みなさんはデータサイエンスをご存じですか。
一度は耳にしたことがある言葉かもしれませんが、正しい定義や使い方がわからない方も多いのでは無いでしょうか。
AIや機械学習が身の回りのあらゆるところで活用され、データサイエンスにも注目が集まっています。
今回はデータサイエンスについて手法をメインに紹介していきます。
目次
データサイエンスって何?
データサイエンスとは統計学の一種で、コンピューターサイエンスと数学などの要素から膨大なデータを解析することで結果を抽出する手法のことです。
データサイエンスをビジネスに活用することで、効率的な業務をアシストし、生産性の向上につなげることができます。
▼データサイエンスについて詳しく知りたい方はこちら
・データサイエンスの3要素を解説 – 基礎から活用事例まで紹介>>
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データサイエンスを導入するメリット3つ
データサイエンスの導入にはさまざまなメリットがあります。
以下で詳しく解説します。
コスト削減
データサイエンスを活用しデータを分析すると、自社の課題を見つけられます。
例えば、利用していないのに費用がかかってしまっているツールを見つけたり、人材が余ってしまっている部署を発見できます。
これらの分析結果をもとに、不要なツールを解約して人材の配置を転換することで、無駄な費用や人件費の削減を実現できます。
このように、データサイエンスはコスト最適化に活用できます。
業務効率化
データサイエンスの導入はコストの削減だけでなく、自社の業務効率化にもつながります。
膨大なデータを分析することで、業務の段階で発生する欠陥や改善点を見つけられます。
つまり、業務の問題点を改善するためのアクションが起こしやすくなるためさらに効率的な運用を目指せるというわけです。
さらに、実行するアクション自体もデータサイエンスによって検討することで、効果的な施策を打ち出すことが可能となります。
客観的な意思決定が可能
従来の日本企業では経験や勘に基づいた、意思決定が尊重されていました。
しかし、情報量が増加し、顧客ニーズが多様化した現代においては、 このような意思決定だけでは判断を誤る可能性があります。
その点、データサイエンスでは様々なデータを活用して意思決定するので、主観的でない客観的な判断が可能です。
常にニーズや情報が変化する現代社会では、データに基づいた意思決定を行うデータドリブン経営が求められていると言えるでしょう。
データサイエンスの手法
データサイエンスをするのにもいろいろな手順があります。
以下でデータサイエンスを行う際の手順について紹介します。
解析・分析の目的の決定
最初にデータサイエンスによって解析・分析する目的を決定していきます。
何のためにデータサイエンスをするのか決定されていない研究には意味がありません。目的をはっきりさせないと集めるデータも不明確になってしまうので目的を明確化させる必要があります。
解析・分析を行うデータの準備・取得
解析や分析の目的が決定したら、解析を行うデータの準備や取得を行います。
最初に決定した目的に関係するデータを中心に集めます。
データの準備・取得にはコストがかかるため、取捨選択をして質の良いデータを集めるようにしましょう。
データの可視化
データの収集ができたら、そのデータを可視化します。
データ可視化とは、数値データだけでは確認しにくい現象や事象を、グラフ・図・表などの目に見える形で表現することです。
データを可視化することでこの後の手順で扱いやすくなります。
データの前処理
データの可視化が完了したら、データの前処理を行います。
データ前処理とは、簡単にいうとAIにデータを学習させる前にデータを加工することです。
データを綺麗に整理することで、AIがデータを学習しやすくなります。
また、この作業を疎かにするとデータサイエンスができなくなってしまう場合があるので多くの時間を使ってしっかりと行うことが多いです。
統計的手法や機械学習を活用したモデリング
データの前処理が完了したら、統計的手法や機械学習を用いたモデリングを行います。
データモデリングとはデータの流れを図式化するプロセスです。
その図を使用して、データ要件を効率的に満たすフォーマットを定義します。
この作業では数学的な専門知識が必要になります。
評価
モデリングが完了したら、データサイエンスを評価します。
モデリングによって出された結果が正しいか慎重に判断する必要があります。
レポート作成
