この記事はAI技術データベースメディアのアイブンの寄稿でお送りします。
クリエイティビティという言葉がありますが、古来より人間の文化創世において大切な役割を持ってきたのは「つくる」という活動ですね。
最近のAIがめざましく活躍しているのは、人間の手を離れて「つくる」能力を獲得した部分も大きいです。
最近では年末のNHK紅白歌合戦でAI美空ひばりに驚かされた記憶が鮮明に残っている方も多いことでしょう。
今回は、さらに驚きを隠せない生成系AIの研究を3つご紹介します。
【エンタメ】人間が楽しめる「落語」音声を合成
機械学習で合成した音声の落語でも、人間は楽しめることが発覚!
その結論を得るまでに試行されたAIモデルの数は、なんと12個でした。
研究者の方の情熱の勝利。しかし、モデルそれぞれのクセを見るのもまた面白いです。
まるで各モデルに異なる生命が宿っているかのようですね。
落語家が、機械によって取って代わられてしまう日は来るのでしょうか?
いつか「AIに仕事を奪われることに悩む人間の笑い噺(ばなし)」を、AI落語家から聞く日を待つとしましょう。
(2019年10月に出版された論文)
▼論文著者である加藤先生(総合研究大学院大学)より落語のAI音声ファイルを頂きました!
【アート】「複数楽器の」譜面を生成
AIで「歌手」を生成する技術はすでに世間を驚かせています。
いつかはビートルズのような「バンド」を生成することができるようになる…のかも。
米サンディエゴ大の研究者らは、複数楽器に対する楽譜譜面を生成するモデルを開発しました。「事前学習」という技術でさらにパワーアップ!(2019年6月に出版された論文)
▼そのパフォーマンスは?
【社会】リアルな人物画像を生み出す「StyleGAN」
実在していてもおかしくないほどリアルな顔画像が自由に生み出せるStyleGAN。
ゲーミングPCのグラフィックボードなどで有名なNVIDIAが生み出した驚異のAIです。
GANの仕組みは「画家と鑑定士」が同居しているようなもの。画家は描いた絵を鑑定士に見せ、鑑定士は「上手い」「下手」を判定、画家はそれを学びもっと上手い絵を描く。鑑定士は判定する度にさらに観察眼を磨かれるのです。
(2019年6月に出版された論文)
▼NVIDIAの「StyleGAN」論文は通常外部に掲載許可されていません。特別に許可獲得!
AIが生成できる物はどんどん増える
つい先日、AIで作曲できるキーボード「AWS DeepComposer」がAmazonより発表され、人々は熱狂と期待、ほんの少しの不安を覚えました。
Amazon AWS公式サイトには「生成的な機械学習モデルを使用」と記されています。
今後、機械学習の研究が進むにつれて、人間の手を離れて生成されるものはどんどん増えていくでしょう。
目が離せませんね!
さいごに
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