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2020.03.09

恋愛からビジネスまで!今話題の【AIマッチング】その実力は?

インターネットの進化だけでなく、スマートフォンの台頭により、さまざまな分野でマッチングを行うサービスが台頭しています。

ショッピング領域では買いたいものと人のマッチング、ビジネスの領域では、協業の相手探しやOB・OG訪問など採用領域での目的としたマッチング、そして恋愛の領域においては幅広く「Tinder」や「Pairs」などのマッチングが発展してきました。

そして今、さらに効率的なマッチングのために「AI技術を活用したマッチング」が注目されてきています。

今回は従来のマッチングとの違いを比較しながら「AIマッチング」の可能性について徹底検証しました。

なぜAIによるマッチングが注目されているのか

マッチングとは「一致する」ことです。

人と人でいえば出会いという意味です。

今までの出会いは偶然であることが前提でした。

同じ学校、同じ職場、同じビジネス業界など、出会いはとても限定的なものでした。

そこにWeb技術が台頭してきたことで、さまざまなプラットフォームがつくられ、人々が参加し新たに出会うことができるようになりました。

例えば、FacebookなどのSNSの台頭によって同じ趣味の人と気軽につながることができるようになったり楽天市場、AmazonなどのECプラットフォームによって、より良い商品、より良いサービスにも手軽に出会うことができるようになっています。

直接話したり会わなくても文字でやり取りするだけで出会えるこの簡単さが、現代では広く受け入れられてきています。

【恋愛編】婚活や恋人探し

なぜ恋愛でマッチングに注目が集まっているのか

自分の特技や趣味、嗜好といったデータを入力することで出会う相手を絞れることがWebでのマッチングが人気の理由の1つです。

近年、マッチングサービスのユーザー数はどんどん増加しています。

サイバーエージェントの会社のマッチングエージェントによる調査によると、2020年のオンライン恋活・婚活マッチングサービス市場は、前年比約2割増の620億円に、2025年には2020年比約7割増の1,060億円に拡大すると予測されています。

※参考:「マッチングエージェント、国内オンライン恋活・婚活マッチングサービスの市場調査を実施

多くのマッチングサービスでは、身長や体重、趣味などのデータで、統計的にマッチする人を絞り込むことができます。例えば、マッチングサプリ「Omiai(オミアイ)」では、表示される相手のプロフィールページに自分との相性を示す「マッチ度」が表示される機能が搭載されています。

このような機能によって、自分と相性が少しでも良いパートナーを探しやすくなっています。

しかし、人間と人間の相性は身長や体重、趣味などのデータだけから完璧に判断することはできません。そこで今後は、性別などのデータだけからは見えなかった相性をAIによって分析できるようになることが予想されます。

AI技術によりさらなるパーソナライズが進み、効率的・効果的に新たな人と出会うことができる時代が来るかも知れません。

では現在、AIマッチングがどのようなところで活躍しているのか、具体的に見ていきます。

AIマッチングを取り入れた結婚相談所

婚活を本格的にしている方は結婚相談所に加入する方もいるでしょう。会員には、コンシェルジュがつき、データを見ながらお客さんの要望に応じて婚活設計をする婚活のプロが必ずつきます。

コンシェルジュは1人でたくさんの会員を担当します。そのため、1人ひとりを分析することは情報量が多く負担になっているという現状があります。

さらに利用者はアプリやSNSなどたくさんの出会いのツールを持っています。そのため、相手に求めるハードルも上がってきているそうです。マッチングアプリの台頭によって、理想が高くなっている現状があるようです。

この現状を解決するために、AIマッチングを取り入れた結婚相談所が出てきました。

業界最大級の会員をもつパートナーエージェントは2018年、マッチングに人工知能の「KIBIT(キビット)」を導入しました。

このKIBITは「人の暗黙知を学習するAI」という特徴があります。人の思考の解析に優れていて、キーワードだけに頼らない暗黙知を再現できるのです。

これまでは成婚したデータを活用しながらその傾向をもとに、コンシェルジュが相性の良い相手を紹介するという活用の仕方をしていました。

「KIBIT」の活用では、自己紹介文や、コンシェルジュが書いたコメント、こだわりなどもKIBITが複合的に判断するそうです。

画像引用:https://www.p-a.jp/company/news/press_20180601_no01.html

その人の性格や価値観までもAIで分析できてしまうのは驚きですね。

これによって利用者に精度の高い相手の紹介が可能になります。

マッチングアプリの代表格「Pairs」でもAIマッチング

マッチングアプリの代表格でもある「Pairs」のマッチングにもAI技術が活用されています。

Pairsは2019年1月に利用者1000万人を突破したマッチングアプリでその規模は業界最大級で、蓄積しているデータも膨大です。このデータをもとにAIが学習を行えばどのようなマッチングが実現するのでしょうか。

Pairsに搭載されているAIは、マッチングのアルゴリズムを東京大学と共同開発したものです。利用者の行動履歴が機械学習を用いて分析されています。

例えば検索アルゴリズムです。ユーザーに合わせて最適な相手をリコメンドとして上位に表示します。これによってユーザーさえ気づかない自分との相関関係を機械学習によって発見できます。

