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2020.12.15

指先大マイコンで高精度の学習・予測が可能に ーエイシングが新エッジAIアルゴリズムを開発

最終更新日:

エッジAIスタートアップの株式会社エイシングは、“指先大”マイコンへの実装を実現した超省メモリなエッジAIアルゴリズム「メモリー・セービング・ツリー(MST)」を新たに開発し、2020年12月15日(火)より提供開始すると発表しました。

一般に流通する家電製品やスマートウォッチ、自動車などにすでに組み込まれている既存マイコンへ実装可能になり、高精度なエッジAIの多種多様な領域における活用を実現します。

これまで家電製品などに使用されている制御用マイコンではメーカー側の需要が高い一方、処理性能やメモリ容量の低さが原因で、エッジAIアルゴリズムの搭載が困難でした。そのような業界の課題を受け、エイシングが新たに開発した「MST」は、一般的な家電製品やスマートウォッチ、さらに自動車にも組み込まれる“指先大”マイコンへの搭載を実現しました。

MST搭載マイコンイメージ

MSTは、主に3つの特徴があります。

1つ目は、「省メモリ化と低計算コストの両立」です。一般的な家電製品やスマートウォッチといった省リソースなマイコンにも搭載可能になりました。

2つ目は、「高精度の学習・予測」ができることです。MSTは、超軽量かつクラウドと接続せずに、エッジ側での高い学習・予測精度を実現します。

3つ目は、「リアルタイム追加学習」をすることです。導入機器本体が自らリアルタイム追加学習を行うことで、環境や個体の「変化」に追従することが可能です。

これらの特徴を活かし、省メモリ化を実現した「MST」を開発したことで、市場の大半の32bitマイコンに対し高い学習・予測精度を持つエッジAIの導入が可能となります。これにより、第4次産業革命の推進で重要な産業機械への実装や、生活家電など幅広い機械や端末に対して拡げていくことができます。

可能実装範囲の一例としては、年間平均220億個※1ものマイコンを世界に出荷している業界シェア34%のArm社が提供するマイコンにおいて、弊社従来アルゴリズムでは「Cortex-A」シリーズが推奨実装範囲だったのに対し、この度「Cortex-R」、「Cortex-M」シリーズも推奨実装範囲になりました。

これによりArmベースマイコン出荷台数の約92%※2をカバーすることができ、それに相当するスペックのマイコンにも実装可能となることで、市場の大半をカバーするエッジAIが完成しました。

※1:Arm社が公表している2017〜2019年のArmベースチップ年間平均出荷個数。
※2:エイシング試算

1円玉硬貨(左)とMSTが実装可能なSTM32G0マイコン(右)

エッジAIをさらに身近なものへ

エイシングは、大規模な計算環境が必要なディープラーニングとは異なり、導入機器単体がクラウド接続を必要とせず、リアルタイムにエッジ側で学習・予測することが可能な独自のエッジAIアルゴリズム「AiiR®(AI in Real-time)」シリーズ※3を開発・提供しています。

また同社は、常に世の中に存在しない新たなAIアルゴリズムの開発を進めていて、2020年よりエッジAIのアルゴリズムに特化した研究・開発専門チーム「Algorithm Development Group(ADG)」を設立しました。そして、“IoT”や“工場の自動化(ファクトリーオートメーション:FA)”といった注目分野で特にその需要が高まっているエッジAIにおいて、革新的な“アルゴリズム”の開発を進めています。

これからは、AI業界において注目度が集まるこの“エッジAI”が一般的に使われる技術になることを目指し、世界の生活の隅々にまで「エッジAI」を普及させるべく、さらなる革新的な当社独自のAIアルゴリズム研究・開発を一層推進していくとしています。

※3:「AiiR® (AI in Real-time) 」シリーズについて
「AiiR®(AI in Real-time)」は、エイシングが独自開発する、クラウド接続を必要とせずエッジ(導入機器)側が独立してリアルタイムな学習・予測を行うことができるAIアルゴリズム技術です。高精度、軽量かつ環境の変化を逐次学習可能という特長を持ち、製造業やモビリティ業界を中心に実装が進んでいます。

エッジAIアルゴリズム「MST(メモリー・セービング・ツリー)」について

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