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2021.01.25

【ABMの活用事例7選】メリットやおすすめツールも紹介!

最終更新日:

近年、BtoBマーケティングの世界で「ABM(アカウント・ベースド・マーケティング)」に注目が集まっています。

そこで、「ABMツールを導入したいけれど、具体的な成功事例がわからない」と悩む人も多いのではないでしょうか?

また、「導入の成功事例を詳しく解説している記事は少ない」と感じる人も多いのではないでしょうか?

この記事ではABMツールの成功事例はもちろん、概要やメリット、おすすめのツールまで紹介します。

ABMとは?

ABMの定義

ABMはアカウント・ベースド・マーケティングの略称で、簡単にいうと顧客(アカウント)に合わせてマーケティングのアプローチを切り分けることを指します。

インターネットが登場する以前は、一人ひとりへのマーケティングの手法を棲み分けることはできず、テレビや雑誌、新聞などのマスメディアを通したマーケティングがメインでした。

そのため、従来のマーケティングでは業種や市場、地域などのターゲットを決め、一定量のコンテンツを投下することで認知を獲得する手法が主流でした。営業やマーケティングは、戦略的に業種や市場などの「ターゲット」を決めて活動をしていました。

一方で、Web関連の技術発展により、個人の趣味趣向などのデータに合わせ、特定の顧客(アカウント)を明確なターゲットに選び、戦略的にアプローチするABMが台頭してきました。

ABMツールとは

ABMツールとは、収益性の高い顧客を選び、自社のリソースを集中して戦略を行うために、ターゲットの情報の統合や選定が可能なツールのことです。

ABMツールによって、今まで商品やサービスごとに顧客管理されていたデータが企業単位で管理できるようになり、自社の商品やサービスをターゲット企業に対して適切な時期に提供できます。

ABMのメリット

リソースの無駄が減る

企業の営業活動は、機会損失が多いといわれます。これはデータに基づかず、闇雲に顧客にアプローチしていることが原因です。

近年ではABMの考え方のもと、SFA(Sales Force Automation)の導入が進んでいます。

SFAとは、企業の営業部の情報や業務の自動化、分析をして、ボトルネックの発見や効率化を図るシステムです。

SFAを活用することで、売れるクライアントに売れるタイミングで最適な営業のアプローチができるため、営業の機会損失を減らし、売上を上げることができます。

結果、人材や資金のリソースを無駄なく集中的に投下できます。

追跡や効果測定がしやすい

タイミングを逃すと営業は拒絶されやすくなってしまいます。みなさんも、自分が必要としていない時に営業のメールや電話が来たら嫌ですよね。

これを防ぐには、ニーズがあるタイミングでアプローチすれば良いのですが、適切なタイミングを見計らうことは困難です。しかし、ABMツールを導入すると効果を数字で計測できるため、自らフィードバックをして改善できます。

【企業規模別】ABM導入の成功事例

大企業編

株式会社セールスフォース・ドットコム

【事業内容】
ビジネスアプリケーションおよびクラウドプラットフォームをインターネット経由で提供
【業種】
システム開発・SIer・ソフトウェア開発, 情報通信・IT
【導入ツール】
SPEEDA
【導入前の課題】
中小・中堅企業に営業する際、Webなどから得られる情報が多くないため、情報収集にかかる時間と情報の質が課題だった
【効果】

  • SPEEDAの業界レポートと企業情報により、顧客をスピーディに理解できるように
  • 営業前の調査時間が1社あたり2時間から30分程度に削減され、商談化率も向上
  • 既存顧客の分析にSPEEDAの情報を活用することで、ターゲットリストの精度が向上

PayPay株式会社

【事業内容】
スマートフォンを活用した電子決済サービスを展開
【業種】
情報・通信
【導入ツール】
uSonar
【導入前の課題】

  • 開拓先のターゲット企業を手作業で検索し、情報収集して営業活動しているが、工数の負荷が大きい
  • 収集した情報は業種や売上高などの企業属性が少ないため、営業・マーケティングに活用しづらい

【効果】

  • 欠損していた業種や売上高などの属性情報を更新し、企業単位での傾向分析が可能に
  • 取引実績を日本最大の企業データベース『LBC』と統合することにより、市場の開拓状況を可視化できるようになった
  • 優先的にアプローチすべき新規ターゲットリストの抽出を実現

