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2018.07.17

設立から1年!JDLAがディープラーニング利活用促進のためにやったすべてのこと【総会レポ】

最終更新日:

おざけんです。2018年7月4日に日本ディープラーニング協会(JDLA)第一期社員総会が開催されました。

2017年に設立されてから1年が経過しました。試験だけでなく政府への提言などディープラーニングの利活用を進めるべく各委員会が積極的に活動をしてきました。

この記事では、総会の様子を振り返るとともに、なかなか知れないJDLAの第一期の活動内容をご紹介します。そして、総会後に開催された「G検定 合格者の会」の様子もお届けします。

JDLAについて詳しくはこちらから。

日本ディープラーニング協会(JDLA)

株式会社FiNCのオフィスにて開催。オープンスペースに理事や会員が集まりました。

JDLA総会の会場

会場の様子。オープンスペースの奥に理事陣が並ぶ。

【理事による集合写真】

それぞれの委員会の活動報告

日本ディープラーニング協会は今まで3つの委員会で運営されてきました。総会ではそれぞれの委員会の活動報告のほか、新たに設置された公共政策委員会についても説明がありました。

試験委員会

【尾形理事(早稲田大学)】

G検定の実施

申し込み 受験数 合格者数 合格率
G検定2017 1,500人 1,448人  823人 56.8%
G検定2018 #1 2,047人 1,988人 1,136人 57.1%

申し込みの増加に加え、名刺にロゴを入れる人も増えた。次回のG検定は2018年11月24日の実施予定。

E資格の実施

2018年9月29日にE資格試験を実施予定。受験者の見込みは約300人。

ガイドブック制作プロジェクト

産業活用促進委員会のG検定教科書制作プロジェクトについて、試験委員からも執筆陣をアサインして制作を進めている。今秋リリース予定 。

シラバスの策定

G検定・E資格の実施にあたり、シラバスを策定。特にE資格のシラバスについては、経産省など協会外団体からも参考にしたいとの声が多数。

プログラム認定委員会

「JDLA認定プログラム」として5つのコースを認定

ディープラーニングを教える側を増やすため5つのコースを認定

試験委員会下の部会に変更

試験委員会下の部会となり、さらなる認定プログラム増に取り組む。

教育事業者だけでなく大学や企業の研修も認定プログラムに

埼玉工業大学がAI専攻を新設。今後も事例を増やしていく。

記事:埼玉工業大学、AI専攻を新設 日本ディープラーニング協会と連携しAI時代に求められる人材を育成

パブリックコミュニケーション委員会

【井﨑理事(NVIDIA)】

公的機関・産業への提言活動

  • 「人間中心AI社会原則検討会」 5月8日以降各月で実施
  • 経産省への定期活動報告会を隔月にて実施
  • 日本化学会との人材育成に関する連携活動 – 経産省支援

国際連携活動

  • Beneficial A.I. 2017年10月12日実施 登壇およびWorkshop参加
  • IEEE Ethically Aligned Design Workshop 3月6日 登壇

社会との会話活動

  • AI EXPO ブース出展
  • 人工知能学会全国大会 企画セッション「「AI人材」に今求められることと教育環境の理想と現実」の実施
  • G検定・E資格合格者によるコミュニティ発足

その他広報活動

  • 外部講演 メディア掲載
  • ソーシャルメディアによる各種イベント、メディア掲載告知
  • G検定、E資格パンフレット作製

産業活用促進委員会

【佐藤理事(connectome.design)】

産業活用最新事例の共有

Slackのワークスペース内専用チャネルを設置(#case_study)し、産業活用最新事例を共有。

JDLA産業活用ハンドブック刊行

G検定受験にも有益であるような産業活用ガイドブックを作成。2018年10月上旬の出版を目標。

ディープラーニング利用実態市場調査

企業におけるディープラーニングの利用実態に関する調査レポートの作成を試みるも、責任を持って発信できる内容にならず。「産業分野における人工知能及びその内の機械学習の活用状況及び人工知能技術の安全性に関する調査」として、期中の発表を予定。

企業とディープラーニング提供企業とのマッチング

ディープラーニング技術を必要としている企業と、ディープラーニング技術を提供する企業のマッチングイベントを企画。今期実施のため引き続き作業を進める。

AI・データ契約ガイドライン提言

経済産業省からの『データとAIの両面から法的論点等の整理をし、ユースケースに基づき検討を行うため、「データ契約ガイドライン(後にAI・データ契約ガイドラインに改名)検討会」を設置する。』というアナウンスを受け、分科会を設置。

検討委員を務める岡田理事を取材した記事は以下。

データは石油だ! 大企業×スタートアップのデータ活用の可能性『AI・データの利用に関する契約ガイドライン』が策定

産業座談会

行政機関・産業界とJDLAメンバーによる座談会を企画。

その他

公共政策委員会(NEW)

【江間理事(東京大学)】2期から理事に加わる。

目的

ディープラーニングを含む人工知能技術システムに対して法的・倫理的・社会的・政策的に議論されている課題の調査と情報発信。

活動内容

  1. ポリシーアジェンダのマッピング
  2. 会員などを対象とした勉強会・広報・危機管理対応
  3. 海外機関等との連携

松尾理事長からの挨拶

【松尾理事長(東京大学)】

振り返りと展望

「第一期は非常にいい形の活動ができたと思っています。G検定はたくさんの方に受けていただき、E資格の準備も着々と進んでいます。

理事のみなさん、ご支援いただいているみなさんのご協力のもと、いい形で進んできています。

資格試験からやろうというのが戦略でしたが、さまざまな産業がディープラーニングで底上げされて、新たな付加価値を生み出せないと意味がないと思っています。今後は産業や社会に対するアクションをもっとやっていきたいです。

インターネットが出てきたときに社会にどれだけのインパクトをもたらすのかを想像できた人は大きなイノベーションの果実をものにできました。

ディープラーニングは大きな革新ですし、ディープラーニングを中心に新しいイノベーションが起こり、そこに産業が出現するときには、その中心には協会があるべきだと思いました。

協会を作り、その中で人材育成や産業界への働きかけなどをやっていったほうがいいだろうという思いでこのような活動をしています。

ディープラーニングが勝つ方にかけています。協会の活動がその中心になって、いろいろな産業の底上げにつながればいいなと思っています。

第二期も頑張ってまいりますので、ご支援のほどよろしくお願いいたします。」

G検定合格者の会の開催

総会後にはG検定の合格者を集めた「合格者の会」を実施しました。150人を超える多くの合格者と会員が交流しました。

岡田事務局長の冒頭挨拶

トヨタ自動車 先進技術開発カンパニー 竹内康臣による乾杯

会場の様子

豪華な食事も振る舞われた

G検定2018#1 最高得点合格者の表彰

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さいごに

ディープラーニング技術の利活用促進のために、多角的に活動にあたっているJDLA。1年が経過し、多くの人や団体を巻き込んでさらに勢いを増しています。

各理事や各会員がディープラーニングの力を信じて取り組む姿は間近で見てきました。これから、ディープラーニングの力を信じて各産業で活用を進めていく。

そのためには協会を中心とした私たち個人の力も大切になってきます。

JDLAが会員を募集していますので、参加するのもよしですし、G検定やE資格を受験してさらにディープラーニングの理解を深め、事業へ応用していくことも大切な取り組みです。

引き続きディープラーニングがもっと社会をより良くするように、私たちひとりひとりが主体的に取り組んでいきましょう。

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