評価から得られた要素から慎重に判断し、結果をレポートにまとめます。
レポートの内容に誤りがないか確認しましょう。
意思決定
ここまでの手順が全て完了したら、この結果をもとに意思決定を行います。
最初に決定したデータサイエンスの目的が果たされているのか確認し、できていなけばやり直し、果たされていればデータサイエンス完了です。
データ分析の手法9選
データ分析には代表的な手法が9つあります。データの種類や目的によって適切な手法を使用します。
以下でそれぞれ紹介します。
アソシエーション分析
アソシエーション分析とは、一見関係性のないデータ群から類似する特徴を見つけることで、データ同士の関連性を見つけ出す分析手法です。
「一方が〇〇の場合、もう一方が✖️✖️である」といったデータ間にある隠れた関連性をマーケティングに反映させることで顧客の購買行動の予測ができます。
そこから、商品の配置やデザインに活用させることで、セールス向上が見込めます。
バスケット分析
バスケット分析は消費者がある商品を購入したときに同時に購入される商品を分析する手法で、アソシエーション分析から派生した分析方法です。
関連性の高い商品を見つけることで、レコメンド機能やプロモーションなどの施策を効果的にできます。
分析対象が狭いので、小さな小売店でも導入しやすく、反映させやすいというメリットがあります。
クロス集計分析
クロス集計分析とは特定の条件でまとめられた属性データを2〜3軸で集計し、項目同士の相互関係を分析する手法です。
アンケート結果の集計で利用される場合が多いです。属性のデータを横軸と縦軸にそれぞれ当てはめることで相互関係を可視化し、関係性を見つけることが可能です。
結果をマーケティングに落とし込むことで、新サービスの開発やターゲットに反映できます。
決定木分析
決定木分析とは1つの結果に対して「もし〇〇だったら」という仮説を基に結果予測を立てていき、クロス集計を繰り返すことで関連性を見出す手法です。
結果に対して仮説を繰り返し、数多くの結果予測を行う特性からリスクマネージメントの分野で利用されることが多いです。
特定の商品やサービスの売れ行きにどんな要因が関わっているのか解析し、結果をプロモーションへ反映できます。
ロジスティック回帰分析
ロジスティック分析はある事象の発生率を可視化する分析手法です。ある事象に対して「発生する」「発生しない」の結果を集計し、発生確率を分析できます。
ロジスティック分析は幅広い分野で活用されています。マーケティング分野では、ある商品が売れる確率を予測し、商品の購入有無という分析結果から顧客の特徴を捉えます。
因子分析
因子分析とはビジネスに限らず多くの分野で利用される分析手法です。
複数のデータ間から共通因子を見つけることで、消費者の特徴を捉えることができます。
現在は研究のみならずマーケティングなどの領域でも利用される手法となりました。
因子を抽出することで、消費者の潜在意識や隠れた購買意欲を発見できます。これを利用することで、競合他社との差別化が図れます。
ABC分析
ABC分析とは、商品や顧客などに対して発生する売上高やコスト、販売個数、在庫などの指標を、重要度に合わせA・B・Cでランク付けをする分析手法です。
在庫管理や販促などで活用され、売れ筋メニューを明確にするだけでなく、在庫を圧迫する「死に筋商品」を明確にできます。
商品の売り上げ貢献度を理解することで、仕入れの強化が見込めます。
クラスター分析
クラスター分析とは、たくさんの異なるデータ群の中から似通ったデータをグループとして分類する手法です。
クラスター分析の対象となるデータは企業から商品など幅広く、それぞれを共通のルールでグループ化し、各商品のポジションやセグメントなどの把握ができます。
クラスター分析は市場の調査で活用されることが多く、消費者属性の違いを見つけ出せます。
主成分分析
主成分分析は複数の項目・種類があるデータを分析するときに利用される手法です。
1つのデータが持つ多種類の属性を少数の項目に変換し、シンプルにすることで全体像を把握しやすくします。
データを簡素化すると分析がしやすくなるので、目的に合わせて適切に活用すると効果的に結果を抽出できます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回はデータサイエンスの手法についてたくさん紹介しました。
データサイエンスにもさまざまな手法があり、目的によって効果的なものが使われています。
データサイエンスについて興味が湧いた人はそれぞれの手法についてより詳しく調べてみるのも良いかもしれませんね。