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2020.05.20

参加者は3000人超え!人工知能学会全国大会(オンライン)の魅力をインタビュー

最終更新日:


2020年6月9日〜6月12日に開催を予定していた人工知能学会全国大会(JSAI2020)は、新型コロナウイルス感染拡大の影響によって、オンライン開催となってしまいました。

AINOW編集部は、人工知能学会全国大会(JSAI)の大会委員長である森川幸冶氏と、プログラム委員長である片上大輔氏にオンラインでインタビューを行い、オンライン開催になったJSAI2020の詳細と、オススメのセッションなどをまとめて紹介します。

▼人工知能学会について詳しくはこちら

森川幸冶 JSAI大会委員長
スタートアップのConnect株式会社で脳波(Brain Machine Interface)によるリハビリテーションの事業化を行う。もともと脳とAIの境界領域に興味があり、全脳アーキテクチャの活動にも力を入れている。
片上大輔 JSAIプログラム委員長
東京工芸大学工学部コンピュータ応用学科専任。ヒューマンエージェントインタラクション(HAI)に関する研究に従事。学生時代は進化計算や強化学習の研究を行う。

JSAI2020はオンライン開催へ

4月13日、2020年度人工知能学会全国大会(JSAI2020)は6月に熊本で行われる予定でしたが、新型コロナウイルスの影響をうけオンラインへの形で開催されることになりました。

オンラインでの開催に伴い、発表者はZoomなどでのWeb会議システムを利用し、基本的には通常のタイムテーブルに従い実施されることとなっています。また、毎年行われる参加者交流会もオンラインになり、具体的な内容は検討中となっています。

片上氏:できる限り現地熊本でやりたいという思いはあり、大会委員長の森川さんや実行委員長の木村さんを中心に事務局の方たちと一緒にギリギリまで悩んでいましたが、新型コロナウイルスの影響が衰えることがなかったため、オンライン開催決定に至りました。

参加者は増え続け、昨年は2900人の参加

2019年、新潟で開催されたJSAI2019は、2900人以上の参加者が集い、大盛況で幕を閉じました。

グラフの推移から見てわかるように、従来は500人程度の参加者から比べると、近年どれほど人気が出てきているかがわかります。

森川氏:前は数百人で仲良くやっていましたといった感じです。
熊本では、3000名を超える参加が見込まれていたのですが、残念ながらオンラインとなってしまいました。

森川幸冶 JSAI大会委員長

JSAI2020の発表件数はなんと約900件

今回開催されるJSAI2020は、1000件を超えるほどの発表申し込みがあり、最終的な発表数は915件と過去最高となりました。発表数の増加に伴い17並列セッションを3日間開催し、合計187セッションもの発表が予定されています。

片上氏:過去十数年ほどの発表を見ると、例えばですが、データマイニング、Webインテリジェンス、エージェント、機械学習などのようにいくつかのトレンドの推移はあるように感じられます。

森川氏:人工知能学会では他にも多くの研究テーマがあり、トレンドとなっている研究テーマだけでなく、継続的に議論がなされている研究もたくさんあります。

おすすめの聴講の仕方

AI・人工知能に興味を持っている人は、初心者にも学生から企業の方まで、さまざまな方がいると思います。人工知能学会全国大会では、人工知能に関する研究が発表されていますが、一口に人工知能と言っても、発表内容が非常に多岐にわたるので、まずは、皆さんの興味で入っていただければと思います。

後は、基調講演、招待講演2件(英語講演1件)、特別講演も用意されていますので、こちらには、一般のセッションに比べて参加しやすく、また、わかりやすく講演して下さると思います。

企画セッションもおすすめです。最新の内容の話を、各セッションが工夫してお話しされると思いますので、最新の動向などをおさえるのにも適していると思います。

また、今年度から、プログラムを一覧できるアプリの導入を予定しています。ぜひスマートフォンなどに入れていただき、大会を楽しむために利用していただければと思います。

各セッションの特徴

学会発表では、さまざまなセッションがあります。
各セッションの特徴をお答え頂きました。

国際セッション

2019年大会から始まった、英語論文および英語による発表です。国内外の優れた研究成果を英文論文として世界に発信することが特徴になります。特に優秀な論文は、Post Proceedingsとしての選抜と発刊が計画されています。

機械学習のセッションが国際セッション全投稿の約半分と非常に多く、人気があります。

一般セッション

関連分野の学術論文、事例報告に関する通常の発表です。こちらも機械学習に加えて、自然言語処理、エージェント、その他AI応用の研究が多くあります。

オーガナイズドセッション

「萌芽的な研究テーマや学際的課題など、一般セッションには収まらないテーマについて深い議論を行う」ことを目的としたセッションです。SNS、食、倫理、対話システム、広告、医療、クリエイティブシステムなど、様々な分野の最新のテーマが25あります。興味があるOSにぜひ参加してみて下さい。

