リーガルテックが企業を変えるーAIと法務


今、AIの分野でも多くのリーガルテック系スタートアップが誕生しています。

それぞれの企業には法務部という、法律を専門とした部署があり、さまざまな契約書をチェックしたり、株主総会・取締役会の準備をしたりしています。

ひな型が決まっている契約書のチェックなど反復的な仕事も多く、リーガルテックを活用することにより法務部の仕事には大きな変化が生じると見込まれています。

今回は、リーガルテックによって、法務部の仕事がどう変わるのかについて調べてみました。

リーガルテックとは何か?

リーガルテックとは、法的サービスを提供するにあたり、AIなどのIT技術を活用しようとするものです。ここでいう「法的サービス」は、単に訴訟活動に限られず、企業内の法務部における法律事務の処理なども含まれます。

リーガルテックにより、法務部や弁護士など法律に関わる仕事の効率化が進むと考えられています。またこれに伴い、人や時間などの有限なリソースを他の業務に振り分けることができ、本当にするべき業務にしっかり向き合うことができるようになると考えられています。

他方、リーガルテックの導入により法務の業務の一部はAIに代替されることになり、法務担当者の仕事が失われることにつながりえます。ひいては賃金の減少や、最悪の場合仕事自体が奪われることにもなりかねません。そのため、今のうちからリーガルテックについて学び、リーガルテックによってもなお奪われないスキルを身に着けておくことは法務に携わる者にとって必要不可欠といえるのではないでしょうか。

なぜ今リーガルテックを知るべきなのか?

リーガルテックの市場は発展途上

FRONTEOの調査をもとにAINOW編集部が作成

FRONTEOの調査によると、国内の大企業では4割以上、中小企業ではなんと7割近くの法務担当者がリーガルテックを認知すらしていないという結果があります。

FRONTEOの調査より

一方、リーガルテックを導入している企業では、業務の効率化・残業の削減といった量的な効果のみならず、業務品質の向上などの質的な効果をも期待されています。

したがって、リーガルテックについて知ることで契約の締結が迅速になったり、単純な作業を代替させることができ、ひいては業務の質を向上させることができるため、他社に先んじて業務の効率化を図ることができ、他社と比べて優位に立つことができます。

今後、リーガルテックにより企業法務のあり方に大きな変化が見込まれる

2018年以降、法務レビューの効率化と品質向上をAIで両立するLegalForceなどのリーガルテック企業がどんどん登場しています。

特に、契約書のレビューについては、後述するようにさまざまなリーガルテックサービスが登場しています。それぞれ特色があるがいずれも業務の効率化に、かなり貢献すると見込まれます。

リーガルテックを使いこなすには?

リーガルテックの分野一覧

ここまで「リーガルテック」とひとくくりにしてきましたが、実際にはリーガルテックと呼ばれるものにもさまざまな分野があります。そして、それぞれに適したサービスが提供されています。まずはサインのリーデザインさんが作成したカオスマップを見て、現在のリーガルテックの状況を見てみましょう。

これを見てもわかる通り、リーガルテックサービスは、文書の作成管理・契約の締結に限らず申請・リサーチ、はては訴訟まで幅広くカバーしています。

このうち、企業法務の効率化にかかわると思われるものをいくつかあげて比較してみようと思います。

それぞれのリーガルテックサービスの特徴は?

以下では、リーガルテックサービスのうち代表的なものについて説明していきます。

リーガルフォース

リーガルフォースは、株式会社LegalForceが開発した文書作成・管理システムです。

その特徴としては、危険条項や必要条項の欠落をチェックリストをもとに瞬時に発見できること、また膨大な契約書データベースから類似の契約書を発見し、差分表示してくれることがあげられます。

企業法務において利用される契約書の多くは、ひな型を利用して作成されており、反復作業が大部分を占めています。そこで、契約書の作成に当たっては、リーガルフォースなどのサービスを利用することで迅速・効率的に業務を行うことができます。

Holmes

Holmes(ホームズ)は、契約書をミスなく作成・承認・締結できる文書管理システムです。その特徴は、なんといっても契約の審査の段階から承認まで一つのシステムを利用してできること。手間のかかる社内の稟議も、ホームズを利用すれば一目で管理できるようになります。

また、交渉内容、契約条件、注意すべき点など、現場が取得した情報を手間をかけることなく関係者と共有できることもメリットの一つといえます。

AI-CON

AI-CON(アイコン)は、契約書の条文ごとにリスクを「有利」「やや有利」「中間」「やや不利」「不利」の5段階で判定し、修正例を提示してくれるリーガルテックサービスです。

契約書の内容を「法律条項」「ビジネス条項」「手続条項」の3つに分類しそれぞれ判定してくれることがポイント。

特に、法律問題ではなく経営上の判断が問題になる「ビジネス条項」については「有利」「不利」の判定ではなく「ビジネス的な判断で確認してください」と判定をしてくれるため、どこが法律問題なのかがわかりやすいのがメリットといえるでしょう。

クラウドサイン

ここまでは主に文書の作成・管理を行うサービスを見てきましたが、次は契約の締結に活用できるサービスを紹介したいと思います。

クラウドサインは、事前に内容についてお互いの合意が済んでいる契約書・発注書などの書類をアップロードし、相手方が同意することにより、相互同意がなされたことを示す電子署名が施されるサービスです。

このサービスの最大のメリットは、これまでのように紙を使わなくなることで、紙の作成・管理にかかわるコストが不要になることです。紙を印刷し、印鑑を押して管理するという膨大な作業から解放されれば、業務のストレスが大きく軽減されることになります。

KIBIT

最後に、FRONTEOの開発したKIBITというサービスを紹介します。

KIBITは、弁護士の経験や勘に基づく知識である「暗黙知」を学習し、大量のテキストデータの中から弁護士の判断基準に沿ってデータの抽出を行うというサービスです。

少ないデータの特徴をうまくつかみ、大量かつ未知のデータに対して同等の判断を再現することを可能にするLandscapingや、単語の重要度を最適化する独自のアルゴリズムであるWeight Refinementなどの独自の技術を用いて、人間に近い判断を可能にするという異色のサービスです。

なにより、KIBITはアプリケーション化されているため、導入費用を比較的低く抑えることができるという利点もあります。

まとめ

以上みてきた通り、現時点でリーガルテックサービスは群雄割拠の様相を示していて、しかもこれからもどんどん新しいリーガルテックサービスが登場することが予測されます。

特に、企業の規模や文化によっても必要とするサービスは異なってきます。記事中で紹介したサービスは無料説明会を行っていたり、資料請求も可能ですので、一度導入を検討してみるのはいかがでしょうか。

また紙面の都合上今回は触れなかったサービスもいくつかあります。
今後、法務部門の効率化のためにも、一度自社の問題を洗い出したうえで、最適なサービスを利用してみることをお勧めします。

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