 株式会社ユーザベース

【事業内容】
企業・業界情報プラットフォーム「SPEEDA(スピーダ)」など企業活動の意思決定を支える情報インフラの提供
【業種】
IT・サービス
【導入ツール】
マーケティングオートメーション・ツール「Marketo」
【導入前の課題】

  • 失注案件のフォローに手が回らない
  • イベントやセミナーを実施する際、メール配信ツールがなかったため、集客にかなりの時間を要していた

【効果】

  • 脈がない新規案件をマーケティングチームに預けられるようになった→より確度の高い案件に集中でき、営業の作業効率が大幅にアップ
  • 業務効率化により新たなチャレンジ、やるべき施策に着手できるようになった

中小・ベンチャー企業編

株式会社スマートドライブ

【事業内容】
ハードウェアやアプリケーションの開発・提供、またはデータ収集・解析
【業種】
IT・情報通信
【導入ツール】
FORCAS
【導入前の課題】

  • 新規サービスのターゲット企業の解像度が低く、営業戦略に改善余地があった
  • ターゲット企業が定まっておらず、非計画的なアウトバウンドコールをすることもあり、営業生産性に改善余地があった

【効果】

  • ターゲット企業が明確になり、やるべき施策内容が変わった
  • リードに明確な優先度をつけて対応することで、営業効率が向上

 株式会社はなまる

【事業内容】
寿司店、回転寿司店の経営
【業種】
飲食
【導入ツール】
SPIRAL®
【導入前の課題】
元々従業員から健康状態を紙で報告してもらっていたが、店舗で紙データをPDF化する負担や確認まで一定の時間を要するため、即時に情報を確認し対策を打つことができなかった
【効果】

  • データの電子化に要していた年間360時間の作業とそれに伴う人件費の削減を実現
  • 登録されたデータをリアルタイムで本部から確認できるように

 株式会社オロ

【事業内容】
経営と業務の効率化を目的に、業務管理、管理会計、プロジェクト損益管理などの機能を持ったクラウドERPを提供
【業種】
情報・通信
【導入ツール】
シャノン
【導入前の課題】

  • 顧客情報管理やメール配信などの仕組みが乱立→顧客に対するさまざまなアプローチ間に文脈がなく、施策が分断したまま進められていた
  • 1to1で個別に施策を打ちたかったが、細かいデータの分析や連携ができないため、解像度の粗いターゲットに対してマスな施策を実行していた

【効果】

  • マーケティング施策が横断的に管理可能に
  • 顧客ごとのカスタマージャーニー(ペルソナの動きを時系列で見える化したもの)把握がしやすくなり、分析の精度が向上
  • インサイドセールスとの連携が強化された

 株式会社LIG

【事業内容】
Webサイト制作・メディア運用・コンテンツ制作
【業種】
コンピューター – ソフトウェア
【導入ツール】
MAツール「BowNow」
【導入前の課題】
アポ率が3~12%と営業担当者によりバラつきがあったり、10件の質の高いリストを作成するのに最長1時間かかっていた

【効果】

  • 自社Webサイトの特定ページを複数回訪れたリードを管理画面で検索し、リスト化してテレアポする流れで、平均10%のアポ率に安定
  • 既存のABM設定をそのまま使える「ABMテンプレート」を活用することで、リスト作成にかかる時間が半分に短縮され、営業効率が向上

ABMを成功させるポイントとは?

営業とマーケティングが密に連携をとる

ABMツールは、個人単位ではなく会社単位で運用するものなので、情報共有や施策での協力など両部門の連携が不可欠です。

ABMツール導入の目的は、コストの削減や売上の向上であるケースがほとんどでしょう。

そのため、顧客を成約につなげる営業部門と、追う案件・追わない案件を数字面で管理するマーケティング部門の両方のスキルが必要になります。

ABMツールの導入前に、営業とマーケティングの密な連携関係を構築しておきましょう。

デマンドセンターの構築

ABMで成果をあげるには、デマンドセンターの構築が欠かせません。

デマンドセンターとは、見込み顧客データの獲得、育成、選別、そして営業部門に見込み案件を渡すまでを担う組織です。

多くのBtoB企業では、マーケティング部でWebサイトの集客やメール配信、営業部でテレアポや商談というように、見込み顧客に対してバラバラのアプローチをしてきました。