近未来チャレンジセッション

5年以内という近未来に実現でき、社会に役立つようなチャレンジングな研究テーマを提案・議論する特別セッションです。本年度で最後になり、卒業セッションが行われます。

インタラクティブセッション

ポスターパネル、机、および電源などを利用して、デモやポスターを利用して発表を行うセッションです。口頭発表に比べて、より多くの参加者とより深く議論することができる、実際のシステムを参加者に体験してもらうことができる、といったメリットがあります。
今回のオンライン発表でも、インタラクティブに行えるようにやり方を検討中です。

プレナリーセッション

基調講演、招待講演(2件、英語講演1件)、特別講演があります。講演者と講演の詳しい内容は、すでに大会HPの方で紹介していますので、ぜひご覧下さい。人工知能分野の過去から最新の内容まで興味深い話が聞けるセッションです。

チュートリアル

「AI系トップカンファレンスでの日本のプレゼンス向上を目指して ~最新カンファレンスの動向と論文採択に向けて~」と題して、論文の書き方のチュートリアルが企画されました。

全国大会からどんどんトップカンファレンスなどへ投稿してもらいたいという意図で、レベルの高い会議に通すコツなどについて学ぶことができます。

片上氏:日本の人工知能コミュニティ全体のレベルを少しでもあげられればと思っております。

また、人工知能の倫理について、社会的にも非常に注目を集めています。人工知能学会では、2014年に倫理委員会を立ち上げ、活動を行っています。チュートリアルにおいて、「AI 倫理とガバナンス:世界動向と産業界の取り組み」という内容で、世界の動向と産業界の取り組みについてお話し下さる予定です。

企画セッション

今年度は13の企画セッションが予定されています。最新の興味深い内容を各セッションが趣向を凝らして準備していると思います。

学生企画

学生による企画セッションです。「AI研究者は今、哲学者たり得ているか?」というタイトルで、3名の世代の異なる研究者を招待して、議論していただく予定です。

インダストリアルセッション

企業によるセッションです。今年は32の企業により最新の企業研究についてお話しいただけます。

ナイト/ランチョン

オンライン開催の影響もあるかもしれませんが、今年度はナイトセッションはありません。ランチョンセミナーは、お弁当は配れませんがオンラインでの実施を現在各企業において企画中です。

参加者交流会

オンラインの参加者交流会を予定しています。詳細はまだ大会HPなどでご連絡させていただきます。

注目の技術・セッション

近年のAIブームの発端である機械学習に関する研究テーマが流行りとなっています。また、機械学習の応用できる分野として自然言語処理の研究が多くなっており、研究内容も過去と比べ大きく変わっており、ホットな話題だと言えます。

片上氏:機械学習に関する研究が多いですが、自然言語処理、倫理、医療、エージェント関係のセッションが人気です。これらに関するセッションは、近年でも立ち見があったり、部屋に収まりきらずに聴講を断念せざる終えなかったりしています。今年はオンラインセッションになりますが、オンラインでもシステム上の接続上限(たとえば300人など)があったりしますので、お気をつけ下さい。

セッションとして、オーガナイズドセッションでは、計算社会科学、世界モデルと知能、臨床の知などの発表数も多く人気があるかなと思います。

「臨床の知」のテーマでは、AIの専門としてる方だけでなく医療関係者の聴講を見受けられ、盛り上がりが広がっていくと感じます。

森川氏:オーガナイズドセッションは、さまざまな切り口の研究があり、分野の広がりを感じられると思います。
また、企画セッションでは、研究そのものだけでなく、研究周辺のトピックもあるので面白いと思います。

参加者のトレンドとしても、従来はAIの研究をしている研究者の方がメインとなっていましたが、現在では、AIの研究がどういったふうに自分の分野に適用できるのかっていうのを調べにこられる方が多くなってきています。お医者さんやファイナンス関係の方、農業の方など多様な人が来られています。

企業側の人が参加するメリットとは?

片上氏:近年参加者が非常に増えておりますが、多くは企業の方が多く来ていただけるようになったと感じています。。最新の人工知能の発表が集まる場所ですので、最新研究動向の把握や、最新技術の調査など、各企業のニーズに応じて、さまざまなメリットを提供できればと思っています。

今年度はオンライン開催となり、出来ることも限られることもあるかとも思いますが、なるべく通常の開催に近い形で提供できればと思っていますので、ぜひ気軽にご参加いただければと思います。

学生に期待することは?

片上氏:ぜひさまざまなセッションに積極的に入って楽しんで参加してくれればと思います。オンライン開催になったことで、雰囲気がわからず発表などは、ちょっとやりにくいかも知れませんが、ぜひ遠慮なく自信を持って発表してくれればと思います。この会議を通して、皆さんの発表がさらに発展していくような場を提供できることを願っています。

参加申し込み締め切りは5月22日まで

参加方法は、こちらからご参照下さい。

後期登録の締め切りが5月22日になっています。

当日受付は出来ないので、お早めに参加登録をお願いします。

おわりに

新型コロナウイルスの影響でオンライン開催となったJSAI2020。

学会発表という空気を直接味わうことができないことは残念ですが、オンラインだからこそ聴講が気軽に行えるようになります。今まで参加したことが無かった方もお気軽にご参加ください。

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