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「AI.Accelerator」の人、進藤はAI関連起業家の方に毎日会います。夢からIPO済みまで、AI.Acceleratorは累計600社の応募を超えました。しかも毎週メンタリングdayをやっていますのでAI系に関して言えば、日本一スタートアップと会うCVCかもしれません。(もう、AIじゃない勢も多くなってきて意味が分からないですね)
AI.Acceleratorも11期77社の採択を終え、なんとなくAI領域で伸びそうなやりかたがわかってきた気になりました。
1社でも多くAIスタートアップが増える2020年をめざし、ごあいさつを兼ねまして「600社に会ったAI.ACCELERATORが考える2020年版、AIスタートアップのはじめかた」を更新します。
毎メンタリングおんなじこと言ってるなっていう実感もあり、去年書いたやつの焼き直し(やっつけ)なので、読んだ方は復習を兼ねてどうぞ。
AI界隈全体はこちらにもふりかえりしましたので、よろしければどうぞ。
目次
AI.Acceleratorってなんだっけ
まずはAI.Acceleratorの応募の推移。バイトルをやってる会社、ディップのAIアクセラレーターが狙っているのは、人とAIによる労働の供給です。ゆえにか応募企業はBtoBに寄っています。

さすがに3か月おきに募集してたら応募が減ってきています!アクセラ存続の危機です!がんばります!
とはいいながら、良きスタートアップと巡り合えている結果、資金調達率は8割。我が相棒Reality.vcの郡さんやAI界隈30人の重鎮と40社のパートナーのおかげさまでアクセラレーターの役割を果たせるようになりました。

ポイントは、運営メンバーよりも優秀なスタートアップが揃っているということでして、ありがたいことです。
【探客】最初は営業資料やLPからはじめる
さて、AIスタートアップはじめよう。
しかし、スタートアップが最初からAIプロダクトを作ったら高確率で死にます。
まず取り組まなければならないのは「ユースケース(課題/解決)、顧客、資金」の獲得競争です。「AIじゃないじゃん」と言われてもOK。まだAIじゃないだけ。

ユースケースと顧客がみつかったら、仕組みを考えましょう。営業資料は相棒郡さんが素敵なテンプレを作ってくれています。
いい時代だぜ。
▼2020年版の追記▼
2019年のアップデートですが、営業資料をはじめとした資料の作り方はこちらがテッパンだな、と思っています。
時間1/3、通過率8割のプレゼン資料の作り方
・あらすじをタイトル、目次テキストのみで作る
・通したくなる流れになるまで壁打ち
・パワポとかで、ヘッドラインだけ、具なしのスケルトンを作る
・通したくなるまでヘッドラインだけでプレゼン
・プレゼン資料として作り込み— 進藤圭_AIアクセラレーター座長@ディップ (@shintokeimail) December 2, 2019
40-50社メンタリングしていくと構成も、ある程度テッパンがあります。
●構成のイメージ
Title(結論)
⇒Copy:(対象となる業務)を(具体的数値※はやい、うまい、やすい)する(すごさの指標※世界/日本/業界初)の(サービス名)Problem(課題)
⇒Copy:(対象となる業務)が(具体的数値※はやい、うまい、やすい)で困っていませんかSolution(解決策)
⇒Copy:(サービス名)なら(対象となる業務)を(サービスの中身)にして(具体的数値※はやい、うまい、やすい)にしますReturn(効果)
⇒Copy:(サービス名)が実現する(具体的数値※はやい、うまい、やすい)はこのように生まれ(競合サービス)より(優れているところ)が優れていますSample(事例)
⇒Copy:(サービス名)は(顧客の規模/業種)で(〇社)導入されており、ロゴはこれですPlan(料金例)
⇒Copy:(サービス名)は(顧客の規模/業種)で(〇円)くらいで導入でき(具体的数値※はやい、うまい、やすい)でROIが合いますHow(導入方法)
⇒Copy:(サービス名)は(顧客の規模/業種)で(〇日)くらいで(顧客の具体的タスク)するだけで導入できますTeam (チーム)
⇒Copy:(会社名)は(チームメンバー)で(メディア掲載事例)でイケてます
▲2020年版の追記おわり▲
【MVP】手動で課題解決し、自動化、AIはそのあと
お客さんを見つけた。いい調子ですね。
最初は手動でお客さんの課題解決。手で解決できないものを自動化すると作り直しになります。
いわゆる受託になることが多いのですが、どこで覚えてきたのか知らんけど「受託ってセクシーじゃないよね」って言うだけの人は相手にしなくていいと思います。(偏見)
▼2020年版の追記▼
受託セクシー説、私はこう思っています。性癖です、性癖。
受託セクシーじゃない説は、たまたま調達簡単か天才事業に当てはまる。
実際はほぼそんなことなく、当たらんし、給料払えんし、調達はできんし七転八倒。
仮説は大きくもちつつ受託でピボット事業運営して、当たったらブーストが現実の起業でござろうよ。
私がそういう人が好みなだけですけどねえ。
— 進藤圭_AIアクセラレーター座長@ディップ (@shintokeimail) December 25, 2019
▲2020年版の追記おわり▲

