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こんにちは、AINOWの亀田です。
全脳アーキテクチャ若手の会 カジュアルトークVol.22にお邪魔してきましたよ。
場所は目黒のアルコタワー17階、ドリコムさんのカンファレンスルーム。
今回のテーマは、「人工知能技術と私達の日本の社会の未来について考える」
慶応のIIRの皆さんと全脳アーキテクチャ若手の会の共同開催で、学生限定のワークショップで日本の未来を考えてみました。
まずは、未来を考える際に人工知能でどんなことができるのか、日本のトップで開発をされている人工知能の専門家2人に講演をいただきましたよ。
目次
INDUP株式会社 CEO 遠藤太一郎
現在のAI技術を用いてできること・できないこと
はじめに、特化型人工知能の事例として、最新のディープラーニング事例をご説明していただきました。
例えば、画像から文字を起こしたり、ある画像から新しい画像を生成することは、ディープラーニングでできるようになってきている。また、翻訳に関しても、日本語以外はすでに同時翻訳実装できるまで精度が上がってきて、身近な技術になってきたそう。
他に人工知能にできること・できないことをわかりやすい実例で説明してもらいました。
AIで出来ること
ルール化された業務やパターンがあるもの、人間の作業を代替えすることができる。
AIで出来ないこと
人間のように自律して考えること。
AIはあくまで道具、AIの進化は道具の進化である。
道具が進化することで、人間も進化していけるのではないかと考察されていました。
最後に、おまけネタとして、未来の人工知能のあり方について、現在研究中の内容を中心にお話頂きました。既に、人間の目になる人工知能や人間のカラダになるロボット人工知能が活躍しているそう、万引き発見のカメラAIやごみ収集の分析AIなどの事例を見せて頂きました。
クーガー株式会社 代表取締役 CEO 石井敦
少し先の未来でAI技術を用いてどのようにイノベーションを起こすか、どんな例がありそうか
お次は、自動運転技術やAIを用いた動画解析、AIシミュレーションなどを手がけている、クーガーの石井さんからお話頂きました。
AI、IoT、ロボティクス、VR/AR、ブロックチェーンCloud/Fog,3Dプリンティングすべてが並列で進化しており、組み合わせることが大事とのこと。実はバラバラの技術のように見えて、組み合わせることで新しい価値が生まれる仕組みを事例を基に説明頂きました。
※資料は現在精査中ですのでお待ち下さい。
そして、これらの新しい先端技術を活用したE-SPORTS、ROBORACE、MegaBotsなどの新しい産業の開発も進んでいる。
これがかなり進むと、今まではSFの世界で話されていた、火星移住、脳とAIの接続なども実現していく可能性があるとのこと。
人工知能を活用した未来の生活について、イメージを膨らますことができました。
人工知能時代における職業のあり方をチームでディスカッション
お二人のセッションを踏まえて、5チームでグループワークを行いました。テーマは、私達の身近な職業について、人工知能が活用されるようになったら、どのような変化が起きるのか?
人工知能技術を専攻していない学生が人工知能技術を学んでいる理工系の学生と一緒にディスカッションすることで、空想のイメージではなく、より現実的な考察に落とし込まれているのも、特徴的でした。
スタバの接客はAIにしてほしくない!?
気になるチームのディスカッション結果は、講師の2名にプレゼンして、1位を決めてもらいました。採点基準は以下に独創的なアイデアを広げられているか、そして納得感があるかどうか。先生、農家、店長、政治家、ホールスタッフなど、各チームユニークな職業の未来が出てきました、気になる1位は…?
10年後の学校の先生
まずはAチーム。
AIが普及すると…
先生の採点業務や事務作業がなくなり、もっと時間に余裕ができるのでは?
そして、10年後にはモチベーターや部活動としての顧問活動の時間が増えるのではと予想していました。
ようこそAIレストランへ
続いてBチーム。
AIが普及すると…
レストランを運営する上で必要なホールやキッチンはもちろん、すべてのオペレーションが自動化されていき、店長は1人でも店を切り盛りできるようになるのではと予想していました。
AI×政治家
続いてCチーム。
AIが普及すると…
AI政党が出来上がり、さらにクリーンな政治が行われるようになるのではと予想。IT技術が進化して、リアルタイムに世論を拾って政治に反映するといったSFのようなことも実現できるのではと意見に盛り上がりをみせていました。
AI×農家
続いてDチーム。
AIが普及すると…
農家は後継者不足、労働力不足による作物収穫量の減少を解決できるのではと予想。
具体的にはブロックチェーンやロボットなどの自動化で実現しそうと考えたそうです。
接客業のレコメンドについて
続いてEチーム。
AIが普及すると…
人間が説明する必要がある複雑な商品、オペレーションが明確なホール業務などが無くなると予想。面白い考察として、AIにされて嬉しくないことも考えていた所が他チームと異なっていたポイント、例えば、スタバ・贈り物・化粧品など付加価値が対価になっている接客はAIではなく人間の方が価値が高いと判断していました。
最後に、講演者のお二人が結果を判断…
1位はAIにされて嬉しくないことが盛り上がったEチーム!
見事1位を獲得したのは、Eチーム。遠藤さんからは、普段人工知能の未来を話しているが、AIにされて嬉しくないことを考えたことはなく、とても新鮮な感じがしたからとのこと。確かに、人工知能を使って如何に効率良く、業務を捌いて、便利にするかばかりを考えますものね。
今回のディスカッションでは、数式でアルゴリズムを議論したりするカジュアルトークとは表情が違い、とても新鮮な雰囲気で行われました。参加者を学生限定にしていた点も普段とは異なる点だったでしょうか。社会人でも人工知能を活用した未来のイメージを話すことはありますが、結構固いアイデアにいきがちだと思いますが、学生視点だと1段階柔らかく、柔軟な意見が聞けた点も魅力的なイベントだったと思いました。