最終更新日： 2021年2月19日

自社で展開するECサイトやWebサービスの会員情報を管理するため、多くの企業で会員管理システムを導入し始めています。

しかし会員管理システムを導入したいけれど、「どれが自社に合っているのか分からない」「本格的に利用する前に試したい」という方もいらっしゃると思います。

そこで今回は、無料ではじめられる会員管理システムについて中心に紹介します。
また、会員管理システムの基礎知識からシステムを導入するにあたり確認した方が良いポイントも伝授します。

１．会員管理システムとは

会員管理システムとは

会員管理システムとは、ECサイトやWebサービスの会員情報を管理するシステムです。会員の情報管理はもちろん、会費の回収や会員サイトの管理までできます。

また、会員の属性や購買履歴を管理することで、マーケティング活動に活用できます。

会員管理システムの必要性

現在、多くの市場が成熟しサービスや商品が多様化しています。

そのため「安くて良いサービス・商品を提供する」「足で稼ぐ営業」だけでは、会員の増加や定着ができなくなりました。

そこで、会員のより細かいニーズを分析し、適切なタイミング・方法で、適切なサービスを提供することが求められています。

また従来は、テレビCMやチラシなど大衆向けに情報発信することが一般的でした。

インターネットが普及した現在では、企業と消費者が直接コミュニケーションを取りやすくなりました。

そのため個人への発信がより効果的になっています。

このようなアプローチをサポートしてくれる会員管理システムの需要は高まってきています。

２．会員管理システムの基本機能

データベース

会員管理システムの基本機能はデータベースです。

会員の名前、年齢、住所などの基本情報だけでなく、購買履歴、決済履歴なども記録し蓄積します。

また個別のデータ管理だけでなく、会員や属性の内訳や、会員の嗜好や購買の傾向なども分析してくれます。

プロモーション

会員管理システムの多くはプロモーション機能を備えています。
プロモーション機能では、メール配信などで会員をアプローチし、サイトの利用や商材購入を促進します。

従来は不特定多数の会員に同様のメールを配信する傾向だったため、プロモーションの効果があまりありませんでした。

会員管理システムでは、データベースに登録された会員を分析し、会員一人ひとりに合ったアプローチができるので、より効果的です。

会員サポート

会員のマイページでは、問い合わせフォームやサポートセンターを設置できます。

お客様からの要望や意見などを受け取り、適切で迅速にフィードバックしたり、今後のサービスに反映できます。

そのため、さらなる顧客満足度や売上の向上につなげられるでしょう。

３．会員管理システム導入のメリット

会員情報・傾向を把握できる

会員管理システムでは、会員情報をデータベース化しその情報を分析することで、会員の傾向を把握したり好みの推測ができます。

傾向の把握や好みの推測ができ、適切なプロモーションへつなげられます。

プロモーションの効率化

プロモーション活動では、適切なターゲットに絞るところから始まります。

会員管理システムを利用することで、属性情報や購買履歴などからターゲットを絞りプロモーションを効率化できます。

セキュリティ対策になる

会員管理など個人情報を管理する上で、セキュリティ対策は重要です。

エクセルや紙で管理することは、手間や時間の面はもちろん、セキュリティの面でもおすすめしません。

会員管理システムの多くは、情報漏洩しないようにセキュリティ対策がしっかりされています。

４．無料会員管理システムでできること

会員情報管理

膨大な会員情報を多様な項目ごとに管理できるものもあります。
また豊富な検索項目で会員データを検索し、ターゲットを絞り、メール配信できます。

入金管理

会費や月謝などの集金も、自動消込機能でかんたんにできるものもあります。
決済方法も多様で、銀行振込からネット決済まで対応しています。

マイページ

お知らせ配信、イベントスケジュール、出欠確認などの機能を搭載しているものもあります。
また、WEB会員証も搭載されています。

セキュリティ対策

エンジニアによる有人システム運用監視、障害対応など万全なサポート体制が用意されているものもあります。
また、高速大容量ネットワーク、強固なセキュリティを有するサーバーを使用しています。

