の申請からも、個人契約の実態を把握できます。
移行を徹底すれば、管理外のAI利用が残るリスクを解消できます。
機密情報を渡す範囲を決める
法人プランでも、Codexに渡してよい情報の範囲は社内で決める必要があります。
学習に使われない設定であっても、データはOpenAIのサービス上で処理されます。個人情報や顧客の契約情報を扱う場合は、社内規程や顧客との契約で外部サービスへの提供が認められているかを確認しなければなりません。
「顧客名簿、契約書、パスワードやAPIキーを含むファイルは渡さない」のように、禁止情報を具体例で列挙すると現場が迷いません。
判断に迷う情報は情シスに相談する窓口を用意しておくと、現場が萎縮せずに使い続けられます。
ファイル操作の権限を与えすぎない
Codexはファイルを直接書き換えるため、操作できる範囲を広げすぎると事故につながります。
本番環境のデータベースや共有フォルダ全体を操作できる状態で作業を任せると、意図しない削除や上書きが起こりえます。Codexは作業フォルダ内だけを編集できるサンドボックスで動かすのが基本です。
フォルダ外への書き込みやネットワーク接続が必要な操作では、実行前に人の承認を求める設定にしておきましょう。Enterpriseでは、管理者がこの設定を全社で固定できます。
最小限の権限から始めることで、万一のミスが起きても影響を作業フォルダ内にとどめられます。
出典:Agent approvals & security(OpenAI)
成果物は人が最終確認する
Codexの成果物は、必ず人が確認してから本番や社外に出す運用にします。
Codexはテストを実行して動作を確かめますが、要件の読み違いやセキュリティ上の問題を見落とすことがあります。集計レポートでも、元データの解釈を誤るケースはゼロではありません。
コードはプルリクエストで担当者がレビューし、資料は数値の元データと突き合わせる手順をルールに入れましょう。サイバーエージェントも、最終的な意思決定の責任は人が持つ方針で運用しています。
確認の工程を残しておけば、誤った成果物を上司や顧客に出す事態を防げます。
Codexを導入した会社の事例
Codexを導入した国内企業の事例として、以下の3社を紹介します。
- NTTデータグループ
- サイバーエージェント
- シンプレクス
いずれもOpenAIが公式に公開している事例で、社内説明の根拠として引用できます。
NTTデータグループ:障害解析を3日から30分に短縮
NTTデータグループは、重要システムの障害解析を3日から30分に短縮しました。
従来は経験豊富なエンジニア5人が3日かけていた複雑な障害解析を、Codexで自動化した結果です。この成果が経営層の注目を集め、Codexの可能性を示す初期の実績になりました。
同社は全社で導入していたChatGPT Enterpriseを土台に、技術職と非技術職を含む約9,000人へCodexを展開しています。
先に1つの業務で目に見える成果を出し、その実績をもとに展開を広げた流れは、パイロットから全社展開へ進める際の参考になるでしょう。
出典:NTT DATA Group cuts incident analysis to 30 minutes with Codex(OpenAI)
サイバーエージェント:研修とハンズオンで全社に浸透
サイバーエージェントは、ChatGPT EnterpriseとCodexを広告・メディア・ゲームの各事業で活用しています。
ChatGPT EnterpriseをAI環境の基盤にし、セキュリティと管理機能に支えられた形で社員が安心して使える状態を整えました。Codexは設計の議論、コードレビュー、ドキュメント作成の効率化に使われています。
浸透を後押ししたのが、OpenAIと開催した研修とワークショップです。入門講座からCodexのハンズオン、社内ハッカソンまで10回以上開催し、各回に100人以上が参加しました。
契約して終わりにせず、学ぶ機会を短期間に集中して用意することが、全社での定着を早める鍵です。
出典:CyberAgent moves faster with ChatGPT Enterprise and Codex(OpenAI)
シンプレクス:設計からテストまでCodexを活用
シンプレクスは、Codexを主力のコーディングエージェントに選定し、開発の進め方そのものを見直しています。
同社は2023年にAI活用の専門組織を設け、社員がAIを使う土台づくりを進めてきました。そのうえでChatGPT Enterpriseを全社に導入し、Codexを開発の中心に据えています。
Codexの用途は以下のとおりです。
- 設計書と参照実装からのコード生成
- 単体テストなどのテストコード作成
- 非機能要件のレビューと修正
- 結合テストで見つかった不具合の修正
人は最終判断と品質の責任に集中し、実装やレビュー、修正はAIが担う役割分担が現場で明確になりつつあります。人とAIの役割分担を先に設計する考え方は、導入後の体制づくりに役立ちます。
出典:Simplex rethinks software development with Codex(OpenAI)
Codexの会社導入に関するよくある質問
Codexの会社導入に関する質問は以下の4つです。
- 株式会社Codexとは関係がある?
- 会社で使うと入力データは学習される?
- Codexで作ったコードは商用利用できる?
- Claude CodeやGitHub Copilotとどちらを導入すべき?
質問に対する回答を確認して、社内での説明や稟議の準備に役立ててください。
株式会社Codexとは関係がある?