しかし、この状態が続くと、部門間の共有が進まず取りこぼしが発生し、営業の成果が上がらないという問題が起こります。

そのため、ABMの成功はデマンドセンターにかかっているといえるでしょう。

【厳選】ABMツール5選

SPEEDA

ビジネスにおける情報収集・分析を効率化し、企業の進化を加速する経済情報プラットフォームです。

経営企画や法人営業に必要なリサーチを、スピーディーに行うことが可能になります。

【機能】

  • 560業界の市場環境・競争環境・動向をまとめたオリジナルレポートを収録
  • 国内企業を対象とした企業リストを、さまざまなシナリオから簡単に作成
  • 有料メディアや専門誌も含む2000媒体のニュースを配信

【料金】
7日間の無料トライアルあり
※有料版の料金は問い合わせる必要あり

【導入事例】

  • 株式会社セールスフォース・ドットコム
  • 東日本電信電話株式会社
  • ソニー株式会社

uSonar

顧客のあらゆる情報を名寄せして、デマンドセンターを構築できるツールです。

標準搭載している企業データベースをもとにデータクレンジング・名寄せを高精度かつ自動で行うので、ターゲット企業の選定にかかる工数を削減できます。

【機能】

  • 社内に散在するリード情報を統合
  • 顧客データと企業データベースを統合し、強味を発揮できるターゲット属性を把握
  • SFAやCRM、MAといったツールと連携可能

【料金】
問い合わせが必要

【導入事例】

  • PayPay株式会社
  • さくらインターネット株式会社
  • 株式会社ビズリーチ

FORCAS

独自の企業データと分析アルゴリズムの力で、成約確度が高い企業を特定し、ABMの実現を強力にサポートするツールです。

企業が抱える顧客データだけでなく、FORCASが所有する140万社以上の豊富な企業情報·顧客データを簡単に統合できるため、より成約確度の高い顧客データを見出すことが可能です。

【機能】

  • 成約確度が高いターゲット企業リストを簡単に作成可能
  • 既存の顧客傾向を解析し、相性の良い企業属性を特定
  • MAやCRMと連携することで、マーケ施策の成果や効率がより向上

【料金】
FORCASでは固定月額制を採用
※詳細な金額は見積もりが必要

【導入事例】

  • 株式会社スマートドライブ
  • NECソリューションイノベータ株式会社
  • 株式会社SmartHR

SPIRAL

業界・業務の効率化を支援するWebアプリケーション構築プラットフォームです。
テンプレと組み合わせることで、メルマガなどを簡単に作成できます。

【機能】

  • テンプレと組み合わせることで、メルマガなどを知識いらずで作成可能
  • 社内に散らばったデータをまとめて管理
  • 営業・マーケから社内(勤怠・給与管理など)までさまざまな業務・仕事に活用可能

【料金】

  • 2週間の無料トライアルあり
  • トライアル後は初期費用10万円+月額5万円

【導入事例】

  • 株式会社はなまる
  • コクヨ株式会社
  • 株式会社セガホールディングス

シャノン

顧客管理から見込み顧客育成まで、メールマーケティングを中心にセミナー/イベントの管理を実現するマーケティングプラットフォームです。

統合型マーケティング支援市場7年連続シェア1位を獲得しています。

機能

  • 柔軟に設定できる条件を活用して、細かなターゲットリストが作成可能
  • LP(ランディングページ)とWebフォームを自動生成して管理
  • リードの獲得からコンタクトの状況、顧客の行動履歴などを総合的に管理

【料金】
問い合わせが必要

【導入事例】

  • エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社
  • 株式会社オロ
  • サイボウズ株式会社

まとめ

今回は、ABMの導入事例を中心に、メリットやおすすめのツールまで紹介しました。

自社と同規模の企業の成功事例を知ることで、ABMツール導入後のイメージがしやすくなったと思います。

この記事では5つのABMツールのみ紹介しましたが、当サイトのABM別記事ではツールを多く紹介しているため、そちらもぜひチェックしてみて下さい!

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