ゲームAIとは? ゲームAIの種類や歴史について解説

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あなたはゲームAIと聞いて何を思い浮かべますか。

ゲームにおけるAIの役割といえば、プレイヤーの敵として襲ってくるモンスターや、戦いに協力してくれる仲間を思い浮かべる方も多いでしょう。

本記事では、ゲームにおけるAIの解説と、これからゲームAIがどのように発展していくのか紹介していきたいと思います。

ゲームにおけるAIとは

まず、AIとは何でしょうか。

AINOWでは以下の記事で、AI・人工知能について解説しています。

現在、AI・人工知能は定義は定まっていません。

人工知能という言葉は広義であるため、ゲーム領域では人間の生命メカニズムを利用したものに使われていたり、人間のように振る舞うもの対して使われたりしています。

近年のAI領域で話題となっているニューラルネットワーク、ディープラーニングは、人間の脳のメカニズムを応用したモデルですが、ゲームにおけるAI、すなわちゲームAIは学問としてのAIとは異なる独自の文脈を持っているので注意が必要です。

ゲームAIは、ゲームを開発する上で使われている言葉で、もともとの目的としてユーザーがゲームをプレイしていて、人の知性を持っているかのように振る舞う対象に対して古くから使われていました。

しかし、現在ではゲームのシナリオなどもゲームAIが管理してユーザーを楽しめるようになってきています。

ゲームAIの種類

ゲームAIは、NPC(ノンプレイヤーキャラクター)として自律的に動くキャラクターだけでなく、三つの種類に分類することができます。

キャラクターAI

NPC(ノンプレイヤーキャラクター)などの脳にあたる部分です。自らゲーム内の環境を認識し、意思決定をすることで自律的に行動します。キャラクターAIのデザインはゲームによって設計されていくので、それぞれのゲームによってキャラクターAIのアーキテクチャは異なります。

メタAI

メタAIはゲームの監督のようなもので、プレイヤーの動きをみて、敵キャラクターを出現させたり、ゲーム環境を変化させたりします。つまり、従来、人の手によって作られていたゲームデザインやバランス調整AIが技術によって可能になりました。

ナビゲーションAI

ナビゲーションAIは、ゲーム内の地形を認識し、キャラクターAIやメタAI、そしてプレイヤーに対して経路をナビゲーションするAIです。私たち人間は環境を目などの器官を通じて認識し、自らの経験と推測によって、経路を割り出すことできます。人にとっては簡単なことでも、AIにはこの経験や推論を実装することは困難となります。そのため、このナビゲーションAIが、ゲーム内の通れる道や、目的に応じた場所へのナビゲーションします。

ゲームAIの歴史

パターンで動いていた時代

今では家だけでなくスマートフォンでいつでもどこでもゲームを楽しむ事が出来ますが、1970年代では家庭用ゲーム機すらなく、当時のゲームセンターや喫茶店に置いてあるアーケードゲームを楽しんでいた時代です。

アーケードゲームとしてはインベーダーゲームが流行っていました。PCゲームに関しても、当時のPC性能は非常に低く、ゲームにおけるAI技術というのも、ユーザーに対して知能を感じさせるような仕組みの実現というよりは、ゲーム中のひとつの役割として使われていました。

1972年の代表的なPCゲーム「ポン」(atari)というテーブルテニスのような単純なゲームでは、パターン化された非常に単純な動きをする敵キャラクターしかいませんでした。

atari(PONG)

1980年代になると2Dゲームシューティングゲームや格闘ゲームが多く作られていました。そしてRPGも1985年以降、頻繁に作られるようになりました。

この頃は馴染みがある方もいると思いますが、家庭用ゲーム機としてファミコンが流行っていました。この時代でのゲームAIというのは、ゲーム内に色々なステージや仕掛けがあり、その中で敵キャラクターも動いていましたが、ほとんどのゲームのAIはパターン化された動きをすることしか出来ませんでした。

よって、ゲームAIと呼ぶよりはむしろ自由に動き回るステージの”仕掛け(=ギミック)”と呼ぶほうがふさわしかったようです。しかし、敵キャラクターとしての役回りは知能を持っているので広義の意味でゲームAIの一つでした。

1980年代の有名ゲーム作品として、パックマンがあります。このゲームでは、パックマンの敵キャラクターに世界で初めてキャラクターAIが導入され、それぞれの敵キャラクターは独立した存在で異なる個性持っており、ステージ内をそれぞれ独自のパターンで動いていました。

PAC-MAN™ & ©1980 BANDAI NAMCO Entertainment Inc.

