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近年、ネットサーフィンをしていると、「気軽にチャットボットに聞いてみよう!」といってチャットボット機能を搭載したサイトが増えてきました。みなさんの中にも実際に遭遇したり、利用したことがある方も多いかもしれません。
このように、チャットボットは私たちの日常生活の中にも徐々に普及してきており、企業からも近年注目されている技術の一つとなっています。そこで、今回は簡単に「チャットボット」にまつわる内容について紹介いたします!
目次
チャットボットが注目されているのはなぜ?
コールセンターが抱える問題
コールセンターの業務は、電話を通してお客様とやり取りを行うことです。お客様が抱えるさまざまな問題に対して、円滑に、かつ明確に対応しなければいけません。そのため、誰でも気軽に利用できるサービスとして、お客様との距離がもっとも近い役職と言えます。その距離の近さ故に、コールセンターは以下のような多くの問題を抱えています。
- 離職率が高い
- 待ち時間が長い
- 24時間対応が難しい
このままでは、コールセンターとしての役割を果たせないどころか、顧客側にも大きな損失を与えてしまいます。
上記に挙げた問題に対応するために、近年多くの企業ではチャットボットの導入が盛んに行われてきています。では、コールセンターとチャットボットにはどのような関連性があるのでしょうか?その疑問を解消するために、まず簡単に「チャットボット」について学んでいきましょう!
チャットボットとは?
まず、「チャットボット」とは何かを簡単にわかりやすく解説します。
チャットボットを一言で表すと…
チャットボットは、ズバリ「チャット(会話)」+「ボット(ロボット)」です。つまり、対人間ではなく、対ロボットと会話ができる技術のことです。
そんなことを聞いても、「ロボットと会話をする?!….そんなことできるの?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。実は、そのようなチャットボットの一種として、LINEなどのメッセージングアプリを使ったサービスも増えており、意外にも気軽に利用できるサービスとして普及してきています。
このようなチャットボットは、「会話をやりとりするための自然言語処理」や「もっと円滑で自然な会話をするために会話を分析する人工知能」など、多くの技術の組み合わせによって実現されています。
チャットボットは4種類!
チャットボットといっても、大きく4つに分類することができます。
- ログ型
これまで記録された会話の内容を学習して、より文脈に近い会話を返答してくれる学習型チャットボット。記録された会話のデータ量が多ければ多いほど精度が向上し、より自然な会話ができるようになります。
- 選択肢型
選択肢に合わせた、決められたシナリオに沿って会話が行われる選択肢式チャットボット。自分の求める選択肢が限られているため、シナリオにない受け答えはできません。
- 辞書型
辞書に登録されたテンプレートに従って会話が行われる、辞書型チャットボット。会話できる範囲は限定されているが、範囲内であれば自然と会話しているように対応できる。
- 選択肢型&辞書型
選択型と辞書型の両方を利用できるチャットボット。
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「チャットボット=人工知能」ではない!
