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2019.08.21

今さら聞けない「データサイエンス」とは?

「データサイエンス」や「データサイエンティスト」という言葉が話題になっています。それもそのはず、2020年における全世界のデジタルデータ量は44ZB(ゼタバイト)に上ると言われているんです。

44ZBは何ギガバイトだと思いますか?44兆ギガバイトです。もはや想像の域を超えます。

(出典)総務省「ICTコトづくり検討会議」報告書

これだけデータ量が増えていくことが予想されている現代では、データを活用することでビジネスチャンスを掴むきっかけになるのではないでしょうか。

そこで最も大切になってくるのが「データサイエンス」です。これからの時代において、データを活用し戦略を立てていくことは、仕事をしていく上で非常に大切になってきます。

しかし、そもそも「データサイエンス」について正しく理解している人は少ないのではないでしょうか。

「データサイエンス」について深く理解し、自分の生活やビジネスに役立てられるようにしましょう。

データサイエンスとは

データサイエンスは、さまざまなデータの中から共通点や法則、関連性を見つけ出し、そこから有益な情報を引き出すためのアプローチのことです。

膨大なデータから規則性を見つけることで、事業戦略やマーケティングへの活用など、ビジネスに活かすことで今まで人間には見いだせなかった価値を創出することができます。他にも医学や薬学、心理学、教育学、スポーツ科学、金融、工学などの研究分野での活用も進み、まさに21世紀に重要な技術です。

さらに近年では、「ビッグデータの解析」「機械学習」などの分野が大きな注目を浴びています。

機械学習分野の注目の高まり

データサイエンスは先述の通り、データの中から共通点や法則、関連性を見つけ出します。近年、AIのブームの火付け役になっている機械学習の技術は、膨大なデータから自動的に特徴や法則を見つけ出す技術で、データサイエンスの中でもホットな分野と言えるでしょう。

機械学習について詳しくは以下の記事をご参考ください。

データサイエンスがなぜ重要になっているのか

データサイエンス・データサイエンティストの概要について見てきました。では、なぜここまでデータサイエンスは注目されるようになったのでしょうか。理由としては、以下の3点が挙げられます。

  • IT技術の飛躍的な進歩
  • オープンデータの整備
  • データサイエンティスト人材の育成拡大

詳しく見ていきましょう。

IT技術の飛躍的な進歩

ムーアの法則をご存知でしょうか。ムーアの法則とは、インテル創業者の一人であるゴードン・ムーアが、1965年に自らの論文上で唱えた「半導体の集積率は18か月で2倍になる」と予測した理論のことです。

この理論のように指数関数的に技術は進歩してきました。この革新的な技術進歩により、データを活用する幅が大きく広がっています。

オープンデータの整備

オープンデータとは、以下のように定義されています。

国、地方公共団体及び事業者が保有する官民データのうち、国民誰もがインターネット等を通じて容易に利用(加工、編集、再配布等)できるよう、次のいずれの項目にも該当する形で公開されたデータをオープンデータと定義する。

  1. 営利目的、非営利目的を問わず二次利用可能なルールが適用されたもの
  2. 機械判読に適したもの
  3. 無償で利用できるもの

〈参照:オープンデータ基本指針(平成29年5月30日高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部・官民データ活用推進戦略会議決定)〉

つまり、オープンデータとは、誰でもアクセスできるデータのこと。このデータの拡充が国を上げて進められいます。データサイエンスの分野においても、オープンデータの広がりは新規事業の創出やサービスの質向上、企業活動の効率化などの可能性が高め、注目すべきものになっています。

データサイエンティスト人材の育成拡大

データサイエンティストを含めたAI人材の育成が国としても進められています。大学教育が見直され、専門教育が拡充。社会人の学び直し(リカレント教育)の充実してきています。これらの政策が進めば、現在発展途上であるデータ活用もさらに発展していくでしょう。

これらの3つの要因により、データ活用のチャンスがより多くの企業に訪れます。そのため、分析力を活かせない企業は生き残れないかもしれません。今後さらにデータサイエンスの力が不可欠になっていくでしょう。

データサイエンスが使われている場面

データサイエンスはさまざまな場面で活用されています。その中から具体的な5つの具体例をご紹介します。

天気予報

天気予報は、実際の天気を観測し、そのデータを解析することで将来の天気を予測します。天気予報はデータサイエンスを活用した代表例と言えるでしょう。

小売店舗における商品補充

小売店舗の商品補充の場面でもデータサイエンスが活用されています。従来の属人的な発注方式では、品切れが起きたり、余剰在庫が発生したりしていました。この課題を解決したのがデータサイエンスでした。各店舗の商品それぞれについて、統計的に過不足しない発注数が自動的に計算され、小売店舗の在庫管理が最適化されたのです。

POSデータの分析

電子マネーやポイントカードなどの普及により、消費者毎の購買履歴を追跡できるようになりました。

POSデータの分析にデータサイエンスの技術を用いれば、曜日や時間帯・消費者の継続した購買履歴などを分析・予測できるようになったのです。

観光業界でのデータサイエンス

観光業界では、個人旅行者の宿泊地や旅人の位置情報を分析することで、どんな人が旅行をしているのか、どこを主にめぐっているのか、新たな観光スポットはどこなのかを分析できます。

セイバーメトリクス

スポーツ業界にも、データサイエンスは応用されています。スポーツデータを統計的に評価することで、お金を使わずに強いチームを作ることができるのです。

セイバーメトリクスは、選手成績や試合の結果、球場のスペックなどのデータの分析を行い、チームが勝つための戦略を構築する手法のことです。

最初にセイバーメトリクスを導入したのは、オーランド・アスレチクスでした。独自のデータ分析を元に、出塁率・選球眼を重視し、バントや盗塁を重要視しないという戦略を撮ったのです。このデータに基づいた戦略でオーランド・アスレチクスは安い年棒で全球団で最高の勝率を誇ったのです。

このようにデータサイエンスは業種・業界問わず幅広く応用できます。

21世紀で最も魅力的な職業「データサイエンティスト」

データサイエンティストとは

データサイエンティストとは、膨大なデータを整理したり分析したりすることで、ビジネスの意思決定をサポートし、価値を生み出すデータサイエンスのスペシャリストです。

データサイエンスは、データを分析して終わりではなく、データサイエンスを意味ある形で使えるようにし、ビジネス上での利益につなげていく幅広い知見が必要です。

日本データサイエンティスト協会は、データサイエンティストに求められるスキルセットとして「データサイエンス力」「ビジネス力」「データエンジニアリング力」の3つを掲げており、ビジネスを変革させるまでの力が求められています。

「データサイエンス」関連オススメ記事記事4本

▼データサイエンスの実際の活用事例をさらに知りたい方はコチラをチェック

▼データサイエンティストに興味が出てきた方がコチラ

▼大学のデータサイエンスに関する取り組みについてはコチラ

▼データサイエンティストの最新状況を知りたい方はコチラをチェック

まとめ

データサイエンス・データサイエンティストの概要と重要性を見てきました。今後ビジネスの場面でもデータサイエンスを応用することは多くなり、さらに重要性は増していきます。

その時に備えて、データサイエンスについての正しい理解をしておくことが大切です。

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