最初はITサービスで十分です。自動化とかRPAとかおしゃれじゃないみたいな空気ありますけど、何気にAIへの近道だと思います。私の本買ってね!
立ち読みでもいいよ。
▼2020年版の追記▼
おかげ様で1.5万部売れました。こんなにニッチな本を買ってくれてありがとうございました。
▲2020年版の追記おわり▲
【事業化】事業、サービス展開にデータを取る階段を作る
よーし事業にしよう。
AI、AIって言って忘れがちなのですが、データがないと動かないのですよね。AIにとりくむ大企業の6割はデータ不足だそうですよ。
機械学習とかディープラーニングとかしてなくても構わない。人工知能はIT技術のひとつと捉え、冷静に自動化ツールとして対価とデータをもらえるサービスの階段を作りましょう。

結構STEP1のデータ収集がないサービスが多いです。データ作成サービスが儲かるのもわかる。
▼2020年版の追記▼
データサイエンスやオープンイノベーション勢関連はこちらのスライドでもお話ししています。
▲2020年版の追記おわり▲
【成長】投資家やオープンイノベーション勢は使わなくてもいいんだよ
プロダクトが見えてくると、投資家やアクセラ、オープンイノベーション勢からの接触を受けるようになります。

わたしもその一角ですが、ぶっちゃけ玉石混交ですし、強み弱みがあるので使い方を考えて使いましょう。見極め方ですか…?大人数出てくる、偉そうに話す、対応できない課題がある、自分の案を押してくる人はヤバいです。(偏見)
うちも含めて、理由がなければ使わなくてもいいと思います。
▼2020年版の追記▼
とはいいつつも、宣伝しとかんと怒られるんで、ぜひよろしくお願いします。狂ってます。
▲2020年版の追記おわり▲
【死の谷】50%はシリーズA前で死亡、吉野家メソッドで死の谷を超えよう
立ち上がってきたらすぐ、死の谷です。
わたしもスモールビジネスを超えなかったサービスをたくさん潰してきたクチですが、シリーズAにいくのは大変です。

特にAIの死の谷は、スタートアップは技術出身の人が多い反面、導入側の決裁者がチンプンカンプン系の人が多いゆえかわかりあえない問題が大きいです。
営業や取材同行するとお互いに恋してるけど、理解しあえない二人みたいな場面によく出くわします。
その場合は吉野家メソッドが有効です。

吉野家ってすごいですよね。
【調達】調達判断は慎重にね、借入もあるよ
現在、ややバブリー環境にあるためか「とりあえず株派」が増えている傾向にあります。しかし2回目調達でのダウンラウンドや、A前なのになんとびっくり過半がVCというのも…

AIサービスはラウンドが後ろになるほど資金需要が大きくなる傾向にあります。初期は創業支援融資などの融資類で2000万円までは狙えます。しかも無担保無保証です。いい時代だ。
CVCな私が言うのもなんですが、まずは融資で売り上げを作ってバリュエーションをちゃんと上げてエクイティでも良いのではないでしょうか。
【全編】200P全部みたい人はこちらをどうぞ
と、いったことを毎日AI.Acceleratorは2018年やってきました。
かいつまんでお話しましたが、1社でも多くAIスタートアップが増える2020年にちょっとでも役立つといいなと思います。移動中で暇な人はぜひこちらの全部入りをどうぞ。
30秒くらい待つと表示されます。
2020年もたくさん会いましょう
AI.Acceleratorはそれぞれ支援内容が違っていますが、ハンズオン型で営業したり、PRしたり、技術アドバイスしたり、採用したり、どろどろになりながら一緒にAIをつくっていくスタンスでやっています。
メンタリングを受けた人の感想はこちら。
「AIなんてITなんだ、誰にだってできる!!」と東進ハイスクール的に考えられるスタートアップがAI領域は向いています。すので「まだAIじゃないしな」とかって考えなくてもOKです。
ハンズオンで一緒にやりたいスタートアップのみなさん、ぜひAI.Acceleratorへ。2020年もどんどん会います、よろしくお願いします。それでは今日もどこかのカフェでお待ちしております。