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2017.12.18

第19回Machine Learning 15minutes!レポート-楽天のAI活用やSENSYが取り組む育成制度など-

最終更新日:

2017.12.16  Reported by おざけん@ozaken_AI

おざけんです。

2017年も毎月欠かさず開催してきたMachine Learning 15minute! (以下ML)。
今回が年内最後の開催となりました。

今回もMLの様子をみなさんにお届けします。

「Machine Learning 15minutes!」は、「機械学習」について「15分以内」で語るLTを6~9人程度で行い、DeepLearningや強化学習などの先端技術技術のビジネスへの応用例などを学び、様々な角度から機械学習についての知見を広げるイベントです。イベント終了後には懇親会が開催され、最前線の機械学習スペシャリストたちと人脈作りをすることができます。

Facebookのグループで情報発信も行っているそうですよ。ぜひご参加ください。

イベントの冒頭には主催の門前さんから挨拶が。機械学習の大切さを語っていました。

毎回多くの参加者が集まります。今回もほぼ満席状態です。

楽天における機械学習アルゴリズムの活用

楽天株式会社の平手勇宇さんによるセッションです。

楽天技術研究所では,楽天グループが保有する様々な大規模データを対象とした,機械学習データマイニング・自然言語処理等の研究を実施しています。
膨大な出展数がある楽天市場において機械学習のアルゴリズムはどのように活用されているのでしょうか。

楽天では画像をもとにアイテムを自動的にカテゴリ分けする機能などを開発中のようです。

また、市場のデータを使って潜在性の高い顧客を抽出したいというニーズから、金融サービスのユーザとして可能性が高いユーザを推定するなどの取組もしているんだとか。
楽天市場のユーザと金融サービスの50%のユーザは重なることをうまく活かしたそうです。

他にもテレビドラマドメインに特化した機械翻訳モデルの構築についても発表していました。


最適化の視点から見た人工知能とSENSY社でのリサーチャー育成の取り組み

11月にカラフルボードから社名を変更したSENSY株式会社。今回は岡本卓さんが発表してくださいました。

AINOWでも編集部のなっぴが独占インタビューをしてくれています。こちらの記事もぜひ見てみてください。

【インタビュー】人工知能「SENSY」が美味しく健康をサポートしてくれる?! 新たな領域への挑戦の裏側とは

今回のセッションテーマは“リサーチャーの育成プログラム”についてでした。

多くのAI企業の悩み。それは「とにかく人が足りない!!」ということです。特にAIエンジニアは足りておらず、ベンチャー企業だけでなく大手もこぞって人材調達に力を入れています。

AI人材が2020年に約5万人も不足する予想も

そんな状態の中、SENSYさんは自社内でリサーチャーを育成してしまうという取組を進めているそうです。
そのカリキュラムをご紹介してくださいました。

スライドもスライドシェアで公開中です。


deep learningによるCTスキャン画像シーケンスの3次元セグメンテーションからのMixed Realityでの活用

Holoeyes株式会社の谷口直嗣さんによるセッションです。

今まで2次元で確認することが当たり前だった医療データですが、VRを活用することで立体的に患部を確認することができるそうです。

この技術を使うと、医師が手術前にVRを用いてリハーサルできたり、患者は自分の体内でどのような変化が起きているのかを理解できたりできるそうです。
今までの概念を大きく崩した素晴らしい技術ですよね。

医師がVRを当たり前に使う未来が予想できる素晴らしいセッションでした。

スライドはこちら。

低い判定精度でも業務改善できた事例紹介

寺田将規さんの発表です。
寺田さんの務めるエムスリーキャリアは人材会社で、ここ1年くらいでAIに着手し始めた会社です。

人材紹介をしている中、エムスリーキャリアが抱えていた課題は「求職者を集めたとしてもどのようにコンサルタントのリソースを分配すればいいかわからない」というものだったそうです。

