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LINE株式会社は3月1日付でAI技術に関連する社内の組織を再編成するほか、今後の採用活動を強化し、2021年中を目処にAI技術人材を200名規模まで拡大する方針を決定したと発表しました。
LINEは、2016年にLINEおよびLINE関連サービスにおけるデータの分析・研究を行う専門の開発組織として「LINE Data Labs(ライン データラボ)」を設置し、各事業領域を超えてユーザーの利用動向などのデータを横断的に扱うことで、より精密なデータ分析や情報フィルタリングによる効率的なデータ・情報活用を進めてきました。
「LINE Data Labs」での取り組みは、LINEのトークリスト最上部「スマートチャンネル」のコンテンツ表示や、LINEスタンプ、LINEマンガ、LINE NEWSなどのサービスで使われるレコメンドエンジンの開発、各サービスでのユーザー行動分析などに生かされています。
LINEはは2017年にはAIアシスタント「Clova」を発表、「Clova Friends」「Clova Desk」などのAIスピーカーや走行中も声で操作できるカーナビアプリ「LINEカーナビ」を提供しています。2019年6月には、LINEが開発・保有するAI技術を外部企業などへ展開する「LINE BRAIN」事業を始動し、FAQ対応、請求書の手入力、飲食店やカスタマーサポートの電話応対といったさまざまな分野で負担となっている業務をAI技術によって削減することで、業務の効率化やユーザーの利便性向上を促進するための取り組みを進めています。
これらのAI技術は、人間の声を認識する音声認識技術や、発話の意図を理解する自然言語理解技術、さまざまな条件下で認識する文字認識技術など様々な分野において開発・改善を続けており、外部パートナーとの連携も積極的に行っています。
今回、LINEは、AI技術の研究・開発、AI技術を活用した事業の発展を加速させることを目的に、AI技術に関連する社内の組織を再編成するとともに、今後の採用活動を強化し、2021年中を目処にAI技術人材を現在の約2倍となる200名規模まで拡大する方針を決定しました。
3月1日付で、「データ基盤開発」「データ分析」「機械学習」「AI技術開発」「基礎研究」のそれぞれを担うチームを1つの組織内に集約し、各チーム間の連携を強めることで、” 研究→開発→事業化 “ のサイクルのスピードアップを図ります。
LINEはこの組織改革により、現在パートナー各社と実証実験を進めている、「LINE BRAIN」のAI技術を活用したサービスなどの早期実用化を目指すとしています。また、事業や担当領域を超えた横断的なデータ活用を促す体制を整えることで、LINEが保有する大規模データを最大限に活用し、各種サービスのユーザビリティ向上や、新たなAI関連サービス・機能の創出にも注力していくとしています。
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