NPCのエージェント化

1990時代中期から2Dゲームから3Dゲームに移り変わると、ゲームAIの開発において、NPCのルールをエンジニアが記述することが困難になってきました。そこで、パターン化した動きをするだけのAIから、キャラクター自身が判断して動けるような自律的な行動を取るAI、エージェント・アーキテクチャ技術が導入されました。また、自律型AIを補助するためのAIなどが考えられるようになり、より一層キャラクターの振る舞いが多様になりました。

3Dゲームに移り変わったことにより、ユーザーが求める敵キャラクターのAIもより複雑でリアルな振る舞いが求められるようになってきています。

例えば、FPSゲームにおけるAIは複雑な戦況を把握しながら他のNPCと一緒に行動したり、自チームが有利になるように行動する必要があります。

「Halo Combat Evolved 」や「Counter-Strike」などのゲームで、NPCエージェントに自立型エージェントのアーキテクチャが導入されています。

出典 Halo: Combat Evolved | ゲーム | 『Halo』公式サイト

これからのゲームAIとは

近年のコンピュータ性能の増加・高速化に伴い、ゲームシステムも高度化そして複雑化しています。特に広大なオープンワールドを舞台とした作品が増えており、これらのシステムを設計・制御することを人手で行うことが厳しくなってきました。

よって、これらをゲームAIを用いることによって、それらを代替するようになるかもしれません。

以下の記事では、大規模化したゲームに対してゲームAIの活用を紹介しています。

特にメタAIは、大規模化したゲームのシナリオを設計することに適しており、技術の進歩が期待されています。

キャラクターAIに関しても、様々な状態を取りうる環境に対して柔軟に対応することが必要になってきています。

特にVRを用いたプレイヤーとキャラクターとのインタラクションを重視したゲームでは、プレイヤーの動きや言葉など、柔軟性のある認識機能や表現する機能を設計する必要があります。

音声認識技術やエージェント技術を組み合わせることによって、それらを可能にしています。

ゲームAIのおすすめ文献 / 書籍

さらにゲームAIを理解したい方や、実際にゲームAIを作って見たいという方に向けて、オススメの文献や書籍を紹介します。

ゲームAIをより理解したい

ゲームAIを作りたい

※書籍によっては数学知識、プログラミング知識が必要になります。

おわりに

本記事では、ゲームにおけるAIにまとめていきました。

過去のゲーム環境に比べ、コンピュータ性能の高度化だけでなく、VRやARなどのハードウェアプラットフォームも変化してきています。

進歩するAI技術をゲーム開発に取り込むことで、ゲーム内のキャラクターの振る舞いやゲームシステムはより柔軟かつ多様化していくと考えられ、ユーザーの体験はこれまでよりずっと豊かなものになるのかもしれません。

また、ゲームとAIといえばクアンティック・ドリーム社制作の「Detroit Become Human(デトロイトビカムヒューマン)」という人とAI(アンドロイド)が共存する世界で、プレイヤーの選択次第でAIが人間のような感情を獲得し、人と同等の権利を求め活動していくゲームがとても面白いのでおすすめです。

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参考文献

  • 三宅 陽一郎, “ディジタルゲームにおける人工知能技術の応用”, 人工知能学会誌, 23巻1号, pp. 44-51 (2008)
  • 三宅 陽一郎, “人工知能の作り方 ―「おもしろい」ゲームAIはいかにして動くのか”, 技術者論社, (2016)

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