そこで人材紹介事業において転職意欲の高い低いを機械学習で判定し、業務の効率化を行った事例を紹介してくださいました。

キーポイント は以下の3つです。

・機械学習で判定したデータの一部を利用
・データクレンジング
・判定に失敗してもカバーできる体制

今はなんと94%の確率で意欲の高低が推定できるアルゴリズムがあるのだそう。

わかりやすい解説記事もご準備くださっています。

スライドもご用意いただきました。ぜひご覧ください。

昆虫の脳のアルゴリズム

株式会社ウサギィの五木田和也さんによるセッションです。
単純だけど高性能で調べやすく、神経細胞は数千〜数万個程度の昆虫の脳。その昆虫の脳のアルゴリズムがテーマでした。

ハエの脳の構造

 

ハエの脳の構造2 Step2で次元削減せず50個→2000個まで増やしている。

多くの細胞が反応することで、その中から選択することができる

ハエの嗅覚の情報処理は人間が従来使っていた手法のLSHよりも高精度だそうですよ。

スライドもわかりやすいです。ご覧ください。

アジアにおけるデータサイエンティストの育成と、bitgritが目指すコミュニティ

株式会社bitgritの向縄嘉律哉さんによるセッションです。


業界内の人材不足が騒がれる中、オープンコンペティションが国内でも盛り上がりを見せてきましたね。

bitgritはKaggleのようなオープンコミュニティの構築を目指す会社です。「だれでもチャレンジできる環境の提供、正当な評価に基づいた報酬の提供、知識の共有をする場の提供を実現したい」と向縄嘉律哉さんはおっしゃっていました。

オンライン&グローバルで仕事の機会を増やすことができるbitgritのような取組は今後より進んでいくべきですよね。

最近ではアジア地域との連携を強化しており、現在インド、フィリピンでの活動が進んでいるそうです。
向縄嘉律哉さんは、先日インドやフィリピンを訪問したそうですが、すごい熱気を感じたそうです。

インドはもうすぐ人口が中国を超える勢いなんだそうですよ。ITの従事者も多く、これから日本との連係も進んでいくといいですね。

また、新たなリリースも準備中のようです。今後の発展に注目です!

simGAN vs DA-GAN 理論と実装面で比較

株式会社ウェブファーマーの大政孝充さんによる発表でした。
テーマはsimGANとDA-GANとの違いを理論面、実装面で比較するというもの。

データの水増しに使われるsimGANとDA-GANをそれぞれのアルゴリズムなどをを含めて詳しく解説してくださっています。

結論はどっちも一長一短がありそうです。

スライドもご用意していただきました。参考にしてみてください。

AIメディア「AINOW」より

最後はAINOW編集部よる発表でした。

僕からは先日取材したYahoo! Japan研究所についてやGROOVE Xの発表についてお話させていただきました。

Yahoo! JAPANの月間約800億PVのデータはサービスにどのように活かされているのか

GROOVEX 計80億円を調達し新世代家庭用ロボット「LOVOT」開発を発表

GROOVE X様の記者発表資料より抜粋

特に伝えたかったのはこの部分。

今後のAIは単なる業務効率化・RPAのツールではなく、人のモチベーションを上げる人に寄り添う存在になっていくと思います。

イベントの参加者をはじめ、読者のみなさまには「AIが存在感を増して人間に寄り添うようになる」そんな明るい未来を予想して、普段の生活に想像を巡らせてほしいなと思っています。

編集部のなっぴからはAIが「より親近感のある存在になるにはどうしたら良いのか」というテーマでお話させていただきました。

わからない人に伝える努力も大事

インターンの求人は、この3つを具体的に明記することが大事

スライドはこちらからどうぞ。

交流会の様子もお届け

イベント後には交流会が催され、ビールやピザが振る舞われます。

乾杯〜♪

主催の門前さんをはじめ多くの人が機械学習の話題で盛り上がっていましたよ。

主催の門前さんをはじめ登壇者のみなさま

とても楽しそうな参加者。

AINOW編集部も毎回参加します。

編集部のなっぴも一緒に楽しんでいます。

初参加の人もあっという間に溶け込んでいました。

2018年も継続!第20回Machine Lerarning 15minutesのお知らせ

2018年も継続して開催します。

第20回 Machine Learning 15minutes!
日時:2018/01/27(Sat) 14:00 〜 18:00
場所:ディップ株式会社(最寄り駅:六本木一丁目)

次回も豪華なゲストが登壇してくださる予定です。みなさんのご参加をお待ちしています。

2017.12.16  Reported by おざけん@ozaken_AI

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