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近年AIは様々な領域で活用されています。それはスポーツにおいてもです。
2022年に行われたFIFAワールドカップでは最新のAI技術が使用され、歴史的な日本のゴールにも影響を与えました。
そこで今回はサッカーにおけるAI技術をご紹介していきます。
この記事を読めばサッカーにAIを利用したいと考えている監督やクラブ運営者の方にも参考になるでしょう。
ぜひ最後までご覧になってください。
【この記事でわかること】 ※クリックすると見出しにジャンプします |
目次
サッカー×AIとは
既にサッカー界では様々なAI技術が使用されています。
例えば上記でも挙げた2022年FIFAワールドカップカタール大会では、AIによるオフサイド判定が取り入れられ、大きな話題を呼びました。人間が見分けのつかないような微妙な位置のボールも、AIが正確な情報を出すことによって、正しい判定を下せるようになりました。そのため、これまでの大会よりも更に中立的で公平な試合になったといえるでしょう。
このように、AIはサッカーにおいて必要不可欠な存在になっていくといえます。
AIをサッカーに導入するメリット
AIをサッカーに導入すると、今までよりもチームを強くすることが出来る可能性があります。
また、審判不足の問題やスカウト問題などの課題を解決できるAI技術もあります。
ぜひ参考にしてみてください。
審判不足の解決
サッカークラブを経営する方にとって、人手が足りないと悩んでいる方は多いのではないでしょうか。特に審判員は1つの試合で主審1人、副審2人の計3人必要だとされています。さらにサッカーに関するルールや知識が必要なため、誰でも行えるわけではありません。
そんな問題をAIは解決できるかもしれません。AIがリアルタイムで画像を処理することで、オフサイドの判定を任せられるようになります。またAIが判定をアシストすることでサッカー経験者でなくとも審判できるようになり、審判員の人数を増やすことが可能になります。
データに基づいた戦略が立てられる
試合のデータを取ることで、新しい視点の戦略を作るのに役立ちます。
選手1人1人の動きや、チーム全体での動き、前半と後半の動きの違いなど、一試合で様々なデータが取得できます。そのデータをAIが解析することで、今まで気が付かなかったようなポイントに気付くことが出来るのです。
このように、AIを導入すれば監督の思考だけに囚われない新しい戦略を生み出すことができます。
スカウトに役立つ
サッカーは参加人口が多いため、その中から将来の有望人材を獲得するのは難しいと考える方もいらっしゃるのではないでしょうか。そんな時にもAIは活躍します。
選手の運動能力をデータ化し集めることで、数多くの選手を一気に見比べることが出来ます。
また地方の人材も探しやすくなるため、少ない労力で大勢の選手データを取得し、スカウトできるようになるでしょう。
誤審を防ぐ
どの大会でも正確な判定が行われることは重要です。しかし、人間が審判をする場合、どうしてもミスを犯す可能性があります。その時に役立つのがAIです。
複数台のカメラとボールに内蔵されたチップによって、ボールの位置を正確に割り出し、線からはみ出しているか否かを判断することができます。オフサイド判定は勝敗を左右する場合があるため、AIは重要な情報源となるでしょう。
AIをサッカーに導入するデメリット
AIをサッカーに導入するにはデメリットも存在します。それはAIが誤った判断をする可能性があるということです。
例えばAIが審判を行う際、カメラの位置がずれていれば正しい判定が出来なくなる可能性があります。また天候や人為的理由のために起こることもあり得ます。
そのため、全てをAIにゆだねるのは危険だといえるでしょう。
サッカーにおけるAIの活用事例5選
テレビでサッカーの試合を見ていて、聞いたことはあってもよく知らないなと思う単語や技術があるかと思います。その中にはAIが活躍しているものもあるでしょう。
また、個人でも使用できるAIサービスがあります。
そこで、実際の試合などで活躍しているしているAI技術を5つご紹介します。
SPAIA toto-試合結果の予想
SPAIA totoは試合の結果を予想するAIサッカーシミュレーションメディアです。
選手がボールをもらう位置を計測する「スタッツデータ」と、選手のピッチ上での動きを計測する「トラッキングデータ」の2つのデータを組み合わせてAIが学習しているため、高精度な予測を知ることが出来ます。
さらに試合展開のシミュレーションまで行えるため、サッカー観戦の楽しみ方を広げることが出来るでしょう。
バーチャルコーチ-戦術
バーチャルコーチとは、リアルタイムで戦術のアドバイスを行うAIソフトウェアです。
選手1人だけに焦点を当てるのではなく、他21人の動きや場所も分析されます。そのため、これまでにはなかった試合と同時並行の分析や、空間も把握した解析が可能になりました。
ヨーロッパのサッカークラブも導入しており、セリエAは公式リーグにも採用しています。
セミ・オートメーテッド・オフサイド・テクノロジー(SAOT)-審判
セミ・オートメーテッド・オフサイド・テクノロジーとはオフサイドの判定を行うAI技術です。
2022年のワールドカップの公式球には内部にセンサーが取り付けられており、そのセンサーが1秒間に500回もの位置情報をおくることでボールの位置を把握しました。また、スタジアムの天井に取り付けられているカメラが選手の体を捉え、足がどの位置にあるのかを測定しました。
このような情報をAIが分析することによって、オフサイドの判定を補助しています。
Veo-カメラ
Veoはスポーツ専用のAIカメラです。
試合の様子を動画に収めることによって、AIがボールを追跡した映像を生成します。そのため、編集不要で分析動画を作ることが出来ます。また、AIがゴールシーンを認識しハイライトに収めるため、すぐに見返すことが可能です。
一般の方も購入できるため、気軽にAIを取り入れたい方におすすめです。
Bepro(ビプロ)-分析
Beproとは、サッカーの試合分析を行うアプリサービスです。
人間が1つの試合を分析しようとすると、動画を編集したり、そこから解析したりなど複雑な手間がかかります。そこをAIが行うことによって、試合の分析が容易になり効率性が上がります。
このように、面倒な分析作業をAIに任せたいという方におすすめです。
サッカーの今後
AIが導入されることで、プロだけでなくアマチュアのサッカーにも変化をもたらします。審判をAIが行うことで人手不足の解消になります。さらにAIが戦術のアドバイスを行うことで監督不足も解消されるでしょう。
また、プロの世界でも戦術に変化をもたらしたり、レベルが高まっていくといえるでしょう。
AIは世界ランキングの順位を大きく変える可能性を持っています。ぜひ今後の動向もチェックしてみてください!
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