つまり、容姿や年収にだけに捉われない『意外な人』がリコメンドされることが増えるのだそう。

【ビジネス編】人材の発見や仕事探し

従来のマッチング方法と課題

2つ目のAIマッチングはビジネスでの活用です。

人口の減少・少子高齢化が進み労働人口の減少が叫ばれる昨今、人材の確保に企業は注力するようになりました。優秀な人材の獲得のために採用方法が多様化しています。

そのため人材コンサルタントは新たな人材を探すためにスカウトなど積極的に人材確保に動き出しています。

しかしそれは、一人ひとりのスキルから性格の面まで細かく調べ、面接を経て採用という作業は多くの時間を割かねばならず、非効率的でした。

さらに、求職者の性格や嗜好は人材コンサルタントの判断で行わざるを得ませんでした。

簡単に言えば、先入観や自身の価値基準で求職者をみてしまうということです。

正確にその人の適性を見抜くスキルをテクノロジーで解決できなかったのです。

反対に求職者としても、膨大な数の企業から自分にあった企業を選ぶのは大変な作業です。明確な基準がない中で、自分のスキルを文字や言葉だけで表すのはとても難しいことでした。

AIマッチングの導入

そこで、解決してくれるのがAIによる人材マッチングです。

さまざまな人材マッチングが世の中にはありますが、ここでは株式会社フォーラムエンジニアリングとIBMが共同開発した「Insight Matching」をご紹介します。

「Insight Matching」は、WatsonというIBMが開発した機械学習(AI)システムを搭載した人材マッチングシステムです。

大きな特徴の1つがマッチングスコアの算出です。構造化データと非構造化データの双方を分析して結果を出してくれます。

  • 構造化データ・・・勤続年数、資格、ツールとテクノロジーの習熟度、業務内容など
  • 非構造化データ・・・履歴書 、職務経歴書 、活動報告書 、候補者との面接のデータ、個々のエンジニアに関する顧客のフィードバックなど

数値化するにあたって、ユーザーとテキストチャット形式でWatsonが対話します。履歴書からではわからない性格などの人間的な部分も分析してくれます。

高度な検索と自然言語処理(言葉の分析)があるからこそ、スコアを算出でき、最適な候補者を絞り込むことができます。

また、もしある分野のスコアが悪くても、モチベーションなどの適合性の点数が高ければ、その企業との適合性が十分に高いとWatsonが理解し、人材コンサルタントに提案するようになっています。

これによって採用業務の効率化が進み、業務時間の削減に繋がります。

求職者もデータに基づいて客観的に評価してもらえますし、自分の内面まで見てもらえるため、安心感を得られるでしょう。

画像引用:https://www.ibm.com/think/jp-ja/business/cognitive-staffing/

画像引用:https://special.nikkeibp.co.jp/atcl/NBO/17/ibm_watson_fe0724/?P=2

【おまけ】こんな分野にもAIマッチング

保育園とAIマッチングサービス

少子化の一方で、共働き世帯の増加で待機児童は増え続けています。

子供が集中している市区町村では、毎年何百人何千人もの保育園の応募者を振り分けます。

しかしこれは各家庭の家族構成や保護者の労働状況等さまざまな情報を収集し、各家庭の希望を聞き、割り振るという途方もない作業でした。

この振り分け作業が遅れると、入園希望者も新年度にむけての準備や仕事の調整ができません。

その状況を変えるためにAIマッチングです。富士通の保育園マッチングサービスというものがあります。

「FUJITSU Human Centric AI Zinrai」というAIを搭載したソフトウェアを富士通が開発しました。

このAIにはゲーム理論が使われています。経済学でよく用いる思考法なのですがご存知でしょうか?

簡単にいうと、自分と相手の利益が最適な行動を決める時の思考法です。

この理論を保育所入所選考のマッチング問題に応用して、各家庭の優先順位を守りながら割り当てていくパターンを見つけ出したのがこのシステムです。

従来、中核市などで延べ約1,000時間かけていた数千人規模の入所希望児童の選考を数秒で終えることができるのです。

選考結果については、その理由を説明する支援機能も搭載されています。

希望する保育所に入れなかった応募者からの問い合わせや窓口対応にも円滑に行えるようになっていて、透明性が高い説明責任が果たせるようになっています。

このシステムの導入は全国で漸次的に進められてきています。

今春には大阪池田市でこのシステムを導入する予定で、大阪府での導入は初となります。

画像引用:https://pr.fujitsu.com/jp/news/2018/11/12.html

まだ課題はある

作業効率化が期待されている一方で、まだ改善が必要なようです。

2017年から富士通と共同で実証実験を行っていたさいたま市では、今春の入所希望約9000件をこのシステムを使って処理していました。

AIシステムを実行中、AIが動かなくなるというトラブルが発生しました。処理中のまま5時間が経過し、タイムアウトしてしまったのです。

この原因は、保護者からのさまざまな要望をAIに覚えさせ過ぎてしまったことでした。

「駅から近いところがいい」「駅の東口か西口にある保育所がいい」「兄弟と同じ保育園がいい」「とりあえず早急に入れて欲しい」など。

保護者の希望が複雑でAIの処理が追いつかなくなってしまったのです。

そもそもデータの蓄積が少ない上、ルール化が難しい要望にAIが対応できなかったのでしょう。

その後、開発元の富士通がAIの修復を行い、システムを実行したところ30分で作業が終了したということです。

トラブルはあったものの、選考にかかった総時間が約半分に削減できたことは大きな成果だったようです。

さいたま市保育課は、今後さらなる負荷テストを行い改善をしていただきながら予定としては今後も使用することを考えている、としています。

※参考:https://www.fnn.jp/posts/00050145HDK/202002061200_FNNjpeditorsroom_HDK

おわりに

今回はAIを使ったマッチングについてを紹介しました。

現代では、人と出会う手法は多様化しています。

もしかしたら今のあなたの出会いはとても限定的かもしれません。

AIマッチングという新しいシステムを使えばきっとコミュニティが広がりますし、

思いがけない出会いも待っているかもしれません!

一方で、こういったマッチングには危険な面あることは事実で、使用をためらう人も少なくないと思います。

安全性をしっかり見極めた上で、ぜひAIマッチングを有効に使ってみてください。

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