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NPSとは、顧客が企業やサービスにどのぐらい愛着や信頼があるかを見える化する重要な数値です。
そこで、自社の業界のNPS平均値を知ることにより自社の立ち位置を明確にしたい、NPSの活用事例を知りたいという方が多いのではないでしょうか?
本記事では、NPSの業界別平均値やNPSの活用事例を初心者の方でもわかりやすく解説します。
目次
NPSとは?
NPSとは、Net Promoter Score(ネット・プロモーター・スコア)の略です。
今までは顧客が企業やサービスにどのぐらい愛着や信頼があるかを計測する必要性に迫られていませんでした。
しかし、現在はSNSなどで簡単にレビューを投稿できるようになったため、否定的な体験をインターネット上で拡散する消費者が増えています。
そこで、NPSという指標を活用して顧客の意見を理解し、不満の原因を追求・解決しようとする企業が増加しました。
以下の図はNPSのイメージです。
このように「友人/知人/同僚にこのサービス/商品を広める可能性はどれくらいありますか?」という質問文と10段階の指標を示し、顧客がサービスや商品をどれくらい人に薦めたいかを知れます。
【2020年業界別】NPSスコア
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(出典:NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社「NPS®ランキング&アワード」)
NPSスコアの平均値が最も高い業界はNetflixに代表される動画配信サービス、最も低い業界は生命保険となりました。
日本のNPSはマイナスが出やすい理由
上で紹介した業界別の平均NPSスコアは全業界でマイナスになっています。また、各業界のトップ企業の数値でもマイナス値が並ぶ結果になっています。
顧客体験向上クラウド「EmotionTech」や従業員体験向上クラウド「EmployeeTech」を提供する株式会社EmotionTechによると、これには日本人の国民性が大きく影響しているそうです。
日本人の国民性とは、「日本人は評価する形のアンケート調査で複数の選択肢がある場合、中間の選択肢を選ぶ傾向がある」ことです。
NPSの回答数値でいえば、日本人が選びやすい「4~6点」は「批判者」に分類されるため、NPSが低く出やすいです。
ただ、NPSの数値にこだわるのではなく、NPSの推移を見ながら顧客満足度向上のための施策を続けることが最重要です。
NPSを実施している企業は?
Amazon・Apple・Netflixなどの世界的な企業から、東京メトロ・コクヨ株式会社・アフラックなどの日本を代表する企業まで、多種多様な業界でNPSの実施が進んでいます。
また、以前はBtoC企業でNPSが実施される傾向にありましたが、月額で料金を払うサブスクリプションビジネスの盛り上がりによりBtoB業界でもNPSの実施が進んでいます。
NPSの活用事例
Loco Partners
Loco Partnersは一流ホテルや旅館を厳選したネット予約サービスReluxを運営する従業員数170名ほどの企業です。NPSは2016年から導入しています。
NPS導入前
Reluxは、他の宿泊予約サービスと比べると、宿泊施設の掲載数や機能数が少ないにもかかわらず、「満足度の高い宿を厳選して掲載する」という世界観が顧客から根強く支持されてきたサービスです。
その世界観を崩さずに中長期的に成長していくため、NPSを導入して顧客の満足度を継続的にモニタリングしようと考えました。
NPS導入後の効果
NPSを通してサービスの改善を続けた結果、全体のスコアで40〜50の水準を維持できています(Appleやベンツのスコアは60〜70)。
その中で9点もしくは10点をつけた推奨者は約6割で、6点以下の批判者は約1割となっています。
オンライン旅行サービスのNPSは平均でマイナス30ほどという調査結果もある中で、Reluxのスコアはマイナス13を記録しています。
楽天トラベル
楽天トラベルはオンラインの旅行予約サービスを展開する企業です。
NPSは2016年からグループ全体に導入され、その中で楽天トラベルもNPS改善に向けて積極的に取り組んでいます。
NPS導入前
NPS分析ツールの導入以前は、社内のカスタマーサクセス担当にのみ「顧客の声」が集まる状態になっていました
NPS導入後の効果
各担当者に直接意見が届くようになったため、担当者や現場単位でPDCAサイクルを回し、スピーディーかつ能動的な対応が可能になりました。
(出典:楽天トラベル(楽天株式会社)導入事例 – NPSソリューション | NTTコム オンライン)
【厳選4選】NPSシステム
NPX Pro
「NPX Pro」は、NPSの商標をもつNICE Satmetrixのノウハウをもとに開発された、NPS向上を支援するシステムです。
アンケートから分析・レポート、改善アクションまでNPX Proひとつで実現し、さらに公認資格を持つコンサルタントが導入・運用を支援する点が強みです。
Qualtrics
「Qualtrics」は、13,000を超える世界のベストブランドが活用するNPSシステムです。
ドラッグ・アンド・ドロップで操作できるシンプルさと自動分析機能を併せ持つため、簡単にNPSを計測できます。
ミルトーク
「ミルトーク」は企業が生活者と直接コミュニケーションでき、多種多様な世代・属性の生活者から有意義な意見やアイディアを集められるNPSシステムです。
スタンプなどを使いながら消費者と楽しくコミュニケーションできるため、より顧客の本音を把握しやすいのが強みです。
CREATIVE SURVEY
「CREATIVE SURVEY」は、デザイン性が高いのに簡単にサクサク作成できるNPS ®システムです。
デザイン会社から生まれたシステムのため、ブランドを守る美しいデザイン性が強みです。
まとめ
本記事では、NPSの業界別平均値やNPSの活用事例を初心者の方でもわかりやすく解説しました。
NPSを有効に活用して、商品やサービスの認知向上・収益増加を実現しましょう!