５．無料の会員管理システム導入のポイント

機能

基本機能であるデータベース、プロモーション、会員サポート機能以外にもシステムによって多様な機能を搭載しています。

また、データベースの項目数や項目の種類、検索方法、プロモーションや会員サポートの仕方もシステムにより様々だと思います。

まず自社の課題からどのような機能が必要であるか考え、選ぶことをおすすめします。

価格

システムの多くは、初期費用と月額費用が設けられています。
また会員数や利用できる機能により価格が変わるものもあります。

予算内で必要な機能を網羅しているシステムを選べるといいでしょう。

システム導入に不安がある方は、まず無料トライアルや無料プランがあるものから始めることをおすすめします。

セキュリティ

会員管理では個人情報を扱うため、セキュリティ対策がしっかりされているシステムを導入しましょう。

特に重要なことは、「しっかり暗号化されているか」「第三者がかんたんにアクセスできないようになっているか」です。導入前に確認しましょう。

操作性

管理画面の操作性は、会員管理を効率化するため重要なことです。

複雑な画面構成がないか、会員数が多いときでも操作スピードが落ちないか、会社によっては機会に弱い人でも操作できるか確認しましょう。

クラウド型orパッケージ型

クラウド型

クラウド型は初期費用が1~10万円、月額費用が1,000円~3万円です。そのため初期費用と月額費用のコストを抑えられます。

また、新機能の追加や修正がある場合はアップデートもできます。

しかし、カスタマイズ性が低いため、自社独自の使い方で利用したいという方には向いていません。

パッケージ型

パッケージ型は初期費用が数十万~数千万円、月額費用が数千円~です。そのため膨大な初期費用がかかります。

また新機能の追加や修正などのアップデートができません。

しかし、1度システムを導入すれば、その後の運用コストがかからないため、長期的に見るとクラウド型より安価であると言えます。

他システムとの連携

自社で既にあるシステムやSNSと連携できるか確認しましょう。

既に自社でポータルサイトなどがある場合、連携できれば新たにサイト構築する必要がないため非常に便利です。

６．無料プランがある会員管理システム

MiiT+

初期費用、月額利用料が無料で利用できる会員管理クラウドシステムです。
使いやすさを重視したサービスのため、管理者の作業負担を軽減できます。

機能

【会員管理】

検索・抽出 カスタム項目設定 CSV一括登録・出力 ラベル印刷 一斉メール配信

【決済導入】

豊富な決済種別 自動消込機能 定期引き落とし 決済集計 直接支払いの管理

【マイページ】

WEB会員証 出欠確認 スケジュール ファイル共有 おしらせ

【セキュリティ】

サーバー システム運用監視 脆弱性対策 WAF SSL通信 プライバシーマーク

価格

初期費用　0円 月額費用　0円

フリーウェイ顧客管理

3人まで無料でデータ共有でき、操作しやすいシンプルな画面デザインになっています。

また、項目を自由に設定できるため、従業員や商品、備品などの様々な情報を管理できます。

価格

【無料版】

初期費用：無料 月額利用料：無料 バージョンアップ料：無料 利用期間：無制限 データ共有できるユーザー数：3 データ量： 1,000データ 操作サポート：ありません

【有料版】

初期費用：無料 月額利用料：2,980円 バージョンアップ料：無料 利用期間：１年ごとの更新 データ共有できるユーザー数：4～ データ量：30,000データ 操作サポート：あります（メール）

会費ペイ

会員管理から入金管理まで自動化します。
会員の入会申し込み、会員管理データベース登録、毎月の集金・催促をおこないます。

機能

入会申込WEBフォーム 顧客管理システム 請求管理システム 決済システム

価格

初期費用 0 円 月額費用 0 円

STORES 予約

予約管理を自動化するので、顧客管理や決済の業務負担も劇的に削減できます。

テンプレートを選んでガイドに沿って操作するのみのため、システム導入が簡単にできます。

機能

【予約管理・設定】

予約カレンダーの埋め込み グループ予約受付 レッスン振替予約 スタッフ管理・指名予約 管理者権限 顧客CSV一括登録 レビュ受付可否の設計 アンケートのカスタマイズ 回数券・月謝購入履歴確

【決済手段】

月謝課金 回数券 ネット決済

【顧客管理・対応】

予約受付・キャンセル・変更 予約者情報・予約通知メールのカスタマイズ 顧客管理

【集客・販売催促】

メルマガ・DM（自動も）・SMS配信 検索予約サイトCoubicに掲載 SEO施策 キャンセル待ち設定 予約忘れないでねメール コンバージョンタグ埋め込み

価格

フリープラン 0円 ライトプラン 通常価格：6,480円 年契約すると：4,980円 スタンダードプラン 通常価格：22,980円 年契約すると：19,980円 プラチナプラン 通常価格：60,000円 年契約すると：50,000円

SELECTTYPE

きれいなデザインで高機能な予約システムがついたホームページを作れます。

予約フォーム、各種フォー、お問合せ管理、メルマガ配信から顧客管理まで全部無料（個別プラン）で利用できます。

機能

ホームページ 予約システム イベント告知 メールフォーム アンケート 会員システム WEB決済 メルマガ配信

価格

※パッケージプランのみ記載します

ベーシックパッケージ 3,000円/月 プロフェッショナルパッケージ 5,000円 / 月 プレミアムパッケージ 15,000円 / 月

７．無料トライアルがある会員管理システム

シクミネット

シクミネットは、会員個人情報・会費入金などの決済情報・イベント運営に関わる情報を一元管理できるシステムです。

またシンプルなデザインなので誰でもかんたんに操作できます。

機能

新規会員登録 データベースへの名簿自動追加 会員情報の検索・閲覧・変更 ステータス管理(会員・退会等) 会員番号の自動採番 CSV出力 会員種別設定 入会日自動登録 会員有効期限管理 会員マイページ 会員向け掲示板

