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おざけんです。
広告技術は進化を続けています。アドテクともいわれ、最近では、広告主のWebサイトを訪問したユーザーの行動を履歴などのキャッシュで分析し、他のWebサイト上で同じ広告を表示させるリターゲティング広告を見かけたことがある人もいるのではないでしょうか?
Amazonで検索したことのある商品が他のサイトを閲覧中に広告として表示されたりしてびっくりしたことがあります。
今回、取材したのはAppierというマルチデバイス時代の中で成長を続けるテクノロジー企業です。人工知能・AIを使うことで機械学習でデバイスをまたいだユーザの推定ができる仕組みを取り入れている会社です。
その仕組みはどうなっているのか聞いてきました。
デバイスをまたいだユーザ特定ができるCrossX AIテクノロジー
スマートフォンが2000年代後半に出現してから、多くの人がタブレットやノートパソコン、スマートフォンを同時に所有する時代になりました。
広告配信技術は進化しています。広告は、DMPといわれるデータを蓄積して活用するプラットフォームが構築されたりして、ヤミクモに配信されるものではなく、データドリブンに配信される時代になりました。
しかし、まだ課題は残ります。
Googleなどは同じアカウントでログインした端末を同じユーザが使用していると予測して広告配信を行ったりしますが、ログインしていない場合では複数のデバイスで同じユーザが使っていると予測することはできません。
松崎さんによると、Appierのターゲットとするアジア圏の人々は、かなりの時間を2つ以上のデバイスを使って過ごしているといいます。
また、今ではアジアの複数デバイスユーザーの半分以上(51%)は1人につき2台のデバイスを所有しており、4分の1以上(26%)は4台以上のデバイスを使用しているといいます。
デバイスが多くなればなるほど、マーケティング担当者がユーザにエンゲージできるタッチポイントも増えます。
私も、MacbookとiPad, iPhoneとりんごだらけですが、いくつかのデバイスを使っています。
しかし、従来のシステムではログインしていない端末は同じユーザとして認識できず、取り逃してしまうユーザがいます。
そんな「クロスデバイスユーザ」を特定し、広告を配信することができれば、今までのログインIDベースのシステムに比べて多くのターゲットにリーチすることが出来ます。
AppierのCrossX AIは、デバイス所有権の情報と一緒に、Webサイトの閲覧の傾向や興味のあるカテゴリーなど、ユーザのプロファイルを作成していくことで、デバイスが違くても同じユーザだと認識することができるそうです。
クロスデバイスでユーザを特定する仕組み
CrossX AI は、アジア全域の何十億ものデータポイントから収集した、ユーザー行動などのシグナルを分析し、どのデバイスが同じユーザーによって使われているのかを示すパターンを探します。例えば、スマートフォンとタブレットで、毎日同じ時間に同じWi-Fiネットワークからログインしている場合、所有者が同じ可能性が高くなります。
CrossX AI は、最初にスマートフォン/タブレット、タブレット/PCといった一組のペアを予測し、さらに、スマートフォン/タブレット/PCというように、これらのペアにさらに関連付けをしていきます。
また、CrossX AIは、どのデバイスで、いつどのようなコンテンツを好むのかなど、複数のデバイス間を行き来しているユーザー特有の行動を分析してモデル化します。
松崎さんによるとこのシステムの精度は93%にものぼるといい、驚きです。
Aixon(アイソン)プラットフォーム
そんなAppierが提供するのがAixonというプラットフォームです。
松崎さんによると広告出稿における1番のニーズは「アクションにどうつなげるか」だといいます。
そんなAixonはビッグデータを利用して類似ユーザへの広告配信やサブスクリプションの増加が可能です。
編集後記
今回は素敵な縁をいただいてAppierさんを取材しました。台湾発の企業だそうですが、その技術力が評価され、台湾政府もかなり応援しているそうですよ。
経営陣も豪華。データサイエンスのスペシャリストなどが揃っているそうです。
資金調達も順調。総額90億円にものぼる資金調達に成功しています。松崎さんは「親和性のあるパートナーと一緒に会社を盛り上げていきたい」とおっしゃっていました。
Tech Clunchにも取り上げられています。
今後の活躍に期待大です。
■AI専門メディア AINOW編集長 ■カメラマン ■Twitterでも発信しています。@ozaken_AI ■AINOWのTwitterもぜひ! @ainow_AI ┃
AIが人間と共存していく社会を作りたい。活用の視点でAIの情報を発信します。
私たちはユーザの膨大なビッグデータを持っています。ほとんどの会社が課題を感じているところだと思うので、うまくデータを活用できてない会社をサポートしていきたいです。