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2017.06.30

SOMPOホールディングス、グループ専用のAI工場「エッジAIセンター」を構築 ~最先端AI拠点でビッグデータのリアルタイム解析を実現~

最終更新日:

SOMPOホールディングス株式会社(グループCEO取締役社長:櫻田 謙悟、以下「SOMPOホールディングス」)と、SOMPOシステムズ株式会社(代表取締役社長:浦川 伸一、以下「SOMPOシステムズ」)は、グループ各社で収集したデータをリアルタイムに解析し、瞬時に経営に活かすためのAI工場「エッジAIセンター」(以下「AIセンター」)※1を保険業界で初めて構築しました。なお、AIサーバを集積させるハウジングスペース※2および今回データ集約に活用するアマゾン ウェブ サービス(以下「AWS」)とAIセンターを接続する閉域ネットワークの構築は東日本電信電話株式会社(代表取締役社長:山村 雅之、以下「NTT東日本」)が担当しました。

※1 ディープラーニングによる学習済みAI資産の蓄積と活用および運用を効率的に行う拠点
※2 防災・セキュリティー機能を完備したお客さまのネットワーク装置やサーバ類を預かる場所(スペース)

1. 背景

昨今、さまざまなIoT技術によるセンサーデータや音声・動画データ等のビッグデータの蓄積により、ディープラーニングをはじめとする機械学習を中核としたAI技術でデータを解析し、実ビジネスに活用する動きが、あらゆる産業・分野に広がっています。一方、収集されるデータの飛躍的な増加と、そのデータ解析に必要とされるコンピューティングリソースの増加に対応するため、ネットワーク負荷や遅延を最小化するための最適なシステムやネットワーク・アーキテクチャが求められています。そのような中、SOMPOホールディングス、SOMPOシステムズおよびNTT東日本の3社が連携し、データを集約するAWSと、ネットワーク負荷や遅延を抑えてデータのAI処理を実行するAIセンターを構築しました。

2. 概要

SOMPOホールディングスグループにおけるデータ・プラットフォーム構築の一環として、データ集約機能をAWSに構築し、そこで収集したデータをリアルタイム解析するAIセンターを、ネットワーク負荷や遅延を抑えたNTT東日本が提供するデータセンター内に構築しました。AIセンターは、SOMPOホールディングスグループ各社の事業領域に特化したデータセットを使った学習モデルを構築、蓄積し、グループ全体で活用するための「学習工場」※3の役割も果たします。

また、AIセンター上で提供するAIシステムの第一弾として、独自のディープラーニング技術を実装したAIシステムを今夏より運用開始し、業務の自動化やサービス品質の向上を実現します。本 AIセンターのインフラストラクチャーは、NVIDIA 社 の GPU※4が搭載され、ディープラーニング処理向けに最適化されたIBM社製のAI専用サーバで構築されています。

※3 データを準備する環境、機械学習を使える高度な人材、高性能な計算機が備えられた、学習モデルを構築する環境で、人工知能学会で東京大学大学院特任准教授の松尾豊氏が提唱。
※4 GPU(Graphics Processing Unit)は、大量のデータを複数のプロセッサで同時かつ並列処理することができ、AI やビッグデータの高速処理に非常に有効な画像処理装置であり、東京工業大学の次世代スーパーコンピュータなどにも採用されている。

3. 各社の役割

1)SOMPOホールディングス
グループ全体のデジタル戦略に基づき、世界最先端のデータ・プラットフォームの構築およびグループ横断のAIエンジニア、データサイエンティスト等の人材開発を担当します。
2)SOMPOシステムズ
グループを支える戦略的IT企業として、卓越した技術力でディープラーニングなど最先端の技術を活用し、グループ各社の事業のための具体的なITシステムの構築を担当します。
3)NTT東日本
首都圏だけでなく、地方に広がる安全性、信頼性の高いデータセンターや通信ビルをAIセンターとして提供します。また、「クラウドゲートウェイ クロスコネクト」※5を利用し、AWS等のクラウドと各拠点を安全かつ高スループットで接続するネットワークを構 築します。

※5 NTT東日本が提供する、信頼性の高い閉域ネットワーク経由でAWS等のクラウドサービスを利用可能とするネットワークサービス

4. 今後の展開

SOMPOホールディングスグループは、今回構築した基盤を活用することで、コールセンターにおけるAI活用等の業務効率化、自動車走行データや健康関連データ等にAIを活用した新サービスの創出および新たなビジネスモデルの構築を目指します。
また、現在オンプレミスで実施しているネットワーク負担の大きい大容量データ解析や低遅延が求められるデータ処理については、NTT東日本のネットワークと、各地に広がるデータセンターおよび通信ビルを活用して、サーバを集約し、最適配置を図ることで、コスト削減と品質向上の実現も同時に目指します。
NTT東日本は今回のネットワーク構築を通じ、IoT・AI時代に最適なエッジコンピューティング ※ 6とクラウドコンピューティングの有機的連携を実現する
情報流通基盤の提供を目指します。
※6 カメラやセンサーなどIoTデバイスの近傍にサーバやストレージなどを分散設置し、処理することで、データ処理の高速化やクラウド等へのデータ転送に必要なネットワーク帯域の削減を可能とする方式

<NVIDIA(エヌビディア)様からのエンドースメント>

「エッジ AI センター」の構築、まことにおめでとうございます。センターのプラットフォーム
として採用いただいた IBM Power Systems S822LC for HPC(Minsky)は、NVIDIA Tesla P100
GPU アクセラレーターを搭載した優れたディープラーニング基盤です。エヌビディアの最先端
GPU と IBM Power Systems の組み合わせが、SOMPO ホールディングスグループのデジタル
戦略強化に貢献できることをとても楽しみにしています。
エヌビディア日本代表 兼 米国本社副社長
大崎 真孝

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