価格

OB会 ・ 同窓会限定プラン 初期費用　30,000円~ 月額利用料 　1,000円~ ベーシックプラン 初期費用　 200,000円~ 月額利用料　30,000円~

Smart Core

自由自在な組み合わせで、ニーズに合った会員サイトを作れます。
少ないコストで運用でき、お客様サポート＆万全のセキュリティで安心です。

機能

【管理者向け機能】

会員データベース管理 メッセージ（メール配信） 管理者管理サイト コンテンツ管理 サイトデザイン管理 ログ機能 ログイン認証・アクセス制御

【会員サイト機能】

マイページ（プロフィール） 会員サイトコンテンツ 会員メッセージ 会員間交流（SNS機能） 会員ログイン・アクセス スマートフォン対応

【システムセキュリティ】

セキュリティ対策

価格

※一部料金のみ掲載しています。

初期費用 スタンダードプラン(サブドメイン)：0円 オリジナルドメインプラン(独自ドメイン)：58,000円 基本機能利用料金 スタンダード(全ての基本機能を利用できる)：13,250円～ オリジナルドメイン(団体・企業の独自ドメインが利用できる)：22,000円～

WEBCAS CRM

自社に合わせた会員登録・会員管理の仕組みを誰でもかんたんに構築できます。

WEBCAS CRMでは、会員を集めるところから管理・交流までできます。

機能

データベース顧客管理 登録フォーム作成 メール配信 アンケートキャンペーン LINE配信 SMS配信

価格

お問い合わせ

SPIRAL®

自社に合わせてカスタマイズでき、必要なアプリを自由に組み込めます。

CMS連携で既存サイトを会員サイトにできます。
コンテンツ管理はCMSで柔軟に、会員サイト管理はSPIRAL®で安全にできます。

会員情報を管理するデータベースからそのままメール配信できるため、配信リスト登録もシステム連携も不要です。

大量・高速・モバイル向け配信・ステップメールにも対応します。

機能

【会員管理機能】

会員データベース 検索・変更 一覧表示 メール配信

【会員サイト機能】

ログイン・マイページ 静的ページ・CMS連携

【自由に組み込めるアプリケーション】

会員名簿 アンケート 掲示板 問い合わせ セミナー管理 決済システム連携 動画配信システム連携 基幹システム連携

価格

問い合わせ

SMOOSY®

SMOOSY®は学会・協会に特化したクラウド型会員管理システムです。
事務作業に時間を取られることなく、研究に専念できます。

学会の会員管理状況や課題・予算に応じて選択できるプランがあります。

機能

学会サイト構築 名簿管理 会員・会費管理 入金管理

価格

すべて初期費用無料

学会サイト構築プラン 10,000円/月 ベーシックプラン 15,000円（~500名） 20,000円（501~1000名） スタンダードプラン25,000円（~500名） 30,000円（501名~1000名） アドバンスプラン 30,000円（~500名） 40,000円（501~1000名）

Prius Pro

顧客管理、会員管理からアンケート・問い合わせ・予約管理など多機能にわたるサービスを提供するシステムです。

安い費用ですぐ導入したい、クーポンを活用したい、簡単に操作できるシステムがいいという方におすすめです。
美容室、エステサロン、飲食店、居酒屋、小売店等の集客、販促、売上をUPし、安い費用ですぐに開始出来ます。

機能

顧客管理 ステップメール 対応履歴管理 予定管理 メール配信 クーポン アンケート マイページ 問い合わせ管理 WEBフォーム 添付ファイル チケット 予約管理

価格

初期費用　5,000円 月額費用　1,000円~

８．会員管理システム活用事例

イベント

企業が主催するセミナーや展示会では、会員管理システムがよく利用されています。

会員管理システム導入前は、セミナーや展示会で交換した名刺をあとでデータ化する作業がありました。
しかし参加人数やイベント規模によっては、それだけでも手間も時間も取られてしまいます。

会員管理システムを利用することで、初めからデータベースに集計データを蓄積できます。

クラブ

クラブやスクールの施設運営やサービスにおいても、会員管理システムは利用されています。

性別や年代別の利用者の割合や時間帯による利用者数、利用されているサービスの割合など細かく分析できます。

また、売上データや会員の在籍期間など運営に必要なデータも効率よく収集できます。

協会・学会

会員管理システムは協会や学会でも利用されています。

従来、会員の名簿管理を手作業でしていましたが、システム導入でこのような事務作業が自動化されたことにより、研究や組織の向上に力を入れられます。

入退会の自動化や会員証の自動発行などもシステムがおこないます。
コスト面で見ても手作業より安く済む場合もあります。

９．まとめ

以上、無料会員管理システムを中心に紹介してきました。

無料でできることはシステムによっては限りがあります。
しかし無料のものからはじめれば、万が一自社に合わなかった場合など金銭面の損失がありません。

手作業の会員管理にコストを取られ本来必要な業務に専念出来ていない方や、システム導入に悩まれている方は、今回の記事を参考に無料ではじめられる会員管理システムの導入から検討してみてください。