本記事で解説しているCodexは、OpenAIが提供するAIエージェントの製品名です。
国内には、Web制作会社の株式会社Codexなど、同じ名前や似た名前の企業が複数あります。これらはOpenAIのCodexとは別の会社です。
OpenAIのCodexを契約する場合、窓口はChatGPTの公式サイトかOpenAIの営業担当です。社内で検索するときは「OpenAI Codex」と指定すると、情報を探しやすくなります。
会社で使うと入力データは学習される?
ChatGPT BusinessとEnterpriseでは、入力と出力は初期設定でモデルの学習に使われません。
OpenAIは、BusinessやEnterprise、APIなどの法人向けサービスのデータを、学習やモデル改善に使わないと公表しています。
ただし、社員が個人プランで使う場合はこの限りではありません。業務利用を法人アカウントに統一することが、データ保護の前提です。
出典:Business data privacy, security, and compliance(OpenAI)
Codexで作ったコードは商用利用できる?
OpenAIの規約では、Codexで生成した出力の権利は利用者に帰属し、商用利用できます。
ただし、生成されたコードが既存のオープンソースのコードと似ている可能性はあります。製品に組み込む前に、ライセンス違反や脆弱性がないかを確認する工程が必要です。
ライセンスの確認ツールや脆弱性スキャンを開発フローに組み込んでおくと、商用利用の判断を個人任せにせずに済みます。
出典:Business terms(OpenAI)
Claude CodeやGitHub Copilotとどちらを導入すべき?
ChatGPTの法人契約がすでにあるなら、Codexから検討すると追加の調整が少なく済みます。
CodexはChatGPTの法人プランに含まれるため、アカウント管理やセキュリティ審査を既存の契約の延長で進められます。一方、GitHubで開発を管理している会社ならGitHub Copilot、Anthropicの法人契約があるならClaude Codeが導入しやすいでしょう。
ツールの性能差は更新のたびに変わります。パイロットで複数ツールを同じ業務で比較すると、自社に合うツールを客観的に選べます。
Codexの会社導入は法人プランと小さなパイロットから始める
OpenAIのCodexを会社で使うなら、ChatGPT BusinessかEnterpriseの法人プランで契約するのが基本です。200席までならBusiness、全社展開や厳しい監査要件があるならEnterpriseが候補になります。
導入は、目的の設定、プランと席数の決定、ルールと権限の整備、パイロット、全社展開の5ステップで進めます。SSO、権限管理、利用上限、監査ログを組み合わせれば、情報管理とコストを会社として統制できます。
まずは、社内で個人プランのCodexを使っている社員がいないかを確認し、パイロット部署の候補を1つ決めるところから始めてみてください。
一方で、ツールを契約しても社員が使いこなせなければ投資は回収できません。全社で活用を定着させる研修や推進体制をどう用意するかが、次の課題になるでしょう。
出典・参考リンク
- OpenAI「Business data privacy, security, and compliance」 https://openai.com/business-data/
- OpenAI「Codex for every role, tool, and workflow」 https://openai.com/index/codex-for-every-role-tool-workflow/
- OpenAI Help Center「ChatGPT Business: General FAQ」 https://help.openai.com/en/articles/8542115-chatgpt-business-general-faq
- OpenAI「Premium seats are coming to ChatGPT Business」 https://openai.com/index/premium-seats-chatgpt-business/
- OpenAI Help Center「Flexible pricing for the Enterprise, Edu, and Business plans」 https://help.openai.com/en/articles/11487671-flexible-pricing-for-the-enterprise-edu-and-business-plans
- OpenAI「Codex now offers pay-as-you-go pricing for teams」 https://openai.com/index/codex-flexible-pricing-for-teams/
- OpenAI Help Center「ChatGPT Rate Card」 https://help.openai.com/en/articles/20001106-codex-rate-card
- OpenAI「Managed configuration」 https://developers.openai.com/codex/enterprise/managed-configuration
- OpenAI「Agent approvals & security」 https://developers.openai.com/codex/agent-approvals-security
- OpenAI「New compliance and administrative tools for ChatGPT Enterprise」 https://openai.com/index/new-tools-for-chatgpt-enterprise/
- OpenAI Help Center「Role Based Access Controls for ChatGPT Enterprise」 https://help.openai.com/en/articles/11750701-rbac/
- OpenAI Help Center「OpenAI Compliance Platform for Enterprise and Edu customers」 https://help.openai.com/en/articles/9261474-openai-compliance-platform-for-enterprise-and-edu-customers
- OpenAI「NTT DATA Group cuts incident analysis to 30 minutes with Codex」 https://openai.com/index/ntt-data/
- OpenAI「CyberAgent moves faster with ChatGPT Enterprise and Codex」 https://openai.com/index/cyberagent/
- OpenAI「Simplex rethinks software development with Codex」 https://openai.com/index/simplex/
- OpenAI「Business terms」 https://openai.com/policies/business-terms/




