人工知能とは人間の能力を再現するものですが、チャットボットとは人間と会話をするものです。上記で挙げた4種類のチャットボットは、まるで人間と会話をしているように動作しますが、これは単に予め決められた操作を辿っているだけで「思考」が関与していないのです。よって、チャットボットは人工知能と対比して、人工無脳とも呼ばれているようです。
一方、近年チャットボットを人工知能と組み合わせることで、入力した質問の意味を理解してチャットボット自らが判断し、自然な返答をするという操作も実現してきています。このようなチャットボットは、まさしく「人工知能型チャットボット」と言えるでしょう。こういった人工知能型チャットボットは、自然な返答を実現するために大量の会話データを用いて学習させる必要があります。そこで、実際の会話を学習データとして気軽に、かつ大量に集めるために、LINEのチャットボットが提供されているのです。
チャットボットの歴史
チャットボットの元祖といえるのが、1960年代に開発された対話システム「ELIZA(イライザ)」です。
「ELIZA」は、心理療法の1つの技法である「クライアント中心療法」を取り込んだチャットボットで、セラピストが解決策を患者に提示するのではなく、聞き役となって共感や理解に徹し、患者の成長と変容を促すカウンセリング技法が可能になりました。
しかし、この「ELIZA」はAIを搭載していたわけではなく、プログラムによって動いていたため実際の会話を理解していたわけではありません。このことから「人工無能型」と呼ばれています。
その後も人工知能は発展を続け、2011年にはAIを搭載したチャットボットである「Siri」が発表されました。また、「Siri」に続いてAIスピーカーのようにチャットボットの仕組みを応用したツールも登場しています。
このように、チャットボットは進化し、発展を続けてきたことがわかります。
チャットボットを導入するメリット
ここまで、チャットボットについて簡単に説明してきました。次に、チャットボットのメリットについて企業側と顧客側に分けてみていきましょう。
企業側のメリット
まず、企業側のメリットとして、以下の2つが挙げられます。
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顧客側のメリット
そして、顧客側にも以下のようなメリットが挙げられます。
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このように、チャットボットができる仕事はコールセンターの業務に関連しているため、その業務の一部をチャットボットに置き換えることによって、コールセンターが抱える問題の解消に繋げられると言えるでしょう。
そのため、近年では多くの企業がチャットボットを導入し、効率的な業務が実施されています。
チャットボットのデメリット
チャットボットにはいくつかデメリットもあります。ここでは、2つ紹介します。
それぞれ解説します。
初期コストがかかる
まず、初期コストがかかることがデメリットとして挙げられます。
チャットボットを導入する場合、「PoC(概念実証:Proof of Concept)の取り組み」「KPIの設定」「QAリスト作成」などが必要となるため、準備するための時間と初期コストがかかります。費用対効果を得るまでは、数年かかる見込みとなるでしょう。
導入後も体制を整える必要がある
そして、導入後も体制を整える必要があるということです。
導入後は質問・回答のデータを分析し、より回答精度や回答率を高めるよう、チューニングが必要となります。そのため、導入した後でも放置するのではなく、サポート体制を充実させておかなくてはなりません。
チャットボットの作り方
初心者の方でも、簡単にチャットボットを作れるようなツールもあります。ここではチャットボットを作成できるツールを3つ紹介します。
それぞれ解説します。
【hachidori(ハチドリ)】
シナリオ・フリーワード・友人チャットを組み合わせて構築できることや、LINE・WEB・Messengerなどの各プラットフォームで利用できます。また、自然言語解析機能によってユーザの意図を正確に読み取り、ユーザーが欲しい情報だけを提供できるという特徴を持っています。
【hitobo】
自動的に返信するボットと人の対応を瞬時にスイッチできる機能をもちます。また、初期導入が簡単で、FAQを画面上で入力するか、CSVでアップロードするだけですぐにチャットボットが生成され、一からシナリオ作成をする必要がありません。
【AI-Q】
IBM Watson日本語版を活用したサービス。ブラウザから簡単に、学習データとして質問や回答を登録したり、フィードバックや回答精度の向上したりすることができます。
導入相場の比較表 – おすすめのサービス5選
サービス名 | 初期費用 | 利用料 | 導入支援 | 運用支援 | 特徴 |
FirstContact | 無料 | 有人対応プラン:2,980円/月
AI自動応答プラン:15,000円~/月 |
