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膨大なニュースを自然言語処理などのAI技術で解析し、企業・経済に与える影響を予測する「xenoBrain」を開発するxenodata lab.(ゼノデータラボ)が、 「Forecast Tech カオスマップ」を作成し、公開しました。
Forecast Tech(フォーキャスト・テック)とは、 予測を意味する「Forecast」と「Technology」を組み合わせた新しい言葉で、 業種や取扱うサービスに関係なく、 『テクノロジーを駆使して、 将来における何らかの「予測」を行う』企業群を指しています。
2019年7月18日に開催されたSoftBank World 2019では、孫正義がAI(機械学習)による予測に注目していると述べるなど、AIの予測を活用したサービスが今後も多く誕生するでしょう。
孫正義氏:AIが一番得意なこと、これを一言で言い表すなら、AIは「プリディクション(予測)」に最も適した役割を果たします。
近年ますます勢いが増す機械学習などのテクノロジーの発展、データ量の爆発的な増加、 開発資金の流入を背景として、 米国を中心として予測情報を提供する企業が広い業界で登場し、 大規模な資金調達を行うなど盛り上がりを見せています。
テクノロジーを駆使した予測技術は各分野に発展し、 特に米国を中心に多くの企業が登場しています。 米国では、 小売の売上・販売数・客数予測を行うRELEX、 工場の生産設備の更新時期を予測し、 設備投資の最適化を支援するC3.ai、 セキュリティリスクの事前検知に特化したSecurity Scorecardなど、 複数のスタートアップがこれまでに累計100億円以上の資金調達を実施しています。
日本においても、 電力需要予測と発電最適化ソリューションを提供するパネイルや、 IoTセンサーを用いて介護現場における高齢者の排泄予測を行うD FREEなどのスタートアップに注目が集まっています。
一方で、 スタートアップに限らず、 Amazonは、 時系列データに基づく製品需要予測サービス「Amazon Forecast」のローンチを発表、 日本でもソニーが機械学習を用いた予測分析ソフトウェア「Prediction One」を発表するなど、 大手企業においても、 テクノロジーを活用した予測サービスの開発・提供が加速しています。
機械学習の領域では膨大な時系列データ(時間的な変化を、連続的に観測してデータ)をもとに、未来の来客数や売上の予測、価格の最適化などを手がけるサービスが誕生しています。他にも、機械学習技術を活用して人の目で処理しきれない膨大なデータの関連性を可視化することで、未来への影響を予測するなど、まさに「予測」はAI(機械学習)の得意領域と言えます。
機械学習などのテクノロジーを活用した予測サービス自体は、 業界、 対象を問わず広く流行していますが、xenodata lab.は、その中でも経済事象に特化した予測サービスを提供する企業です。
経済事象の予測分野において、世界では、 株価や先物価格の予測のみならず、 株価や経済に大きな影響を与える事象を予測し、 リアルタイムにデータ提供を行うDataminirが累計577億円の資金調達を完了、 ユニコーン(企業価値が10億ドル以上の非上場企業)企業としての評価を得ています。
また、 経済事象全般の予測サービスを行うKensho.com(2018年3月にS&Pが約550億円で買収)やIR情報の解析により市場動向予測を行うPrattle Analytics(2019年6月にLiquidnetが買収、 金額は非公開)、 法人向け経済リスクを予測するAYASDI(累計106億円の資金調達を完了)など、 米国では既に大型の資金調達・買収が相次ぎ、 大きな盛り上がりを見せています。
日本においても、 独自のアルゴリズムに基づく株価予測を提供するAlpaca、 ビッグデータを用いた企業の売上予測を提供するNowcastなどが誕生しています。
自然言語処理技術を用いたニュース解析により企業業績を予測するxenodata lab.が提供するxenoBrainは、経済ニュースや決算情報を自然言語処理技術(AI)で解析し、経済・企業の将来予測をリアルタイムで提供する、企業向けSaaSサービスです。
xenoBrainについて、詳しくはAINOWで公開中のインタビュー記事をご覧ください。
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