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2020.05.15

【人工知能学会(JSAI)まとめ 】組織から出版物、全国大会まで網羅

最終更新日:

一般社団法人 人工知能学会(英称:The Japanese for Artificial Intelligence、以下JSAI)の情報をまとめたページです。

JSAIは、2010年代に入り、ディープラーニング技術が脚光を浴びるはるか前から人工知能領域の研究を牽引してきた存在です。

長年に渡って人工知能の認知を広げる活動を行っており、現在の人工知能の発展に多大な貢献をしています。

人工知能学会(JSAI)とは

JSAIは、人工知能に関する研究の進展や正しい知識の普及などの活動を通じて、社会の発展に寄与することを目的として1986年に設立されました。

学歴や年齢を問わず会員になることができる非常にオープンな団体で、会員数は約5200名(2020年3月末現在)です。

JSAIの協賛として、Googleやパナソニックなど企業を筆頭に大手IT企業や製造企業、省庁など300近くの団体が活動を支援しています。

JSAIの活動内容

JSAIは社会とAIの関わりを広く伝えるために、多様な活動をしています。

  • 人工知能学会誌

年6回の発行。人工知能とその応用に関した新しい話題を提供しています。

  • 国際シンポジウム

年1度開催され、優秀論文はSpringer社のLecture Notesで刊行しています。

  • 全国大会

年1度開催され、一般の研究発表のほか、招待講演なども行なっています。

  • 人工知能学会論文誌

人工知能に関する新しい研究成果を示す論文を掲載する論文誌です。2001年以降は非会員でも閲覧可能です。

  • 人工知能セミナー/AIツール入門講座

各分野の専門家による研究者・開発者向けセミナーです。

  • 研究会・シンポジウム

人工知能の各分野ごとに研究交流を行います。

JSAIの組織

編集委員会

人工知能学会誌『人工知能』の編集、校閲を行なっています。

倫理委員会

年々、人工知能の存在感は社会の中で高まってきています。そうした現状から、社会全体が人工知能のあるべき姿を考えていくことの重要性に鑑み、2014年に発足されました。

JSAI 倫理委員会は2017年に「倫理指針」を発表しました。研究者と社会との対話を深め、人工知能の健全な活用を行っていくために策定されたもので、学会員の倫理的な価値判断としての役割も担っています。

倫理指針 要約

人工知能は人々の生活を豊かにする一方で、悪用や濫用で社会に不利益をもたらす可能性もある。そのため、人工知能に携わる研究者は社会から謙虚に学ぶ姿勢や、良識に従った倫理的な行動、そして倫理観の発展に尽力しなくてはならない。

学会員の倫理的な価値判断の基礎となる指針を9つの項目で定める。

【1.人類へ貢献、2.法規則の遵守、3.他社のプライバシーの尊重、4.公正性、5.安全性、6.誠実な振る舞い、7.社会に対する責任、8.社会との対話と自己研鑽、9.人工知能への倫理遵守への要請 】

また、2019年にはAI ELSI賞の企画、運営、表彰を開始しました。

AI ELSI賞とは、「社会におけるAI」という課題を広く共有することを目指した活動で、AIの倫理的側面において顕著な活動をした方に贈られます。また、ELSIとは、Ethical(倫理的な)・ Legal(適法の)・ Social Issues(社会問題)の頭文字を取っています。

表彰は以下の2部門に分かれています。

  • Perspective(展望)賞:今後の AI 研究の方向に示唆を与えてくれる、優れた倫理的視点を与えてくれた活動等。
  • Practice(実践)賞:AI 倫理や AI と社会との関わりに関して、社会的な影響を与えうると考えらえる、サービスや製品あるいはフィクション等の作品などの実践的活動等。

受賞対象は幅広く、2019年の第1回表彰には研究者だけではなく、漫画家も選ばれています。

JSAI 公式SNSアカウント/関連URL

JSAIの出版物

論文誌について

論文誌は、新たなAI研究の成果を示す学術的な論文を扱っています。論文は査読され、通過したものだけが掲載されており、質の高い論文が多く公表されています。

2001年以降の論文であれば非会員でも無料でオンライン閲覧することができます。

人工知能学会誌『人工知能』について

『人工知能』は1986年に創刊され2020年現在に到るまで30年以上の歴史があります。※当時は『人工知能学会誌』

各編集委員がテーマを決め、AIに関連する有識者が記事を持ち寄って掲載しています。

内容は、毎号テーマが変わる特集や論文特集、直近のJSAIの活動報告などです。

特集には、私たちに身近な分野や話題のAI研究などが扱われています。

過去には、「超高齢化社会と AI 」(2016年5月号)、「ゲーム産業における人工知能」(2017年3月号)、「スポーツ競技とAI」(2019年7月号)など多くの人が興味を持てるような特集が組まれてきました。

また、内容だけでなく親しみやすい表紙や個人会員に対する学会誌全記事の無料閲覧(2019/01/28〜)サービスなど、AIを幅広く多くの人に知ってもらえるような工夫がされています。

『人工知能』(2017年)表紙

国際シンポジウム (JSAI-isAI)

第3次AIブームの到来である2009年以降、人工知能に関する海外との情報発信の場として国際シンポジウムを開催されています。AI研究の発展が目覚しいアメリカや中国を始めとした国々との情報共有の場となっています。

毎年さまざまな企業や研究者のパネル展示や研究発表が行われており、海外からの研究者との交流や海外への発信の機会としています。

人工知能学会全国大会

人工知能学会全国大会は、AIに関する日本最大級の学会のひとつで、年に1回開催されています。

2019年の人工知能学会 全国大会は新潟県・朱鷺メッセで行われ、学会史上最多の人数(2000人以上)を動員しました。

スポンサー企業の展示や、研究者の論文発表、セッションが行われており、AIの最新情報をキャッチアップできる場です。

また、2019年からは一部のセッションを国際化し、海外からの招待講演を行なったりと、国内外問わず優れた研究成果を取り込もうと挑戦しています。

2020年の全国大会はコロナウイルス感染拡大の影響に伴い、オンラインでの開催が決定しています。

AI利活用の促進

人工知能セミナー・AIツール入門講座

各分野の専門家による研究者、開発者向けセミナーや講座を開催し、AIを活用する人たちの後押しをしています。

セミナーは年に数回、東京だけでなく関西で開催されており、人工知能の最新の研究動向を知ることができます。

不定期開催のAIツール入門講座では、データ分析などのAI研究に役立つツールの講座を開催しています。

また、このセミナーと入門講座は非会員や学生でも参加可能です。

最新情報はfacebookでチェック▼

AIマップβ

AIマップβは、多岐にわたる人工知能研究について全体像を見渡せるようにマップ化しているものです。

AIについて勉強を始めたい方や、他の領域を専門としている研究者にAI研究を分かりやすく伝えるためにこのマップは作成されました。

JSAIは、このAIマップβができた背景やマップの解説を漫画で分かりやすく掲載しています。

AIマップβは4枚のマップで構成されており、それぞれ異なる観点からAI研究を捉え、まとめられています。

A: 知能の処理の流れ
B: 成功した応用例と発展傾向
C: AI研究の応用と基礎
D: AIとは何か

A: 知能の処理の流れ

これらマップはAIの進化に合わせて更新されていく予定です。

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