〇 | 〇 |
|
Chat Plus | 無料 | 1,500円~/月 | △ | 〇 |
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RICOH Chatbot Service | 5,000円 | 18,000円~/月 | 〇 | 〇 |
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Neoスマボ | 50,000円 | 100,000円~/月 | ー | ー |
|
hachidori | 100,000円 | 50,000円~/月 | ー | 〇 |
|
以下で、これらのサービスをそれぞれ詳しく紹介します。
FirstContact(ファーストコンタクト)
FirstContactは、運用後のサポート充実、顧客の課題に合わせたカスタマイズ、導入しやすい価格が特徴となっています。
そのため、チャットボットサービスをはじめて導入する方などにおすすめです。
Chat Plus(チャットプラス)
Chat Plusによって、売上が30%〜200%増加した例や、コストを80%削減できた例もあります。また、誰でも簡単に理想のチャットボットを、設定・運用できることが特徴です。
RICOH Chatbot Service(リコー チャットボット サービス)
RICOH Chatbot Serviceでは、自動で作られるタグをコピー、ペーストするだけでサイトに設置できます。また、運用の際に面倒なシナリオ設定も事前に設定済みであることも特徴です。使い慣れたExcelで作ったQ&Aデータを読み込むだけで、すぐに開始できます。
Neoスマボ(ネオスマボ)
ボットが回答できない質問への回答手段として、ボットから有人対応に切り替える方式を提供可能、また、各種サービスツールへ組み込むためのAPI機能もあることが特徴です。
ネオス社の多様な企業向けシステム開発実績を元に、チャットボットと業務システムを連携させる開発に対応できます。
hachidori(ハチドリ)
7,000を超える開発実績から高度なシナリオ設計までサポートし、幅広い用途のチャットボットを各種プラットフォームで開発できることが特徴です。
大手企業、スタートアップ、自治体などで導入実績があります。
チャットボットの導入事例
チャットボットの導入事例を3つ紹介します。
それぞれ解説します。
ぽすくま – 荷物の追跡サービス
郵便局によるサービスで、LINEの「ぽすくま」に話しかけることで、荷物の追跡と再配達の申し込みや集荷の申し込みなどが簡単にできます。最近では、LINEのトークに写真を送るだけで、オリジナルの切手をすぐに作成してくれるサービスもあるようです。
ユニクロ – 買い物アシスタント
ユニクロのアプリに追加された機能で、オススメコーディネートの提案や、人気商品の紹介、店舗の在庫情報の提供など、ユーザー専用のお買い物アシスタントです。
Repl-AI – 分別方法の検索ツール
横浜市では、ゴミの分別の仕方を検索するツールとしてチャットボット作成サービス「Repl-AI」を用いて作成したチャットボットを利用できます。横浜市は、大学が27もあることから若者の転入が多く、手軽に知ってもらいたいとの想いから導入が実施されたようです。「旦那の捨て方」を検索しても回答が出るという噂もあります。
チャットボットのこれから
多くのチャットボットは、メッセージのやりとりによって実現されていますが、音声UIとの組み合わせによるチャットボットも注目されています。
【スマートスピーカー】
Google homeやAmazon Echoなどといった、AIスマートスピーカーをご存知でしょうか?CMなどで、人間がロボットに「電気を消して」というと電気を消してくれる様子などをみたことがあるかもしれません。そのようなスマートスピーカーが人間と言葉で(音声で)会話をする際にも、言葉の意味を解釈して返答をする部分にチャットボットと同様の技術が使用されています。
このようにチャットボットは、これからロボットなどの機械に組み込まれることによって、人間とロボットの対話の手助けを担う存在となっていくでしょう。
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以下にLINEで使えるチャットボットの記事もあるので、興味がある方はぜひご覧ください!
おわりに
以上のように、チャットボットはみなさんに身近な「お問い合わせ」を効率化させる機能を持ち合わせた、革新的な技術です。今後は、文章によるやりとりだけでなく、音声による会話の実現も持ち合わせた技術としてますます発展していくと思います。
▼YouTubeでもこの記事について解説中!
理系の大学院生として、自然言語に関する研究をしています。現在は、主に言葉の意味について興味があり、AINOWでは言語に関することを記事にしていきます。普段は美味しいものを食べたり写真を撮ったりすることが好きで東京の様々なところを散策中。